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第22話 コンビニの平和を護る部隊、その名も○○!

「敵は魔法を使います。よって奴らの魔術障壁を貫通できる物質透過ライフルを使用してください。ですが、殺さないように内臓を焼き切るだけにとどめてください。目的は撃退ですから」

「了解しました。指揮官連中を狙撃し、指揮系統を分断します」


 部隊長らしき女性がユリさんに頷くと、兵士たちがばっと正面に展開した。一〇数人が雑誌コーナーからイートインスペースまでずらりと並ぶ。彼らが構えるのは現代銃とは違うデザインの銃。そのメカメカしい銃は、彼らが身を包むパワードスーツとマッチした未来的な装備だ。


 銃口から光弾が放たれる。発射音はパンパンっという乾いた音ではなく、反響したビーム音で、酷く現実味がない音だった。

 まるでSF戦争のワンシーンのようだが場所がコンビニだけにちょっと残念な感じだ。


 おかしいぞ……なんか、ビームみたいなのが出てるのにコンビニの窓が溶けたり割れたりしない。一瞬だけガラスにとどまって抜けていく。物質透過って言ってけど、本当にエネルギーの弾がすり抜けてるぞ……!


 兵士たちが引き金を引くたびに敵の魔法がどんどん弱まっていく。兵士と兵士の合間から魔王軍の奴らを窺うと、彼らの銃口の先にいるミノタウロスやバフォメットが膝をついていた。


 凄い。悪魔の幹部っぽい奴らが一撃で戦闘不能になってる……うっ、でも奴らには効いてないのか……!?


 どういう訳か着弾しているはずなのに、骸骨の一団は平然と迫ってきていた。


「隊長! 骸骨兵スケルトンの大群が接近中! 奴らにはスピリットⅡが効きません!」

「了解した! 骸骨兵スケルトンは屋上の砲撃部隊に任せろ。奴らは生き物じゃないから殲滅許可が出ている。反物質砲で消滅させる」


 隊長がそう言った直後、肉眼でもハッキリその異様な姿が見える距離まで近づいてきた骸骨兵スケルトンが強烈な光と共に消え去った。


 対消滅だ。粒子と反粒子が衝突して物質がエネルギーに変換されたようだが、すでに部隊を屋上に展開してるなんて、いつの間に!? あっ、あの巨人の骸骨兵も消し飛んだぞ……!


 骸骨兵の集団に紛れていた骸骨巨人スケルトンサイクロプスも一撃で消え去った。


「敵の司令官、ルキナさんは撃たないように、彼女には撤退の指揮をしてもらう必要があります。では、一気に行きますよ!」


 そう言いながらユリさんがライフルを構えると、兵士たちが「了解」の斉唱を返した。

 物質透過ライフルの狙撃と反物質砲の猛反撃を受け、魔王軍の陣形がどんどん崩れていって、やがて撤退しはじめた。

 静けさを取り戻した店内で、俺は唇を震わせた。


「何なんだよ、あんたら……軍人か?」

「彼らは、|監視者の任務と警備保障《キーパーミッション&セキュリティオーケー》、通称KMSOKカミソック。神々の部隊です」

「アル〇ックのパクリじゃねーか!」


 神が人間の警備会社をパクってるってどういうことだ。つーかさっきの戦闘、警備ってレベルじゃねぇぞ。軍隊でもトップの実力を持ってそうな攻撃チームだったし……。


「ありがとうございます。やっぱり、スピリットⅡは爽快ですね」


 ざっくりと説明して満足したのか、ユリさんは兵士たちにくるっと向き直ってライフルを彼女たちに返した。俺にパクリって言われてもお構いなしだ。


 パクリでも彼女たちの装備――物質透過ライフルはスピリットⅡという愛称らしいが、とんでもない武器だ。こんなパワードスーツを着た連中がコンビニ警備ってそりゃ異世界でも怖くないって話だよ。モンスターも裸足で逃げ出すわ。もしかして、俺が気づかないだけで人知れずコンビニに近づいてきたモンスターを倒してたりして……末恐ろしいぜ、カミソック。


「ねぇお兄。これ、確かに安全は確保されてるけど、もう絶対お客さん来ないだろうね」

「あぁ、そうだな……」


 散り散りに撤退していく魔王軍。その不穏な平原を眺めながら俺たち兄妹は暗い顔で頷き合った。

 一難去ってまた一難ってやつだろうか。魔王軍との軋轢に経営難。まだまだこのコンビニが抱える問題は山積みだった。

「面白かった!」


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