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第3話:森の中の影

森の奥、薄暗い小道。

カイは肩にクレイモアをかけ、腰のクロスボウを手にしながら進む。

先日の小競り合いで芽生えた距離感を意識し、慎重に歩を進める。

茂みの奥、視界に一瞬の動き。

人影がひとつ、木の間を滑るように進む。

剣や槍のような武器は見えないが、その立ち振る舞いには異様な精密さがあった。

突然盗賊の群れが茂みから飛び出し、カイに向かって襲いかかる。

カイはすぐに弓を引き、矢を放つ。

近づいてきた盗賊には剣を握り、体をひねって攻撃を受け流す。

その瞬間、木々の間から影の人物が現れた。

短い槍を左手に、右手には投げるための長い槍を背に構えていた。

一人が飛びかかる。影の人物は軽く踏み込み、ほんの一瞬で敵をかわす。

投げ槍が飛ぶでもなく、ただ体の角度だけで、敵の攻撃は空を切る。

カイは思わず目を見張った。

「……この人……ただの戦士じゃない」

盗賊が距離を詰めようとするたび、影の人物は絶妙な間合いで牽制し、攻撃をかわす。

体の一部の微妙な位置で、すべての攻撃を最小限の力で受け流している。

カイは剣を振りながら思った。

自分の行動と比べて、何も無駄がない。

距離の詰め方も、逃げ方も、攻撃の間隔も、すべてが計算されている。

戦いが終わると、影の人物は何も言わず、森の奥へ消えていった。

カイはしばらくその場に立ち尽くす。

ただ戦いを見た――それだけだった。

だが、体の奥に何かが芽生えた気がした。

「距離――この人は距離を使って戦っている」

そう、まだ言葉にはできない感覚だけが、確かに残っていた。

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