表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/10

第一話 神との邂逅①

 目覚ましの音けたたましい音が耳に響き、目が覚めた。ボッーとしている頭を振り払い、時計を見て驚いた。


「珍しいー。八時なのに母さんも父さんも起こしに来ないなんて。明日は、……槍でも降るんじゃないか。」


 そんなに驚くほどことかと思う人が多いとは思うが、普段の行動を知ればその異常さは伝わるだろう。

 父さんは、長年の自衛隊生活の加え、隊内での教育も相まって寝坊すると「石川春希(いしかわはるき)士官候補生」と言って、ヤクザの取り立て時のような声で起こしに来る。

 母さんにしても、もとは良家のお嬢様だったせいか寝坊とかには結構厳しく普段の優しい態度が嘘のように感じるくらい過激な起こし方をするし、起きた後でも……説教を1分、マシンガントーク気味でくらわされる。

その成果?結果として、自分でもびっくりするくらいに朝に対しては、警戒心MAX状態になっている。 

 こんなふうにこの一連の行動を知れば、今の異常性が伝わるだろう。


「可笑しい。まだ夢でも見てるのか!///!?」


 頬をつねってみても普通に痛かった。

 さすがに休みとはいえ、祝日や誕生日でもないのに起こしに来ないことを不審に思い大急ぎで着替え、部屋から出て思わず、また頬を引っ張ってしまった。


「なんで、世界が見渡す限り白いんだ。」


 一面雪に覆われてるとかじゃなく文字通り、真っ白な世界が広がっていた。……数分の間戸惑い続けた。

 次第に落ち着きを取り戻し、こんな状況に繋がることをひたすら考えた。


「VR…いや、父さんが持って来た訓練用のものでもここまで精巧なできではなかった。やっぱり夢?でも…それだと痛覚を感じるのはおかしい。」


 この非現実的な状況をブツブツと考察を続けるが、心のどこかで科学や理屈じゃ説明できないと結論に達したが、中々受け入れない自分がいた。しかし、説明が付かない以上それ以外にないと腹を括った。

 しかし、こんなことに喜びを覚えるほど若くはない。


「やっぱり、ラノベとかにでてくる神の領域みたいな空間かな?ならなんで神様が出てこない…ん…!?」


 文句を言おうとしたタイミングで巨大な城がいきなり出現した。

 恐る恐る近づくと洋風とも和風ともつかないデザインが目に入った。


「なんだこの滅茶苦茶な構成。」


 その城はまさに世界中の城の外観をミックスして、いいとこ取りだけして創り出したと表現できるものだった。


「と…そんなことは置いといて!……すみません。」


 思考を状況確認に切り替えつつ、この状況を打開するため城主?に話を聞くために声を掛けたが、返事がなかった。


「あれ、聞こえなかったかな。ならもう一度。すみま「「あっ。春希。」」……!?」


 改めて声を出しかけると後ろから聞き慣れた二人の声がしてきた。

 振り返って見ると幼なじみである宮間優真(みやまゆうま)橘霧香(たちばなきりか)がいた。


「なんで二人がここに。」


 そんな当たり前の質問が思わず飛び出したが、


「それはこっちも聞きたいくらいの質問。」


 霧香が分かりきったことは聞くなと言わんばかりに少し怒気が感じられる声が返ってきた。


「ごめん。さすがに混乱しすぎてて、……失言だった。」


 即座に謝罪をした。しかし、おかげで状況が整理できた。


「霧香たちも同じ境遇って認識でいいんだよな。」


 俺のセリフに二人が大きくうなずいた。霧香達も交えてこの状況についての整理をしようとした。

 直後、体が急に浮かび上がり城の中に連行された。

 すごいスピードの中、謁見の間らしき場所で落とされた。


「いってぇー。」


 思いっきり落とされて尻をさすってるなかで、優真と霧香は丁寧に降ろされた。


「この扱いの差はなんだ。」


 文句を言いつつ、周りを見回すと正面の玉座に座っている人物が目に入った。


「初めまして、春希、霧香、優真。この世界の神をやっている天照です。」


 微笑みを浮かべたまさに女神と表現するのがふさわしい姿が目の前にうつった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