第18話 美女シスター登場! これは観察が必要だ!
「ユリさん、ヤバいよ! 最悪の状況だ!」
「はぁー……何ですか? チラシの件ならあと少しでコピーできますから待っていてください」
俺がスタッフルームに入ると、ユリさんがため息交じりに言いながら、しっしっ、と野良猫を追い払うように手を振ってきた。完全にこっちを見ていない。コピー機からチラシが吐き出されるのをじーっと眺めている。
何を呑気なことを! もうそれいらないって……!?
そう叫びそうになる気持ちをぐっと抑えきれなくて、俺はぶんぶんと首を横に振った。
「いや違うよ、ユリさん! もうチラシとか必要ないくらい団体さんが来てるって!」
「そうですか……昨日の今日で団体さんが……ふっ、ちょろいですね異世界人。旗を持って宣伝したら物珍しさに押し寄せてくるなんて」
「その考えの方がちょろいよ? 旗振っただけで長蛇の列なら誰も苦労しないよ?」
「行列のできるコンビニですね」
「だたのキャパオーバーじゃん、それ……ってそんなこと言ってる場合じゃない。とにかく来い……ッ!」
「ああ、ちょっと――」
ユリさんの腕を引っ張って出入口に行くと、俺は「あれだよ、あれ!」と指差す。
だがその俺の声を遮るように陽菜美が叫んだ。
「お兄お兄! ヤバいよアレは……!?」
「どうした!? 何があった!?」
ユリさんをリリースし、陽菜美の元へ急ぐ。雑誌コーナーに回り込み、陽菜美の顔を見ると、どこから持ってきたのか双眼鏡を構えていた。どうやら魔王軍を観察していたようだ。
「お兄軍曹! 報告します! 向かって正面、銀髪爆乳スリットももチラむちむちシスターを確認!」
「な、なにぃ!? 貸せ!」
双眼鏡を奪って食い入るように覗き込む。
魔王軍のど真ん中に視線を向けると、シスターが立っていた。黒いシスター服はむちむちした太ももが覗いていて肉感的だが、ケープを纏っているおかげで思いのほか露出は少なくて清楚な印象。銀色のミディアムヘアで右目を隠し、側頭部に二本の黒い角が生えていて、彼女の悪魔的美しさをより一層際立てている。その上、美人なのに可愛い系の顔立ち。
そう、あの顔立ちだ! 幼稚園の先生みたいに優しそうだ! 悪魔に囲まれていてもあれは天使の美しさ! おっぱいも大きいし、完璧だ! というか、おっぱいでけぇ。服の上からでもわかるふくらみだ。ユリさんよりでけぇぞ。Gカップ以上はあるな……グラビアアイドル級のサイズ感だぜ……!
もうウキウキだった。
俺はすっかり悪魔シスターに魅了され、魔王軍に囲まれてる状況も忘れて双眼鏡で舐め回すように見ていた。
「本当だ。スケベボディのシスターだ……しかも右目を前髪で隠してる……」
「そうだね。これは、デレたら素顔見せてくれるパターンだよお兄。早く仲良くならないと」
「あぁ、そうだな。とりあえずお菓子とかで釣るか? 異世界の女だって甘い物が好きなはずだし、いけるだろ」
「そんなにチョロかったら苦労しないよ。これだから女馴れしてない童貞は」
「うぐっ……!」
痛いところを突いてくる奴だ。
こちとら純情チェリーボーイだ。そりゃわからない。女性の扱いなんて。だが見るだけならタダだ。よって観察を継続する。
(次回に続く)2




