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第49話 ○○降臨!? 一体これからどうなるんだ……

 姉妹同士で乳繰り合ってるようで微笑ましい光景。じつに仲の良い姉妹だ。

 だがそんな雰囲気に水を差す声が聞こえてきた。


「うう……死ぬ。こ、こんなところで死ぬわけには、わしは淫魔の力で這い上がるのだ」


 グラフトンだ。頭から血を流しながら這っている。


「帝国での地位も名誉も、あともう少しで手に入るというのに、こんな小娘どもに邪魔をされてたまるか……!」


 年老いた手がクリスタル装置に触れようとする。


「撃て! 陽菜美! 何かする気だぞ!」

「う、うん……!」


 陽菜美がスタンライフルの銃口を向ける。


「もう遅いわ! この身に来たれ! 淫魔よ!」


 グラフトンを囲むように魔法陣が輝き、その光がスタン弾を霧散させた。

 クリスタルも輝き始め、魔法陣に魔力を供給するようにその光が収束していく。竜巻のように渦を巻くエネルギー。眩しくて何も見えない。


 一体何が起こるんだ!? うう……。


 細めた目線の先で徐々に光が弱くなっていく。恰幅のいいシルエット。それが平然と立っている。


「フ……この俺を、人間の身に降臨させるとは、ずいぶんな魔力を集めてくれたものだな」


 静かに口を開いたグラフトンは、まるで別人と入れ替わったかのように雰囲気が変わっていた。超然として、視線も口調も鋭い。そして一番変わったところといえば、頭頂部がつるつるしたU字ハゲの白髪頭と白い髭が赤く染まったことだが――


 いや、そもそもレヴィに頭を蹴られて瀕死だったのにぴんぴんしてるぞ。傷も治ってるみたいだし、どういうことだ……?


 困惑しながらまじまじとグラフトンを見ていると、俺の背後で陽菜美が息を呑んでいた。


「っ!? スタン弾効果なし! レヴィさんお願いします、早くぶっ飛ばして!」

「う、うん!」


 グラフトンに向け鋭い蹴りが放たれる。だが、赤黒の祭服はその蹴りを軽々と片腕で受け止めた。


「不遜であるぞ。娘、こうべを垂れよ」

「ううっ……!」


 ただの一言でレヴィがグラフトンの目の前で片膝をついて頭を下げた。


「ほう、俺の眷属であったか」

「ど、どういうことだ……? レヴィのヤツ、縛り付けられたように動けないでいるぞ」

「あの命令権は、魔王……! しかも髪と髭が赤いあの特徴は、アスモデウス様だよ」

「は!? 魔王ってまさかあいつ、淫魔を呼ぼうとして敵の親玉召喚したのか!? クソバカ集団じゃねぇか!」


 そう言って視線を移すと常夜の性域の連中は、なんてことだ……、と顔を青くしていた。とんだクソバカ集団だな。こいつら、もう完全に戦意喪失してるじゃん。


 でも魔王って悪魔の親玉だし、これなら一安心か……いや、シアが言うには命令権ってのを使ったらしいが、俺の店長権限に似たものかな? だったら嫌な予感がするぞ……。


 そう思ってシアを見ると、レヴィと同じように跪いていた。その可愛らしい顔は忌々しげに歪んでいる。


「シアまで……じゃあ俺もやっとくか。やっぱり魔王だから頭下げてた方がいいし」

「違うよ……うちのパパカス、アスモデウス様の眷属だから私たちにも魔王の命令権が有効なの。だから命令されたら絶対服従で、言葉一つでこの通り何もできない」


 彼女たちと同じように膝をついた俺に、シアが静かに首を横に振って教えてくれた。よっぽど嫌なのか、あのパパカスめ~、と唸り続けている。どうやらシアも父親に思うところがあるらしい。そうだよな、娘がいるのに平気でエッチする親だもんな。パパカスだわ。



(次回に続く)4

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