プロローグ 異世界来ちゃった?
俺は何事もなくーー異世界転生も転移もラブコメも何もなくーー高校1年生の生活を送っている。
今日も高校があるので、玄関で靴を履き、外へ出る。
そして、高校までの道を歩く。
途中で、二人に出会った。
「おっ、よお! 今日の体育楽しみだな!」
こいつは【鏡音 翔也】。
「あ! お、おはよう!」
こいつは【祈祷 香奈枝】。
どちらも幼なじみってやつだ。
「2人ともおはよう。」
「今日のサッカー凛と同じチームなんだからな! 絶対勝とうぜ!」
翔也はサッカーを習っているらしい。
小学1年生から習っているらしい。
大会で2位を取ったこともあるらしい、すげーよな
「……私も一緒にやりたかったのに」
「ん? なんだって香奈枝?」
「はひっ! い、いや! なんでもないよ!」
「「?」」
いつも、こんな感じで賑やかに俺たち3人で登校している。
「二人とも! そんなことより早くしないと遅刻だよ!」
「あっやべ! 急がなきゃ」
「うわまじだ! 走ろ!」
走り始めると、カチャッカチャッっとカバンのチャックがなった。
今日もいつも通りの生活が始まるな。
そう思っていた。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「ふーようやく今日の学校が終わったよ。」
「今日のサッカーのプレイ凄かったな!!!」
何故か今日はいつもよりサッカーの調子が良く、途中で5人抜きでゴールできたのだが、めちゃくちゃ翔也が褒めてくれた。
翔也に褒められてもとても嬉しい!!ーーとはならない。嫌という気分にはならないが。
「……私も見たかった……」
「ん? なんだって?」
「はひっ! い、いや! な、なんでもないよ!!」
「「?」」
翔也は運動神経抜群、だがあまり勉強が得意ではない。相当なイケメン。顔は整っていて、イケメンと呼べる。髪は少し長めだ。更に体も引き締まっている。歯も白く、目と眉のバランスも良い。イケメン滅ぶべし。
香奈枝の運動は……空手の都大会で2位を取ったらしい、恐るべし。勉強は平均ピッタリらしい。しかし、外見がいい。髪は肩より少し下まで伸びたロングヘア。顔立ちもアイドル顔負けだと思う。性格も良く、友達も相当いるらしい。告られた回数は10回はくだらないとか。笑顔以外を見たことはほとんどない。あ、でも1度めっちゃ怒った顔になってた。いつだっけ? 思い出せないな……
俺は、学校の成績は、平均より上にいる。運動神経もそこそこよくスポーツもそこそこ上達するほうだ。勉強もほとんどのテストでいい点を取れる。顔面偏差値もまあまあかな?翔也には顔はそこそこと言われているし…… そう言えば俺の顔がどうか香奈枝に聞いたけど少しなにかぼそっと言った後、顔を赤くして逃げてったな? いつだっ……
「な、なんだこれ?」
俺の思考はピタリと止まった。
足元に魔法陣が出現したからだ。
ーー突如足元に出現した魔法陣は、とても大きかった。
半径3,4mはありそうだ。
周りに文字らしきものが書かれているが……流石に読めない。
今は紫色の淡い光を放っている。
「ちょっと待って? え? 魔法陣なんてあるの?」
何故かそっちに興味が行ってしまった。
香奈枝や翔也のことを考えるのも忘れた。
俺はラノベとかも読むし、ゲームも好きだ。
「へ? なんだこれ?」
「きゃっ! なにこれ!?」
急に魔法陣が光りだし、周りが光に包まれる。
「わわっ!」
――逃げなくては。
そう思うのが、遅すぎた。
刹那、眩しくなり、目を閉じてしまった。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
今のはなんだったんだ?
どれくらい目を閉じている?
1分?1時間?1日?
いや実際には1秒くらいだろう。
香奈枝は?翔也は?
脳裏に香奈枝と翔也の姿が浮かぶ。
周りの光が弱まっていく。
目を開けながら叫ぶ。
「……っ香奈枝!翔也!」
その叫び声は虚しく空へと散る。
透き通るような、青空へと。
俺は、果てしなく広がる草原で、1人佇んでいた。
……俺は1人で、果てしなく広がる草原で、透き通るような青空の下で。
周りには誰もいない。
一瞬思考がまた止まったが、俺はこのような状況がどういうのか知っている。
「……異世界来ちゃった?」
俺のーー【星晶 凛】《せいしょう りん》の異世界の旅が、……今始まった。
『後書き』
皆さん初めまして!
私今回前から書きたかった小説を書かせていただきました。
どーしても書きたかったんです……
良ければ、感想を教えてください!
また次の話で!
2021/07/22 10時16分
様々な描写、表現、文章の改正と追加を行いました。