第81話 異世界で美少女AI にサポートされる展開!?
ブロック分けされた区画をいくつか通り過ぎ、俺たちは軌道防衛なんちゃらビーム砲に向かっていた。
今まではユキメが隔壁を下ろしてくれていたから敵に遭遇せずに進めていたが、
『この先は破壊された隔壁が多く点在している。よって淫魔と接触することが予想される。気をつけて』
この先の通路は安全の保障はないらしい。スーツのコンピュータとリンクしたユキメに警告されると思わず気持ちが引き締まる――というか、ユキメにそう言われるなんて変な感覚だ。
「まさか淫魔に心配されるなんてな」
『元淫魔。今の私の状態は、この施設のデータによるとAIに該当する』
そう言われた瞬間、マジかっ、と陽菜美が喜びの声を漏らした。
「美少女AIにサポートされるなんて私的にポイント高い。しかも犬耳少女だから最高だね」
「確かに最高だ。ユキメ、脅威をチェックしてくれ」
『監視システムによると、この先のT字路に敵性反応多数。小悪魔級と思われる』
おおすげぇ、それっぽく指示を出してみたらホントにAIっぽく返答したぞ、こいつ。
『このまま走れば、T字路で接触する』
「なんだと……!? おいみんな、敵がすくそこまで来てるぞ! 正面のT字路だ」
「お兄、私が足止めする」
「危険だ。一人でなんて」
「でも急いでるんでしょ。私がケツを護ってなくちゃお兄たちが安心して前に進めないよ」
陽菜美が言ってることはわかる。このまま無視して直進すると、前はクロコ、後ろは小悪魔級の大群に挟み撃ちにされるってことだから。だが頭ではそうわかっていても、妹だけ残すなんてことは、俺にはできない。
「だったら私も残る。骸骨鼠の大群、迎撃、噛みついちゃえー」
シアが指示を出すと、俺たちに並走していた骸骨鼠たちがT字路を曲がった。それに続いてシア自身も俺の背中から飛び降りる。陽菜美が俺の前に走り出てきゅっとT字路の壁際に立ち止まり、通路の側面から射撃をくわえた。
「行って! お兄ッ!」
「ああ! お前ら任せたぞ!」
「絶対、絶対アタシたちに追いついてきて! 待ってるっすからね!」
陽菜美の銃弾を浴び、骸骨鼠にも飛びつかれた小悪魔級が悲鳴を上げる中、俺とレヴィはT字路を直進した。
あいつらなら大丈夫だ。装甲服にはシールドもあるし、骸骨鼠だって一匹じゃ弱いけどまだ百匹はいる。小悪魔級なんかに負けたりしない。
だが不安になってくる。銃声と淫魔の悲鳴が響く通路を駆けているからどうにも悪い想像ばかり頭に浮かんできた。
ずっと敵が流れ込んできたら、陽菜美とシアは……いや二人だけじゃない。ユリさんたちも心配だ。こんな淫魔だらけの施設はどこでも危険地帯なんだ。
けれど振り向かない。仲間を信じて、この先に向かう必要があるから。一秒でも早くクロコを止めないといけないから。
(次回に続く)1




