第24話 コンビニを堪能するギャル悪魔
「次は何になさいますか?」
「えっと……じゃあ、安いだろうし……お菓子とか?」
ではこちらに、と言ってお菓子棚に案内する。すると案の定、ギャル悪魔はここでも迷っていた。
「お菓子がこんなに……どれにしよっかなぁ……?」
「よろしければ、お好みのものをお教えいただけますか?」
「チョコレートが好きっす。ああでも、甘いのだけじゃ飽きるんで、何か他にありませんか?」
「しょっぱい系はどうでしょう。甘い物としょっぱいものは交互に食べれば無限にいけますよ」
「おー確かに。じゃあ店長さんに任せます、適当に見繕ってください」
「はい喜んで! お菓子の盛り合わせ入りまァーす!」
カゴにチョコレート系のお菓子とポテチを放り込む。一〇点ほど商品を入れると、それから「お次は?」と促す。だがギャル悪魔はふるふると首を振った。
「もういいっす。そんなに持ち合わせがないんで」
「いや、このくらいじゃ二千円……銅貨一〇枚もいきませんよ」
「お小遣い厳しいんっすよ。確かに大した金額じゃなくても……一応、まだアタシ学生だし」
「髪飾りを換金しては? 入り口の両替機には換金機能もありますから、あれに入れれば万札の一〇枚や二〇枚、平気で出しそうなものじゃないですか」
「み、身ぐるみ剥ぐ気っすか、ちょーこわーい……って、ここ、コンビニのわりにお弁当とかパンとか置いてないんだー……」
黄金の髪飾りを守るように手で押さえてレジの方に歩んだギャル悪魔が、壁端に並んだ空っぽの冷蔵棚を見て立ち止まった。
「ああそれ……お客さんが来ないから全部廃棄したんですよ。で、もう入荷してもまた捨てることになるだろうってことで、ご覧の通りです。ホント……経営が厳しいんですよ」
「このコンビニは経営難なんすね……あ、あれは……!」
次の興味はホットスナックケースにいったようだ。だがそこにあるのはスカスカのラインナップ。どーせ客なんてこねぇだろ、と思って俺と陽菜美とユリさんの分の唐揚げとフライドポテトしか用意してなかった。
「フライドポテトっすよね、アタシ知ってる」
「よろしければこれもいかがですか?」
「いただきます」
「フライドポテト、入りまァーす!」
レジ横のケースからポテトを取り出し、コーラとお菓子をレジに通して袋詰め。その間にギャル悪魔は入り口横の両替機まで行って銅貨を円に換えてから戻ってきた。
お会計を済ませると、俺はイートインスペースに彼女を案内した。
「美味しい……フライドポテトってただのイモのはずなのに、メチャウマじゃん」
こいつ、ちょろいな。キラキラした目で食ってる。
もう常連確定だな。お菓子とコーラをテーブルに広げてパーティしてるし。
俺がそっと確信していると、ソファーに座ったギャル悪魔が顔を上げた。
「あ、店長さん」
「なんでしょうか?」
「さっきは、アタシ一人だけだったからよかったすけど、あの『入りまァーす!』って掛け声やめた方がいいっすよ。うるさいし、恥ずかしいんで、マイナス評価っす」
「は、はい……ご指摘ありがとうございます」
くっ、こんなちょろい奴にダメ出しされた。俺の最上級のおもてなし術を。
この日、異世界での初めての客をさばけたが、ちょっと苦い経験になったのだった。
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