第64話 最高の人材を発見! 悪魔師団長!
「はい! 君採用!」
「ええ!? ちょっと、店長さん……!? なんですか、ひっぱらないでくださいぃぃぃ」
ばっと腕をつかみ、イートインスペースに引き込む。そして俺はルキナさんをみんなの前に突き出した。
「えー皆さんに紹介しまーす。対淫魔戦に加わるルキナさんです」
「あ、お姉ちゃん。奇遇っすね、こんな場所で」
「るき姉、ひさしぶりー」
「レヴィさんにシアさんまで……! どうしてお二人が……それに対淫魔戦って……」
「話せばちょっと長くなるかなぁ。それよりるき姉もいれば心強いねー♪」
ふふん、とご機嫌なシアが言う通りルキナさんがいれば心強い。レヴィだってなかなか強いし、シアはまだ未知数だが、この悪魔三姉妹がいれば案外どうにかなるんじゃないか?
そう思って俺は怪訝そうな目つきになったユリさんに得意げな笑みを向けた。
「どうだ? 師団長クラスの悪魔がいれば、神に頼らなくてもいいんじゃねぇか?」
「不安要素がありますが、そうですね……」
熟考するユリさん。やはり効果的だったらしい。悪魔の力を神側のユリさんが借りるなんて自分で言って不味い気がするが、検討する余地はあったようで、ややあってユリさんの口がほころんだ。
「いいでしょう。その悪魔たちはこちらに友好的なようですから――」
その時だった。
………………シュュュュュビュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュ!
赤い閃光が俺たちを包んだ瞬間、どこからか反響音が響いた。赤くて何も見えない。目の奥がじんじんするような、思わず身体が強張るような、強烈な閃光。だが閃光が徐々に弱まると、あっけないもので、何も起きていなかった。
俺たちも、イートインスペースから見える平原も、コンビニ店内もいつも通り。普通だ。爆発したわけでも、ビームや魔法的なモノで蒸発したわけでもない。
「なんすか今の!? なにかの魔法ッ!?」
「お兄お兄! 今一瞬、大量殺戮兵器的な光が! 私たち蒸発したのかな……!?」
「落ち着け、痛みも何もなかっただろ。ただ光っただけだって」
レヴィと陽菜美をなだめる俺自身も正直よくわからない。なにしろいきなりだったから。いきなりピカッて光られても困惑するだけだ。だが、何も起こらなかったから大丈夫だ、と言い続ける俺の目の前では、シアが首を横に振っていた。
「そんなはずない。あんなに強烈に光ったんだよ? それが無意味なわけないし、今は大丈夫でも、あとからじわじわくるタイプの呪いかもしれない。そうだよね、るき姉」
「ええ、かなりの広範囲でしたし……この街、プローディオを含めたこの地域を包んで、しかも最後の方は弾けて、拡散しているように見えました」
魔法に詳しそうなシアとルキナさんが言うんだ。
え? 呪いなの? 最後の方弾けて拡散って……爆発してるみたいじゃん!? どうよう、今はなんともなくても放射線的なものならすぐには何も起きないだろうし、もしかして俺、被曝したのかな……!
段々危機感がつのっていく。さらにその緊張を煽るようにユリさんがコンビニを飛び出した。
「不味いですッ!」
「不味いって、何!? ねぇ! ちょっと待って、説明、説明しろよ!」
一瞬見えたユリさんの横顔。その忌々しげに歪んだ表情がどうにも気になって俺も全力でついていく。
あの人早ッ!? もう門のところまで……!
門に入る人影を見ると、ぜーぜーと息を吐きながらだいぶ遅れて俺も街に入った。
「ええッ!? なんだこれ……」
そこにはある意味、地獄絵図が広がっていた。
折り重なり合う悪魔の男女。貪り食うように激しいキスをするカップル。路上で自分のスカートに腕を突っ込んでもぞもぞと手を動かし始める若い街娘に、それを見て苦しそうに股間を押さえ、悲鳴を上げている青年。さらには枯れた老夫婦すら狂気的にハッスルしていた。
街中の男女がエロに支配されている。だがただのエロではない。エロ行為をしていないヤツはぷるぷると身体を震わせて幻覚でも見えているように叫んでいる。
「シグメのしわざです。おそらくあの子は、狂気のエネルギーを増幅させ、ビームにして飛ばしてきたのでしょう」
狂気的なエロに染まった街を眺めながらユリさんが言った。
それは、狂気の淫魔との開戦を意味する言葉だった。
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