8話 さあ!ダンジョン探索だ!
俺は夜遅くまで唸っていた。
「うーん。どんなサインが良いんだろ?」
昨日は冒険者達にサインをねだられ、描いたものの、全部統一、という訳では無かった。
考えてなかったしね……
紙とペンを原子操作で出して、サインを考えているが、なかなか思うように行かない。
サインを考える機会が来るなんて考えもしなかった……
それからしばらくして……
「まあこんなもんだろ。」
それっぽいサインを考えられた。
これからはこれで行くか……
ーー疲れた。もう寝よう
俺はベッドに仰向けになると、直ぐに眠りについた。
ーー翌朝……
とりあえず冒険者ギルドにまた行くことになった。
「おはよう。」
「おはようございます。凛様。」
奥からサレアさんが出てきた。
「あ、普通に接してもらって大丈夫です。凛、とかでいいですよ。」
「ですが……では凛さんにしますね。」
「はい。敬語も要りませんので。」
「はい。今日も依頼を見に来ましたか?」
「いえ、今日は資料室に……」
資料室とは、名前の通り、資料が置いてある部屋だ。
実は王都ギルドで休養中に一度行ったことがあった。
その時はモンスターなどについて調べたりした。
その時、気になった単語の書いてある本があった。
その単語について調べたい。
ゲームやラノベ好きなら必ず興味を持つ場所……
ーーダンジョンだ。
「分かりました。資料室はこちらですよ。」
「ありがとう。」
俺たちは資料室に入ってダンジョンについて調べ始めた。
香奈枝も興味があるようなので、恐らく次の目的地はダンジョンだろう。
俺たちが本を読んでいるところは、魔道ランプが光を放っていて、少し薄暗い。
この世界には殆ど科学が進んで無いので、光も魔法に頼っている。
王都の魔道ランプの方が、光は安定していたな。
「めぼしい情報はあった?」
「これ以上の情報は見込めないわ。」
「じゃあ切り上げて、家で分かったことをまとめよう。」
俺たちは家に戻り、ダンジョンについて分かったことをまとめた。
分かったことはこんな感じだ。
・ダンジョンの門は至る所にある。
・ダンジョンマスターを殺すとダンジョン も死ぬ。
・ダンジョンの門を通ると、ダンジョン世界に飛ぶ。つまり異世界転移門。
・ダンジョンの壁は魔術が掛けられていて、壊しても直ぐに戻る。
・ダンジョンにはレベルがある。
・レベルは、初級、中級、上級、伝説級、神級がある。
・伝説級は上級、神級は伝説級のクリアが無いと入れない。(その管理はダンジョンの魔術で行っている)
・レベルやダンジョンの説明は門に刻まれている。
・レベル別のダンジョンの数も門に刻まれている。
・ダンジョンには、謎解き、力試し、魔法、様々なジャンルがある。
・神級は、7個あるが、そのうち2つしか見つかっていない。
・その他のダンジョンは全て見つかっている。
・ダンジョンは大昔に作られた。
ーーということが分かった。
「気になることは?」
「やっぱり異世界転移門が気になるわ。」
「うーん。【アトム】こっちから日本に戻す魔法はあるのか?」
『現代にはありません。日本の方ではありません。』
「過去にはあったのかな?」
『ありました、』
「現代にはないけど過去にはあったらしい。」
「じゃあそこの魔術は気になるわね。」
『必要魔力は2,000億です。』
「じゃあ無理か……香奈枝、必要魔力は2,000億だって。」
「こっちの世界に召喚する時は?」
『10万です。』
「少なっ! 10万だって。」
「なんでそんなに差があるんだろ?」
『こちらに呼び寄せるには、魔力をあちらの世界に送り、送った魔力に干渉し、空間ごと吸引、つまり引き寄せる必要があります。これに魔力を使う際、魔力を送るだけなので、あちらの世界に繋ぐ際の魔力が少しでいいですが、人をあちらに送るとなると、あちらから魔力干渉、つまり魔術を使わないと、無理やり穴に人間を通すことが必要となります。』
「こちらに呼び寄せるには、魔力を日本の世界に送り、送った魔力に干渉し、空間ごと吸引、つまり引き寄せる必要があるらしい。これに魔力を使う際、魔力を送るだけだから、日本の世界に繋ぐ際の魔力が少しでいいが、人を日本に送るとなると、あちらから魔力干渉、つまり魔術を使わないと、無理やり穴に人間を通すことが必要となるらしい。」
「……な、なるほど。」
ーー全然わかんなかったわよ……
ーー原理が難しいな。俺と誰か集めればあっちに送る魔法も出来るかな?
