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第39話 行方不明者の手がかりがこれって……マジか……

 レヴィが言うにはシアも、両親の営みに嫌気がさして家に帰りたくない子らしくて、この城壁の向こうの街、城塞都市プローディオのホテルで暮らしているらしい。


 姉のレヴィが金欠っぽいのに妹がホテル暮らしなんてちょっとおかしな話だが、よほど妹の方が優秀か、稼ぎ口があるだけだろう。妹がお金持ちなら案外、金銭目的の誘拐かもな。


 俺はそう思いながら行方不明になったシアの手がかりを得るために、ホテルに向かった。


 だがフロントで確認したところ、三日前から戻られていません、と言われた。

 早くも手がかりなし。ホテル周辺で聞き込みをしても、みんな口を揃えて知らないという。


「どうするんだ? ホテルに戻ってないっていうなら……誘拐とか……」

「ゆ、誘拐……」


 さーっとレヴィの顔から血の気が引いた。


「いや、まだそうと決まったわけじゃ……誘拐とか言っておいてなんだが、証拠もないし――」

「ワン!」


 レヴィをなだめようとしたところで、突然クロコが吠えた。石畳の上で元気に飛び跳ねている。散歩のついでに連れてきたのだが、今はこいつに構っている場合じゃない。


「あとでな。あとで遊んでやるから」

「くぅーん」

「ん? お前、何くわえてるんだ?」


 クロコの顎に手を持っていくと小さな口を開け、ポロッと咥えていたモノを落とした。

 拾い上げると、ゴムのような感触がぐにゅぐにゅと指先に伝わった。


「おい、これって、コン〇ームじゃねぇか。お前、どこで拾ってきたんだよ、こんなもの……」

「ワン! ワン! くぅーんくぅーん!」


 少し走ったかと思ったら後ろを振り向き、ついてきて、と言うように鳴いている。

 行ってみるか……他に手がかりもないし。


「ちょっと先輩、クロコとどこ行くんすか」

「そんなのクロコに聞いてくれ」


 レヴィにそう言いながらクロコについていくと、そこは薄暗い路地裏だった。


「ワン、ワン!」


 石畳の一角で吠えるクロコの鼻先に何か転がっている。俺はそれをおもむろに拾い上げた。


「ん? これは……」

「なにかあったんすか?」

「コン〇ームの箱だ」


 拾い上げたそれは、風船のように丸く膨らんだ犬のパッケージで、その周りにはキラキラと輝くお星さま。それと『光る!』とでかでかと書いている。



(次回に続く)


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