ゾンビvsヤクザ~人気なき戦い
指定暴力団、天狼組系岩熊組組長の侠客・岩熊勝平は今日も朝からボランティアに精を出す。
小学生の登下校の見送り、道路のごみ掃除、お年寄りへの手助け。
だが世間の目は冷たく、だれもが彼から目を反らし、そそくさと離れていく。
5年前に施行された反社会勢力新法により、彼らヤクザはもはや絶滅寸前の存在だった。
暴力団追放のスローガンはいつしか『暴力団撲滅』に文字を変え、国民すべてにマイナンバーカードの
所持が義務付けられた管理社会において、そのカードを配布されない反社認定者は世間から徹底的に
隔離されていった。
毎日のように解散届を持って署名を求める捜査四課(マルボウ)の刑事を追い返し、二人しかいない子分の食い扶持に頭を悩ませつつ、事務所とも言えないようなプレハブ小屋のボロソファーにその身を沈めて、
彼は今日も嘆くのだった。
「宇宙人でも攻めてこねぇかなぁ、警察も自衛隊も手も足も出ないような・・・・・・そしたらよ、俺ら侠客が死に花を咲かせられるのによぉ」
令和十三年、夏。四国のとある漁師町。これはある大男の嘆きから始まる物語。
※この作品はカクヨム、ハーメルンにも投稿しています
小学生の登下校の見送り、道路のごみ掃除、お年寄りへの手助け。
だが世間の目は冷たく、だれもが彼から目を反らし、そそくさと離れていく。
5年前に施行された反社会勢力新法により、彼らヤクザはもはや絶滅寸前の存在だった。
暴力団追放のスローガンはいつしか『暴力団撲滅』に文字を変え、国民すべてにマイナンバーカードの
所持が義務付けられた管理社会において、そのカードを配布されない反社認定者は世間から徹底的に
隔離されていった。
毎日のように解散届を持って署名を求める捜査四課(マルボウ)の刑事を追い返し、二人しかいない子分の食い扶持に頭を悩ませつつ、事務所とも言えないようなプレハブ小屋のボロソファーにその身を沈めて、
彼は今日も嘆くのだった。
「宇宙人でも攻めてこねぇかなぁ、警察も自衛隊も手も足も出ないような・・・・・・そしたらよ、俺ら侠客が死に花を咲かせられるのによぉ」
令和十三年、夏。四国のとある漁師町。これはある大男の嘆きから始まる物語。
※この作品はカクヨム、ハーメルンにも投稿しています
第一話 令和十三年、ヤクザは辛いよ
2024/10/11 22:19
(改)
第二話 岩熊勝平という男
2024/10/13 14:13
(改)
第三話 異変
2024/10/13 22:28
第四話 矜持と世間とやさぐれと
2024/10/14 20:39
第五話 折れて、たまるかよ
2024/10/15 21:18
第六話 淡路島の死闘
2024/10/16 20:38
(改)
第七話 ふたつのほころび
2024/10/17 20:51
第八話 弔い
2024/10/18 20:58
第九話 池田ダム攻防戦
2024/10/19 21:18
第十話 英雄(ヒーロー)
2024/10/20 13:37
第十一話 取調室にて
2024/10/21 22:18
第十二話 沈みかけた泥船の上で
2024/10/22 20:18
(改)
第十三話 天に向かって
2024/10/23 20:22
第十四話 せいぎのみかた
2024/10/24 19:32
最終話 受け継がれる生き様
2024/10/25 20:19
あとがき
2024/10/26 20:38