「取り敢えずどこのダンジョンに行くか決めよう。」
「初めは中級にしとく? そのあと上級にも行ったほうがいいかも。」
「まあそうだな。ダンジョンがどんな感じか知っておいたほうが良いかもな。」
「どこに行くかの資料を探しに行く?。」
「そうだな。」
また冒険者ギルドに来た。
さっき調べればよかったか……
「また来ました。」
「あ、まだ調べたいことがござ……あるんですか?」
「ああ、今度ダンジョンに行こうと思っていて。」
そして資料室でダンジョンについて調べていると。
「神の試練に入れた人はいない!?」
「あ、本当ね。入れてないという表記があるわね。」
「神の試練は選ばれたもののみ? 俺たちだと無理かな?」
「凛くんなら大丈夫っ!」
……信頼が厚すぎる。
「で、どこに行こうか?」
「これはどう? ここのシューリク皇国内にある中級ダンジョンだって。さらにその近くに上級もある。」
「いいね。ここにしよう。」
ここ、ポランドはシューリク皇国の王都から北東に数kmにある。
中級ダンジョンは、『武道術の路の試練』という。ダンジョンではなく終わりに試練と書いてあるが、ダンジョンらしい。
ポランドから南西に数km先にある。
ここは近接系のモンスターが多く、入り口に入ると、武器などはゴールに置かれ、失敗するか、クリアしないと武器は戻ってこない。
魔法の使用ができない結界が貼ってあるが、身体強化、回復、結界魔法は使えるようだ。
上級ダンジョンは、『魔法魔術師の魔路』だ。こっちには試練が最後についていない。
『武道術の路の試練』から西に1,2km先にある。
ここは魔法を使うモンスターや不死者、幽霊のモンスターが多く、戦う際は聖魔法が必須。
途中で魔法を使った謎解きもあるらしい。
ーー初めてのダンジョンには丁度いい。
「ここにしようか。」
「じゃあ装備を整える?」
「そうしよう。」
「出発ー!」
そうして俺たちはギルドから出た。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
俺たちは取り敢えず武器を調達する事にした。
「あそこの鍛冶屋でいいんじゃない?」
「ああ、そうだな。行こう。」
俺たちは『陽月鍛冶屋』へ入って行った。
「いらっしゃい! 俺の名前はワーフ! いい武器あるよ!」
中に居たのは背丈は低く、髭が多い……ドワーフだ。
その後ろには様々な武器が並んでいる。
クレイモア、長剣、短剣、大剣、剣、バトルアックス、弓、クロスボウ……
なんでもありそうだ。
今回俺たちが買いたい武器は、俺が剣、杖、香奈枝は護身用の短剣だ。
使えるのは17,500ギラムだ。
「すみません。剣と短剣と杖が欲しいんですけど。」
「おめえさん! 剣や短刀と杖を分けるより魔法媒体の剣を買う方がお得だよ!」
「そんなのあるんですか?」
「例えばこれだな。」
ワーフが取り出したのは、少し赤がかった片刃の剣と、少し白がかった両刃の剣だった。
【鑑定】
陽剣
魔法媒体となり、更に剣に火属性魔法を通すと、剣が切った相手にのみ高熱を持ち、切れ味が増す。
【鑑定】
月刀
魔法媒体となり、更に剣に聖属性を通すと、不死者や幽霊に対する攻撃力を持ち、攻撃力が上がる。
ーーどちらも強そうだな。
「これはうちの店の看板商品で、一つ2,000ギラムだぞ!」
看板にも陽と月って書いてあったな。
「どっちも買うか?」
「まだギラムは結構あるし大丈夫じゃない?」
「どちらも買うよ。」
「まいどありぃ! 短剣はそっちの嬢ちゃんが使うのかい?」
「私は格闘術つかうけど、護身用に持てと言われて。」
「それは大事だ! 縄切ったり手では出来ないことができる!」
「どれがオススメですか? 10,000ギラム以内がいい。」
「おめーさん金持ちだねぇ? そーだな……これなんかどうだ?」
