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第1話:旅立ちの刃
朝もやの森を、カイは静かに歩いた。
腰にクロスボウをかけ、クレイモアは肩から背中にかける。
遠距離にも近距離にも対応できるこの戦法は、彼にとって自然な選択だった。
茂みが揺れる。影が二つ。
盗賊だった。
カイはまず弓を構え、射線を作る。距離が詰まれば剣を抜き、振るう。
動きは無駄なく、自然だ。攻撃も防御も、ただ体が反応するだけだった。
盗賊はすぐに退き、森は静けさを取り戻す。
カイは歩みを止めず、森の奥へ進む。
低く唸る声が響いた。黒い毛皮をまとった魔物が現れる。
弓を構える。魔物が距離を詰めると、剣に手をかける。
踏み込みや離脱は無意識に体が判断する。
ただ、敵との距離に応じて自然に身体が動く。
魔物を退け、カイは深く息をつく。
森を抜ける道はまだ続く。
遠くにはまだ見ぬ土地があり、未知の敵も潜む。
しかし、遠近両方の武器を携えたこの戦法は、今日も彼を支えていた。




