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あら？言ってなかったかしら、わたくし前世の記憶があるのよ。いわゆる転生者ですわ。実はここ、前世で大人気だった恋愛シュミレーションゲーム『この世界で君に恋した』通称「キミコイ」と似ていたのですわ。
わたくしはゲームとか前世では全く興味がなかったので詳しくは知りませんの。前世の親友みーちゃんが、とてもキミコイのファンだったので色々聞かされたり見せられたりしましたわ。まぁほとんど流していたので内容は記憶にないのだけど。
でも国や学園の名前が同じだったのでもしかしたら、という感じでしたわ。
確信したのは学園に入学してからですわ。
はぁ……あの時は本当に面倒くさかったですわ………
「失礼します、皇后陛下。」
ん？先ほどクッキーを持ってきてくれた使用人だわ、どうしたの？
「あの…皇帝陛下がお見えになっていますがどのように致しますか？」
あら、ばあやと話して愛しい陛下との過去を思い出していたら結構時間が経っていましたわ。
扉の方に目を向けてみると、愛しい陛下の御髪がチラチラと見えていますわ。わたくしが許可を出していないからってずっと扉の前にいらしたの？可愛いすぎるわ！
ずっと見ていたいわ…いえ、見ているのですけれど。
ばあや、そんな呆れた目で見ないでちょうだい…
いいじゃない、少しくらい。ずるいわ、廊下にいる使用人達はみていたのでしょう？30分ずっとわたくしの部屋の前でウロウロしている愛しい陛下を。
誰か記録玉で撮っておいてくれていないかしら。ばあや後で確認しておいてちょうだい。
え？宰相補佐が毎日、陛下を撮っているから心配しなくてもいいって何ですのそれ、聞いていませんわ！わたくし週に二個しか記録玉もらっていませんのよ、もらっていない記録玉はどうしましたのよ！
え？いつも通りの行動で特に何もなかったから、中身を消去して再利用しているですって？そんなのダメですわ、撮ったら全て持ってきなさいと言っておいて。
ダメ？なんでダメなんですの！
え？陛下も同じ事をしていらっしゃって記録玉が足りなくなるからわたくしと愛しい陛下、それぞれ週に二個までですの？
それ、本当ですの？愛しい陛下と同じ事を考えていたなんて……やっぱりわたくし達は似ているのね！
ええ、それなら週に二個で我慢しますわ。
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