取り出したのは、片刃のナイフぐらいの大きさの短剣だ。
【鑑定】
腕力の短刀
筋力向上の補正が着いている。向上条件は身に付けているかどうか。
「これいいかも。身につけるだけで筋力が向上するらしい。」
「よく分かったな! お代たったの1,000ギラム!」
ーー1,000ギラムって50,000円だぞ……たったの……
「それでいいわ。」
「じゃあそれを買う。」
「まいどありぃ! 合わせて5,000ギラムだぞぅ! まだ買うか? このクロスボウにはなぁ……」
「会計でいいです。」
と言って5,000ギラムを置いた。
すると、ワーフは不思議そうな顔をした。
「おや? いつもの冒険者なら値切るぞ?」
「時間の無駄だと思います。」
「凛くんには欲がないのよ!」
……
「じゃあ持ってけ! それはお前さんのもんだ! また来いよ!」
「ありがとうございます。また機会があったらここに来ますね。」
「その時はよろしくお願いしますっ!」
「いつでも歓迎だ!」
やっぱこの世界の人いい人多いな。
SSランク冒険者も、欲にくらんで、自分の実力に溺れて、っていうのかと思ってたんだが。
こないだ俺を襲った奴らも、俺たちがSSランクになったら喜んでたし、サインもねだってきたし。
ーーまあ悪いやつもいるんだろ。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
ガタガタッガタガタッ
馬車が揺れている。
俺たちは『魔法魔術師の魔路』と『武道術の路の試練』の近くの街へ向かっている。
俺たちは武器だけを持ってダンジョンへ向かっている。
武器はアイテムボックスに入れてる。
こいつの存在忘れてたんだよな……
一辺(Lv)mの立方体分容量がある。
食料がないが、日帰りなどではない。
原子操作が万能すぎるだけだ。
それだけだ。
「もうすぐ着くな。」
「うん! 楽しみだね!」
そう言えば香奈枝がダンジョンに興味持ってるのはなぜだろ?
ーー非日常的的だからかな?
分らんな。
原子操作もこればっかりは……
「着いたぞ。」
御者に言われ、俺たちは馬車から降りる。
着いた先は……ダンジョン都市、ホースエルナだ。
「おお。人が多いな。」
ダンジョンの近くで栄えた都市はダンジョン都市と言い、定住者より、ダンジョンに行く人の方が多い。
継続的な店も余りない。
「もうダンジョン行くっ?」
「そうしようか。荷物もないしな。」
俺たちは、ダンジョンへ続く道を歩いていった。
「ここら辺は森みたいな感じだな。」
「うん! 日本にはもうこんな森なかったからね……」
この森は、葉が多くて高い樹木が沢山ある。
日本にはもうこんな森なかったけど、どこか懐かしい感じがする。「こういうとこってモンスターって出そうだよね!」
「おいおい。 それってフラグだろ。」
「これマンガとか小説とかじゃないよっ。大丈夫大丈夫。」
ーー既にマンガとか小説の展開なんだよなー。
「着いたー。」
「ここまで結構かかったな。」
視界には周りに様々な魔術らしきものが書かれた門と、その前にあるダンジョンの説明らしき看板がある。
ーーえっ?フラグ回収したかって?
勿論!
オークが5体出てきたから、陽刀と月刀を試した。
どちらも普通に切りつけたら深めの傷がついたけど、魔法を通すと、真っ二つに出来た。
魔法もいつもより強く出せた。
これなら上級ダンジョン『魔法魔術師の魔路』も楽かもな。
「入ろっか?」
「うん!」
門を潜ると、少し古ぼけた通路に入った。
アイテムボックスの中の陽刀と月刀も、香奈枝の短刀も無くなっている。
「さあ! ダンジョン探索だ!」
『後書き』
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