第30話 これがこのコンビニのやり方だ!
俺はにやりと笑った。
「どうだ? 動けないだろ? お前は俺の領土であるコンビニの法を犯した。だから俺の支配下に入ってもらったんだ」
「ウソ……こんなにあっさり支配の魔法を……ちょっと商品盗んだだけじゃないっすか! 支配の魔法を使うなんていくらなんでもやりすぎっすよ!」
「そのちょっとが、どれだけ経営者を苦しめるかわかってるのか! 万引きはコンビニにとって死活問題なんだよ! 万引きの被害額は年間数十億にもなるってデータもあるんだぞ!」
俺の剣幕にびびってギャル悪魔が「ひ……っ」と身をすくめた。
「まずは名乗ってもらおうか。名前は何て言うんだ?」
「れ、レヴィっす」
「レヴィ? どこかで聞いた名前だな……たしか、悪魔の連中が言ってたっけ?」
「ふふんっ、バレてしまったからにはしょうがないっすね! そう、何を隠そうアタシは、ルキナお姉ちゃんの妹にしてこのコンビニの偵察及び調査をしていた悪魔、レヴィ・オズ・アシュウェル。こう見えても悪魔貴族令嬢っす」
どうしよう。すごい情報量だ。ルキナさんの妹で、このコンビニの偵察って……妹てことは、俺が前に旗振って宣伝したときにいたあのフードの子だろうし、それからフライドポテトばっかり食ってたくせに調査とか言ってるぞ、こいつ……! なんなんだ? 馬鹿か? まだ俺が何も聞いてないのにペラペラ秘密をばらして。
「さぁ、わかったらさっさと拘束を解いてアタシを自由にすることっすね!」
そしてこのドヤ顔。バカだ、こいつ。捕まった上に素性もばらしたのだから自由にするはずがないだろ。
「誰が解放するか、バカが」
「あー! バカって言った! この人間さんちょー失礼なんですけど……!」
「うるさい奴だな。それより、悪魔で、しかもほとんど敵勢力みないな奴が万引き犯だったとは……なら、弱みを握っておいた方がいいな」
「な、何をする気っすか……?」
怪しく笑う俺に怯えた様子を見せるレヴィ。身体を動かせないから顎を少しだけ引き、遠ざかろうとしている。その姿は、勝ち気な悪魔ではなく縛られているか弱い少女のようだ。
これは、かなりクるものがある。まるで催眠系の主人公になった気分だ。
俺は内に秘めた衝動を解放するようにパフブラシを箱から取り出した。
「知ってるか? 地獄じゃ、自分が犯した罪にちなんだ方法で苦しめられるって話があるんだぞ? くふふふ……お前の場合は、こいつがちょうどいいな」
「ふっ……アタシのことバカって言ったくせに、そんなもので苦しめようなんて、片腹痛いっすよ。そんなんじゃ痛くも痒く……はあるかもしれないっすけど、それまでです」
「なんだ。わかってるじゃないか。そうだぞ。それまで、なんだ」
「えっ、ちょっと待って――脱がすな……っ!」
足元にしゃがみ込んだ俺は、レヴィの靴を脱がし、靴下も剥ぎ取った。
さっとパフブラシの毛先を足裏に当てると、レヴィの頬が引きつった。
「まさか、動かしたりしないっすよね……?」
「やっぱりバカだな、お前。ここまでしてやめられるわけねぇだろ。これでどうだ?」
「ひっ、またバカって……っ、うぅ~、くっうう……っ」
毛先を優しく動かした瞬間、白い足がびくっと震えた。ゆっくりとブラシを動かしながらレヴィの顔を窺うと、目をつぶって痒みに一生懸命耐えていた。
だが容赦はしない。踵から足先まで執拗にせめる。
(次回に続く)2




