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第八話 現状把握

設定構成を考え直してたので、大分間が空きました。

すみませんでした。

しかし、まだまだ至らない点もあると思いますが、温かい目でご覧下さい。



 倖が、俺たちを異世界に送ってからもしばらく待ちぼうけ食らってしまった。


「倖、このことしっかりとアストリア神に伝えてたのか?」


「倖ちゃん、大事なところで抜けているからね。」


「倖ちゃんも流石にそんなことないと思うけど。」


 優真、霧香、そんな話をしているとやっとアストリア神が姿を現してくれた。


「はじめまして、春希さん、優真さん、霧香さんこちらの神のアストリアです。どうぞ、アリアとお呼び下さい。こちらの都合でご足労頂いたのにお待たせしてしまいました。」


 接しやすそうな感じの人物でホッとした。倖が親友と言うくらいだから、ひねくれた性格はしてないと思うが神なんて未知数な相手だからなと考えていると


「早速で、申し訳ありませんがこの世界の現状について説明させて頂きます。」


 そこからは、映像や歴史資料などを交えて2時間程の説明があった。内容を簡単に、まとめるとアストリアでは1900年とは思えない発展を遂げている。


「その分、試練も少し強めにしていて魔王やら強力な魔獣といったものが出現するようにしたのです。しかし、毎回いいところまでいって滅びかけてしまうんです。」


 魔王の強さがどれ程かは、知らないが意地悪しているようにしか聞こえなかった。


「今回の、世界はそう言ったことは、辞めて魔族を創り、その王を魔王としました。……しかし、それが今回の大きな失敗点になってしまいました。」


「確かに滅びることは、無くなりましたが、人族同士の争いが激化してしまいました。大きな戦争も一度だけ発生を許してしまいました。その後は、魔物を強化してさらなる戦争にこそ発展していませんが、兵器やかつて授けたものに改良等を行っていて、魔物など歯牙にもかけないほどの武力が備わりつつあります。」


 俺は、内心踏んだり蹴ったりだなあーと現状感じた。他にどんな種族がいるかは、知らないが魔王が人族同士の共通の的だったからこそ戦争が起きなかったというのは分かる。人間は、問題があるうちはある程度は、協力関係を維持していく。その他の種族も似たようなものだと思うけど。


「本来、抑止となる魔物や一部の上位種でも、最早意味を為していません。強行突破あるいは撃退するだけの力が身についてしまったからです。」


 アストリアは、ここで言葉を切って


「そこであなた方に協力して貰いたいです。」


 そこからは、こちら側の話が始まった。


「倖からは、世界をなんとかしてほしいと伝えられているが、具体的にどこまでのことをすればいいんだ。」


 まずは、優真、霧香との現状のすり合わせもかねてアリアに質問を投げかけた。


「具体的なことといいましても、こちらとしてはいい方に向かうと判断できるのであれば、春希さん達の裁量におまかせしようと考えています。


……無責任に感じると思うでしょうが、これは私のできる最大の配慮だと思ってください。私の方でも転生後の調整は可能ですが、その手段はできるだけ取りたくありません。


 そのため、実際に行動を起こすあなた方に判断を委ねるのです。」


 前半の言葉を聞いて、確かに無責任と感じたが残りを聞いてある程度のことに対して納得がいった。しかし、同時に疑問も浮かんだ。


「アリア、君のいった事については理解できたが、…倖はもう決まっているような口ぶりをしていたんだか、勘違いか。」


 アリア、そのことを聞いてなんとなく苦笑ともとれるような表情をしていた。


「勘違いでは、ないと思います。私も風習や国柄などを考慮して、転生先を考えました。候補は、改革していきやすい環境、国力等も考えましたが、すべての項目が当てはまる候補は一つしかなかったので、天て…… いえ倖はそのことを言っていたんだと思います。

