第38話 悪魔バイトの悩み
「なんだよ。言ってみな。悩みくらい聞くぞ?」
「いえ、いいっす。アタシ、先輩にそんなに心開いてないんで」
「俺は全開だぞ? ほら、心なんて開きっぱなしだし」
「先輩はそうでしょうね。でもアタシは……」
「だよな……半ば強引にバイトにしたもんな、お前のこと」
「いえ、バイトとして雇ってくれて、住む場所まで用意してくれたことには感謝してるっすけど……アタシにあんなこしたの、忘れてないっすからね」
自業自得というやつだろう。いきなり足をくすぐられたり足ツボマッサージとかされたら、そりゃあ心も開けねぇよな。
「でもビクビクしてたし、気持ちよかったんだろ?」
「はい……って、何言わすんですか……!」
みるみる頬を赤くしてレヴィが詰め寄ってきた。
「こんなところで言うなんてやめてください! お客さんもいるのに誤解されたらどうするんすか――」
「なんだよ、結構元気じゃん」
ふっと思わず笑ってしまった。
さっきまで暗かったレヴィの表情が真っ赤になるほど明るくなったから。声もピーピーうるさくて、いつもの調子に戻ったから。
「もういいっすよ……悩んでるのもバカらしくなってきましたんで」
観念したとばかりに肩を落とし、レヴィがコンビニの制服のポケットからスマホのような魔具を取り出した。
「妹と連絡が取れなくなってるんすよ。このスマホで毎日、寝る前に駄弁ってるんすけど」
「悪魔なのにスマホとか持ってたのか……?」
「アタシたちは人間を観察してますからね。こういったものはコピー品として出回ってるんすよ。まぁネット環境がないんで基本オフラインだし、通話だって使い魔通信を応用してなんとかって感じっすけど」
それじゃあスマホというより昔の携帯みたいなものじゃないか。そういえばこのコンビニって異世界なのにフリーのネット回線あったよな。まさか、レヴィのヤツ、それ目当てでコンビニに居座っていたとか?
「ここはいいっすよね、ネット回線あるからちゃんとスマホがスマホしてますもん」
やっぱりそうだった。魔王軍として調査していたとか言っていたくせにネット目当てじゃん。
「おい、話がそれてるぞ」
「あ、そうでした。先輩、これが妹の写真です」
「こいつは……」
レヴィが差し出したスマホの画面には、お人形さんみたいな悪魔少女が映っていた。
その少女はどこか気だるげで、三つ編みにしたプラチナブロンドの髪を太い二本の束にして背中に流し、頭には鬼のような黒い二本の角が生えていた。
うん、間違いない。天然ボマーだ。前に光るコン〇ームを光る風船と勘違いして購入した天然っぷりで爆弾を落とす者の如く下ネタ爆弾を投下した子だ。
「その反応……もしかしてシアのこと知ってるんすか?」
「シアっていうんだ、あの子……でもそういえば、最近見ないな」
「そうっすか……」
しょんぼりと肩を落とすレヴィ。表情もまた暗くなってしまった。
従業員の家族が行方不明、か。こんなの……バイトしてる場合じゃないだろ。
「よし、決めた。今から探そう」
「今からっすか? でも、仕事が……」
「臨時休業だ。今日はもう店を閉める。ほら、わかったら早く着替えてこいよ」
「はい、先輩……!」
レヴィを軍服ワンピースに着替えさせると、この日は午前中で店を閉め、シアの捜索が始まった。
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