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第51話 ペットと力を合わせて強敵を打ち倒す!

 接近するか? ゼロ距離なら絶対当たるし、いや、でもそれで五秒経ったら終わりだ。殺される。時止めには再発動不可時間クールタイムがあるから連続して使えないだろうし、ど、どうしよう!?


 貴重な時間を使って思考を巡らせた時だった。


「ワン!」

「おわっ!?」


 俺の肩にクロコが飛びついてきた瞬間、俺は思わずスタンライフルの引き金を引いてしまった。


「うぐぅ……」


 揺れる視界の中で巨漢が体勢を崩した。首を振るのをやめると、アスモデウスが膝をついていた。


「に、人間、何をした……? 俺には自動防御の術式が幾重にも張り巡らせているのだぞ」

「すげぇ、なんか効いてるみたいだぞ……ッ! やっぱり俺が思った通りだったか……!」

「グゥゥゥゥ!」


 俺の肩に器用にしがみついたままクロコが、アスモデウスに向かって唸った。


「クロコ、お前、一緒に戦ってくれるのか?」

「ワン!」

「よし、ならお前が俺の目になってくれ。照準が合ったら吠えるんだ」


 こいつは人の言葉がわかる魔犬だ。しかも時止め効果中でも動ける。俺が首を左右に振って時を止めている間にクロコが吠えて射撃のタイミングを教えてくれるはずだ。


「おのれ! 人間、この娘を犯す前に貴様を消し炭にしてくれる!」

「止まれぇぇぇ!」


 アスモデウスがこちらに手のひらを向け、魔法を放とうとしてきたが、俺は再び首を振って時間を止めた。視界に映った残像するアスモデウスの輪郭に向けてゆっくりと銃口を動かす。


「ワン! ……ワンワン! ワンワン……ワン!」


 クロコが吠える声に合わせて引き金を引きまくる。五秒間をフルで使ってスタン弾を叩き込むと、どさっという音が耳に届いた。

 アスモデウスが倒れていた。クリスタル装置の前でびくびくと痙攣している。


「嘘……お兄さん、あのアスモデウス様を倒しちゃった……」

「お兄すごいよ! こんなに早く討伐とか魔王討伐タイムアタック世界一じゃん!」

「よかった……先輩、ありがとうっす……アタシを護るために、魔王討伐なんて大罪を……」


 唖然とするシアと対照的に、討伐のタイムアタックを喜ぶ陽菜美。二人ともほっとしているようだが、レヴィに至って両手で口を覆って感動しているような表情だ。そこでシアから「あ、レヴィ。早く着たら、服」と言われると、はっとしたような顔を作ってレヴィは脱がされた軍服ワンピースを拾い上げ、素早く着ていく。


 そんな彼女たちをいまいち実感のない顔でぽけーと眺める俺。正直首を振ってライフルを撃っただけでこれといって凄いバトルがあったわけでもないから、本当に実感がない。


 でも、これで終わったんだ……レヴィも服を脱がされただけだったし、本当によかった。


 そう俺が思っていると、クロコがアスモデウスに近づいて口を大きく開けた。


「かぷっ」

「こら、クロコ。汚いからそんなの食べちゃダメだろ」

「そうっすよ。お腹壊しちゃうし、って。なんかどんどん白くなってる……!」

「もしかして……魔力を吸収してる? アスモデウス様の赤髪が白髪に戻っていってるね」

「なにこれ、どういう状況……!? ねぇお兄……!」


 クロコを抱きかかえようとしたレヴィが驚いて半歩下がり、シアがまじまじと白く染まっていくアスモデウスの毛を見て首を捻り、陽菜美は俺の後ろに隠れてコンビニ制服をぐいぐいと引っ張ってくる。



(次回に続く)6


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