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怖い話に一定の割合であるどうしてそんなに細かい所まで知ってるの?ってやつ

作者: K。

親の都合で高校卒業の前に転校をした私。

5年ほどたってから就職先が希望であった地元になったため地元に戻りなんてことのない毎日を過ごしていました。

 仕事場からの帰り道、たまには違う道でも選んでみようかと思いいつもとはルートを変えて歩いていると同級生だった優子と再会した。


 私が高校卒業の前に親の都合で転校してしまったから会うのは5年ぶりくらいになるだろうか。



 あの時と同じようになんの中身も無いようなくだらないことを話しながら歩いていると踏切に差し掛かった辺りで優子が突然思い出したかのように口を開いた。


 「あ!そういえばね、何年か前だったかな、ここの踏切で事故があったんだよ」


 「へぇ、言われてみればこの踏切、私が最後に見た時より綺麗になってるかも」


 「なんでもね、家族でドライブしてる最中の事故だったらしくてその車に乗ってた小学生の男の子と高校生のお姉ちゃんとパパとママの4人全員が死んじゃったんだって」


 「なに?怖い話?」


 私は笑いながら優子に問いかける。


 そういえば以前にも優子はよく私に怖い話をしてきていた。毎度のことながらそういう話をどこで仕入れているのやら。


 「それでね、たまたま事故の前日に車の点検もしててなんにも問題はなかったのに踏切に入った途端突然エンジンが止まっちゃって」


 私は珍しく集中して優子の話を聞いていた。事故があったのがこの踏切ということもあって今まで優子が私にしてきた怖い話に比べてやけに現実味を帯びていたからかもしれない。


 「ボタン1つで簡単にエンジンのかかる車のはずなのに何回押しても上手くいかなくて、そうしているうちに『カンカンカン』って踏切が下がってきちゃったの」


 「でもそれなら車から降りれば何とかなるんじゃないの?ほら、踏切って非常ボタンあったでしょ」


 私はつい怖い話でご法度であろう真面目な反論をしてしまった。優子の話し方が上手いのかこの話がとても怖く感じてしまったからだろうか。


 「もちろん降りようとしたよ?でもドアロックは解除したはずなのにドアが全然開かなかったんだもん」


 どうやら反論も想定されていたらしい。少し悔しかった。


 「それでね、踏切が閉まっちゃってからちょっとしたら右側が明るくなるのと一緒に『キキーッ!』って音が聞こえてきてそのまま電車に引かれちゃった」


 しっかりとオチまで話し終わったのか優子はどこか満足したような表情をしていた。そんなにこの話を誰かにしたかったのか...私は半分呆れてしまった。


 と、改めて今の話を思い返して私はあることに気づきニヤリと笑いながらもう1度反論してみることにした。


 「車に乗ってた人は全員死んじゃったんでしょ?それならどうやって車の中の状況まで分かるの?」


 そんなことを言いながら私が再び優子の方に顔を向けた時、



 そこには誰もいなかった。



 「あれ?優子?なに、かくれんぼでもしてるつもりなの?」


 私はそう冗談半分に問いかけるが返事は返ってこない。


 「もう、私こんな歳になって人前でかくれんぼなんてしたくないからね、探さないで帰るからね」


 そう言っても優子は出てこない。


 私は少し意地悪をしてやろうと思い本当にそのまま帰ることにして再び歩き始めた。





 そのまま歩いて家に到着し、リビングでソファに座りながらぼんやりと帰り道のことを考え、


 ふと優子が似合っていたのなら今の私でもいけるんじゃないかと思い、





 物置から高校の時のセーラー服を引っ張り出すことにした。

自分の書きたいことを文章にすることの難しさを改めて痛感しました。

当然ながらこのお話の続きは描かれません。


皆様、踏切を始めとする様々な場所に危険は存在します。車を運転する、しないに関わらず事故などにはくれぐれもお気をつけください。

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