第35話 新しい仲間が加わった!
ホント不憫なほど可愛いな、こいつ。散々噛みつかれてべとべとになった手をひらひらと振る姿は滑稽で思わず笑ってしまったが、どうしよう。あの様子じゃ、なにかに餌付けをしてるようだし、このコンビニを溜まり場でもされたらことだ。野良がつく生き物は大抵ろくなことをしない。野良ネコしかり野良犬しかり、可愛いのは外見だけで糞尿をまき散らし、鳴き声もうるさい。だから色々厄介なんだよな……。
そんな不安を抱きつつ、俺は神経質な視線をレヴィに向けた。
「何してるんだ? 休憩時間はとっくに終わってるぞ」
「いや、これはっすね……」
「野良猫か? それとも捨て犬でも拾ったか?」
「こうなったら白状するしかないっすね。さぁ、先輩に養ってもらえるよう媚びて媚びて」
「くぅーん」
微笑ながら持ち上げると、レヴィが黒い毛だるまを突き出してきた。
犬だった。黒い毛並みのポメラニアンのようで、モコモコしていて耳は丸っこい。ぬいぐるみみたいだ。レヴィに両脇を持たれたまま、土埃で汚れた小汚い前足をくっつけて、お願いするように一生懸命振っている。
可愛い。おねだりポーズじゃん。もうそんな芸まで覚えさせてるのか……。
だが可愛さだけじゃどうしようもならない問題がある。
「うち、ペット禁止なんだけど」
「そこをなんとかできないっすか……! ほら、こんなに可愛い」
「くぅーん」
「うっ、そんなつぶらな瞳をしてもダメだぞ」
ポメラニアン特有のくりくりした目の破壊力は抜群だったが、俺は首を横に振った。
「いいんすか? これ、魔犬っすよ? レアレア」
「魔犬だと? じゃあ、魔法とか使えるのか?」
「わからないっす」
「わからないって……お前が使役してるんじゃないのか?」
「してないっす」
「じゃあこいつ、どうしたんだよ」
「拾ったっす」
「ただの捨て犬じゃねぇか。何が魔犬だよ」
「待ってください、この子言葉を理解できるんすよ」
言葉を理解できるだと? じゃあ試しに……。
「……なら、レヴィの手を振りほどいて俺の足元までこい」
「グゥゥゥゥゥ」
ひゃっ、とレヴィが小さな悲鳴を上げると、その手を振り切って着地すると俺の足元に犬が駆け寄ってきた。
「おお、すげぇ……ホントに俺の言葉を……」
「ほら、言ったとおりでしょ」
「こいつ、名前は?」
「クロコっす。アタシ日本かぶれっすから、女の子には子ってつけたかったんすよねぇ」
「もう名前まで付けてるんじゃ仕方ないな。それに人の言葉を理解する犬って貴重だし、いいぞ、飼っても」
「え、マジ? やったー!」
「でも、ちゃんとお前が面倒みるんだぞ」
「うん! 良かったすね、クロコ」
「ワン!」
こうして新しい仲間にクロコ(メス)が加わった。
クロコは喜びを表現するように元気に走り回り、レヴィも満面の笑み。その様子を見た俺も自然と笑みがこぼれるのだった。
「面白かった!」
「続きが気になる!」
「今後どうなるの!」
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