第46話 こんな儀式があっていいのか!?
そして数分ほど通路を歩いていると、渋い声が聞こえてきた。
「間もなくだ。間もなく、わしの悲願が達成される」
俺たちは息を潜め、カーブを描いた通路に沿って進み、その先に見える不思議な部屋を覗き込んだ。
中央に青白い光を放っているクリスタルが見える。囲むように組まれたそのクリスタルは何かの装置なのか、城壁のミニチュアのようなデザインでテクノロジーの塊といった感じだ。その装置の中に、少女と恰幅のいい初老の男がいた。
「このクリスタルには男女の性の気が蓄積されておる。これが魔力を超える力――淫力だ! 見たか、悪魔の小娘よ……!」
「あの、乱〇パーティをするのはいいど、ヤるなら私の目の届かないところでやってよ」
少女がぎゅっと身を引いた。その頬にプラチナブロンドの髪がはらりと流れる。
シアだ。やっぱりここまで連れてこられていた。縛られてはいないようでぎゅっと両手を慎ましい胸のところに寄せ、警戒するように背中を丸めている。無事でよかった。
だが、安心はできない。シアは乱〇パーティーと言ったんだ。
あ、ああー……本当にしてるよ。こんなところで、さすがにないわー……。
クリスタル装置の周りに折り重なる男女の姿があった。
後ろから女性の胸を揉む男。女のスカートに頭を突っ込んでもぞもぞしている者。さらには尻に股間を当てている男女もいた。
確かに乱〇パーティーだ。こいつら、遺跡で乱〇とか頭のネジが飛んでんじゃねぇの?
「まだ挿入はさせんよ、触るだけだ。男女のまぐわいによる継続的な行為が上質な淫力となってクリスタルに蓄えられるからな……だが、そろそろか。フィナーレを飾るには絶頂と決まっておるからのぉ」
「おじさん、めちゃくちゃ気持ち悪いよ」
「おじさんではない! わしは、神聖ルプス帝国が司教! アラン・グラフトンだ!」
「どうでもいい。おじさんが誰とか興味ないし、それより早くお家に返して」
声高らかに名乗るグラフトン司教に軽蔑の視線を送るシア。なんてことだ。セクハラってレベルじゃねぇぞ。乱〇パーティーを見せつけるなんて。それに淫力って……淫魔が使う魔力的なものだろうけど、魔力を超える、か。どんなものなんだ?
「まだ無事そうだけど、ひどい状況だな。さすがスケベ教団」
「汚いオッサンといたいけな少女……フッ……王道だね。竿役が汚ければ汚いほど女の子が輝いて見えるんだよ。あの嫌がってる顔がたまんねぇってヤツだね」
「我が妹ながら思想が歪んでるなぁ」
「はぁ? お兄だって凌辱モノ好きでしょ、なに自分だけまともなフリしてんの?」
「一緒にするな。俺は虐められた仕返しとか悪いことした女の子へのお仕置きだとか、ちゃんと犯す側に理由があるって場合のみ好きなだけ――」
「って、そんなこと言ってる場合っすかっ。ほら、なんか雰囲気がもっと怪しくなってるすよ」
元々怪しい雰囲気だろう。これ以上何をどうしたら怪しくなるんだ。
そう言おうとしたとき、
「挿入の儀を行う! 喜ぶのだ、皆の者! これにより儀式は完成される!」
グラフトンがばっと手を振るった。
(次回に続く)1