 私のおすすめも倖が言ったであろう、大日本帝国ですが当人達の意見を聞くべきと考え、判断を委ねました。(倖の予想は、大日本帝国一択ですか。)」


そこからは、大日本帝国を含めた候補についての説明がはじまった。


「候補としては、大日本帝国、ユスティナ連邦、ビオグランテ連合国、シュロリア連邦、ジャルゲルマ帝国の5カ国です。

 それぞれ、イメージとしてはアメリカ、イギリス、ソ連、ドイツを思い浮かべてください。

 大日本帝国だけは、倖の話を聞いて参考に作った国です。その為、あちらの世界に近い形になっていますが、面積が地球の約10〜20倍なので人口なども地球の20世紀の倍以上と考えてください。…その他の4カ国は、思想なんかは例に上げた国々近いものですが、さらに狂信的なっていると考えてください。

…今説明した国が選ばれた理由としては、国力、軍事力、経済力などが高い国をだったためです。」


 アリアの話を聞いて、候補としては3カ国に絞られた。考えてる通りなら、世界の改革が進めやすいのは、ユスティナ連邦かビオグランテ帝国だと考える。思想なんかを度外視するならこの2国だろうが、俺達の性格に合わないと思った。

 霧香、優真とも話し合ってみたが、答えは決まってるも同然だった。


「アリア、転生先を決めた大日本帝国にする。」


 アリアは、一瞬驚いた様な表情を浮かべながら大日本帝国についての身分制度などについて説明してくれた。

 その後には、魔法と魔導の勉強等をしてくれた。

数年くらいのことだったが、実際には数日間しか経過していなかった。基礎知識や最奥といったものを先んじて得られたことに、感謝をアリアに伝えた。アリアは、少し照れたような素振りだったが、すぐにいつも通りになった。そして、倖からの手紙を渡してきた。


「倖が、あなた方が転生する前にこの手紙を渡してくれと、頼まれました。」


 アリアが呆れた様な顔でこの手紙のことを語った。早速三人でその内容を読んでいった。


『春希、霧香、優真この手紙を読んでるってことは、出発の準備が整った頃でしょう。

…今回のお願いを、快く引き受けてくれたことはとても嬉しく思っているだ。これを乗り越えてくれれば、私の望むことにすっごく近づくんだ。

どんなことかは、…まだ言えないけど別に三人には損のないことだと考えている。直接言いたいとも思ったけど恥ずかしかったので、こんな形で伝えました。

最後になったけど、頑張ってね。』


 手紙はそう締められていた。少し、捏造も入っていたが倖らしい手紙だとも思った。二人も少しムッとなっていたが、微笑んでいた。しばらくして、手紙の下に

『追伸 この手紙を開いた状態のままで、アリアにわたしてね♡』

と文字が浮かび上がってきた。少し不審に思いつつもアリアに渡した。

 一瞬、手紙を取る手が震えてるように見えたが、手紙をひったくる様に持っていくと読み始めた。

……黙って待っているアリアが手紙を裂こうとしたが、既のところで踏みとどまって、大きなため息をしていた。


「おい、どうしたんだ。」


アリアに対して、質問してみたが、反応は鈍かった。


「いえ、倖と私の問題なので気にしないでください。」


 …しばらく、そっとしておこうということにした。


数十分程してから、


「お手数おかけしました。

 準備もできていたのに待たせてしまいすみません。早速転生の準備を始めさせて貰います。」


 いつもの調子のアリアが、立っていた。


「ああ、大丈夫。何かは、知らないけどどうせ無理難題かなんか押し付けられたんでしょ。」


 何となく不憫に感じたので転生の準備が整うまでの間に、通じるかは分からないが倖の弱点や苦手なものを伝授してあげた。


「最後まで、ありがとうございます。これで少し倖を懲らしめることが、できます。倖が、あなた方が好きな理由が改めて分かりました。

 あちらでも3人が揃うようにちゃんと調整しましたので、改革頑張って下さい。

 良き人生を。」


 アリアと言葉を交わし、転生がはじまった。



 



 



 


 


 




補足

ユスティナ連邦 アメリカ

ビオグランテ連合国 イギリス

ジャルゲルマ帝国 ドイツ

シュロリア連邦 ソ連 といったイメージで書いていきます。

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