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ナデサセテ・コントラクト  作者: なでり
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第八話 うさたんハァハァもふもっふ



 村に帰って来てからお爺ちゃんに御礼を言って街に帰る事に。既に夕暮れになっているので、夜の時間を強行軍することになるだろうけど仕方ないよね。


 夜の時間は一回の戦闘でウルフが沢山出てくるけれども、慣れてしまえばどうという事は無かった。


 夜中に街まで戻って来て、現実時間でもいい時間だったので宿にチェックインしてログアウト。


 頭についている装置を外してからストレッチ。後は大学で専攻する予定の本を読んで纏める作業開始。

 終わったらご飯を食べて、沙織のメッセに返信。結構楽しめそうって言う事とありがとうスタンプ。後はお風呂に入っていくつか気になる漫画と小説を読んで就寝。


 朝起きて少しゆっくりしてから走りに行くと、同じく走って来た沙織と合流。


「うらやましい、私も早くしたいよ」


 休憩に沙織と公園で少し話す事に。沙織は掲示板を見て情報を集めているようだった。


「第二の街には鉱山があるらしくて、鍛冶師達が盛り上がってるのよ」

「そうなんだ、ダンジョンとかになってるのかな?」

「いや、モンスターはいないってさ。生産組も頑張って第二の街に行く算段をしてるみたいね」

「私も頑張ってボス斃さないとね」

「……結愛なら直ぐ行けると思うけど」

「そおかな? あっそれよりも見てこれ! 可愛いのじゃロリNPCに会ったんだよ!」


 端末を操作して昨日のスクショを見せる。


「これ周り森? こんなイベント掲示板に載ってなかった」

「そうなの? 魔神様のイベントで会えるよ」

「は? 魔神! ちょっと待って、良ければ話聞いてもいい? 本当はあんまり聞くの良くないんだけど」

「ん? 別にいいよ」


 という事で昨日会ったイベントを沙織に話した。


「……実はそれ、CROの謎って言う掲示板にあるんだよ」

「謎?」

「そう、どう考えてもおかしい神像の並び、いない魔法神。でも所縁の村らしき場所に行っても進展は無い、もうちょっと進まないといけないのか? とか、本当にいるのか? とか。話を聞くと、神父に並びと魔神の可能性を両方聞くのに加えてもっと聞きたそうにしないといけないらしいわね、きっとただのヒントだと思って神父には話しか聞かなかったんじゃないかな? 本屋の話は出てない」

「たぶんそうだと思うよ、一個だけだとそのままスルーして話し続ける勢いだった気がするし」

「……はぁ、ここで二択があるわ」

「何いきなり」

「一、情報を隠匿してイベントを有利に進める、ただしばれた時叩かれて痛い可能性大。二、掲示板に書き込む、イベントは有利に進められないけど、叩かれてもそう痛くはない」


 MMOって情報共有しないと許さないって面倒な人がいるって沙織言ってたっけ。そういう人に絡まれるのは嫌だな。別に隠匿するつもりも無いけど。


「じゃあ書き込みで」

「どうする自分で書き込む?」

「やった事無いし任せていい?」

「分かったわ、その代わり貰った報酬とか教えて貰っていい?」


 沙織に色々と話しながら、沙織は掲示板に書き込んでいく。


「うわ、一気に掲示板がお祭りになってるわ」

「そんなに?」

「光闇両方取れる、しかもSP無しなら取っていてもいい魔法職も多いだろうし、特に上位魔術はね。氷雷なんてのはどのゲームにもあるけど、それぞれゲームによって出し方が違うから、早めに発見されたらこうなるね。しかも貰えるのが魔法スキル育成称号とか魔法職だったら絶対にほっとかない」


 確かに、言われてみればそうなのかも。

 

 走るのを再開した私達は、最後にばれないように気を付けなさいと沙織に忠告を受けて別れた。


 シャワーを浴びてもろもろこなしてログイン。


 宿からでて沙織に言われたことを思い返す。

 昨日道すがら一人会ってるんだよね、もしそれを掲示板に書かれたら面倒くさいし、予防線は張っておこう。


 やってきたのは神殿。いつもは外が賑わっているけれども、今日は仲が賑わっていた。昨日神父さんに通してもらった扉は解放されていて、そこから人が出たり入ったりと忙しない。

 私もその後に続いて入ってから礼拝堂に行くと、締められていた扉が開いた。開いた扉からは人が出てきて、そして新たに並んでいる人達が入る。私も礼拝堂に入る列に並んでみた。


