第40話 俺たちって汚いヘンゼルとグレーテルだな……
「ちょっと先輩、なんて物拾ってるんすか……!? こんなときにふざけないでください!」
「いや、ふざけてなんてない。このタイプのコン〇ームを買ったのは、シアくらいだ。手がかりになるぞ。しかも中身は空っぽだ」
「シアの持ち物だから手がかりってことはわかるっすけど、空っぽなところはどうなんすか?」
「ワンワン」
「クロコが反応してるだろ。おそらくだが、ゴムのニオイをたどってるんだろうな」
「えっ、それじゃ……」
くわっと目を見開き、クロコをまじまじと見るレヴィに、俺は「そういうことだ」と頷いてから路地を指差した。
「さぁ俺たちを案内しろ、クロコ!」
「ワン!」
モフモフした身体を弾ませてクロコが路地をぴょこぴょこと駆ける。
その鼻はコン〇ームを嗅ぎ分け、その足は行方不明になった天然ボマーことシアの元へ向かっているようだ。
そしてしばらくクロコについていくと門の近くでまたコン〇ームを拾った。
ヘンゼルとグレーテルなら、あらかじめ撒いたパンくずを道しるべにして無事に帰宅したらしいが、俺たちはコン〇ームを道しるべにしてシアを無事に連れて帰るんだ。
汚いヘンゼルとグレーテルだな……コン〇ームが道しるべとか、安いパロディA〇みたいじゃねぇか。
そんなことを俺が思っていると、クロコが城門から出ていった。
「まずいな……街の外か……」
「そうっすね。このままだと北の森に入りそう……」
「時間かかりそうだし、ちょっと陽菜美に連絡入れようかな」
心配させないようにスマホで呼び出して、レヴィの妹を捜索していることを伝えた。
すると、こんな返答がきた。
『ずるいずるい、私も異世界冒険したい……! 今からそっち行くから待っててお兄』
そう言って一〇分後、コンビニに陽菜美を迎えに行くと、勇ましい妹の姿があった。
黒い戦闘服に弾薬が詰まったチェストリグ。手には近未来的なライフルを持っている。
「この辺じゃまずみない装備っすね。街中じゃ確実に目立ちそう……」
「でもここからは森だし、大丈夫だろう。にしても、ずいぶんと物々しい格好だな」
レヴィと一緒にまじまじと戦闘服を見ていると、陽菜美が自慢げに微笑む。
「冒険に行くってユリさんに言ったらくれたの♪ いいでしょー♪」
「ずるいずるい、俺もその格好で異世界冒険したい……!」
「無理だよ。もうユリさん忙しいから帰ったし、私たちのサポートは偵察ドローンに任せるからしばらく対応できないって」
「そんな……俺、この格好で冒険するのか……」
「さっさと行くよ、お兄。レヴィさんも」
「うん、陽菜美ちゃん」
コンビニ制服姿の俺の背中を押し、陽菜美が笑顔で促し、それにレヴィも続く。
というわけで、陽菜美も合流し、コン〇ームを道しるべにした冒険が始まったのだった。
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