 少しして中に入ると、昨日の神父さんが昨日と同じような事を説いてくれた。でも昨日よりも疲れたような顔をしていた。まぁこれだけの人数をずっと相手していればそうなっちゃうか。

 なんとなく罪悪感を感じてしまって、今度何か差し入れでも持ってこようと決意した。


 話が終わると、一人が手を上げて神像について質問、その後他の人が魔神について質問。するとクエストが発令されたようで皆急いで次の場所に向かって行った。


 この様子だと生産ギルドは結構人がいそう。その代わり冒険者ギルドは少ないかも? と行ってみる事にした。


 確かに多少は少なくなっていたけれども、それでも沢山いた。

 取り合えず報告だけして受けるのはやめておいた、なにせこれから第二の街に行こうと思っているからだ。


 まだ最初からアイテムボックスに入っていたポーションに手を付けてはいない。それを確認して北門から外に出る。真っ直ぐ行くと森があるので、その奥にボスがいるようだ。


 意気揚々と出発して、最初に襲って来たウルフを斃したところでインフォ。


<レオラのレベルが上がりました。 ソーサラーのレベルが上限に達しました、転職してください!>


 ディスプレイを出して確認。職業のところが光っていたのでそこをタップすると、私がなれる次の職業の一覧が出てきた。ただ私は最初から決めていたので即決。


名前:レオラ

種族:人間(女)

職業(2):コントラクターLv1

基本値(BP:0):STR:11 VIT:10 INT:15 MDF:14 DEX:12 AGI:10 

スキル(SP:6):【契約Lv3】【料理Lv1】【錬金術Lv4】【闇魔術Lv2】【無魔法Lv2】【鑑定】【剣術Lv3】【光魔法Lv1】

称号:[魔神ルドナリスの加護][魔神のお茶飲み友達]



INTとMDFに三点ずつボーナスが入った。職業の隣の数字は二次職って事なのかな?ボーナスもいつもよりも一点多く貰えてるのは、レベルアップで2点と転職ボーナスで1点かな? 


 そして、なんと契約出来るモンスターが三匹になりました! 


 速攻でウサたんを召喚!

 


名前:ミュン

種族:ラビット Lv1

基本値(BP:0):STR:4 VIT:4 INT:3 MDF:4 DEX:4 AGI:7 

スキル:【頭突き】


 

 白い毛皮のウサギが目の前に召喚される。


「きゅ?」


 あああああああああ可愛い! 

 そのまま抱き上げてなでなでする。なでーりなでーり。足元にモフモフが当たるのでアルフもなでーりなでーり。





 よし出発! の前にSPが溜まってので【影魔術】取っちゃいましょう。


 レベル1で覚えたのは、シャドウバインドという魔術。内容は相手の行動阻害らしい。次の敵が出たら使ってみよう。


 草原はまだ人がいたけれども、最初よりはましだった。 

 そのまま草原でミュンがレベルアップするまで狩ってから森へ。


 森の中は虫の鳴く音や、梢のざわめきが支配していた。

 

 取り合えず真っ直ぐ進んでみる事にした。


 途中ウルフが三匹出てきたのでシャドウバインドを使ってみる事に。でも結構上手くかからずレジストされているみたい。漸く効いた敵を観察してみると、効いた瞬間に足を止めて少しの間動けなくする魔術の様だ、これ効いたら結構狩りが楽になる。


 その後もシャドウバインドとプロテクを掛けながら剣で斬っていく、MP節約MP節約。



 途中木にもたれ掛かってモフモフしながらも先に進む。

 

 森に入った時間がどれほどだったか覚えていないのでなんとも言えないけれど、結構な時間が経ったと思う。


 漸く開けた場所は……崖だった。


「あれ?」


 どうやら道を間違えたらしい。崖の先には街が見えるので、真っ直ぐでは無くて森を東に行くのが正解であったようだ。


 それじゃあ行こうか。


「ひッ、……『ダークバレット』!」


 出てきたのは、蜘蛛でした。

 私は虫系苦手なので近づかずに魔法で対処。アルフやミュンは気にせず迎撃に行ってくれるので有難い。


 そうこうしていると私もレベルが上がる。でもそれどころではなく、あの気持ち悪いのがどこかに居ると思うと気配察知に真剣である。


「そこっ! 『ダークバレット』」


 そして何か音がしたのでダークバレットをお見舞いすると、私に飛びつこうとしてきた茶色い蛇に遭遇した。


「蛇か……」


 爬虫類は普通である。


「【契約】! ッハ」


 契約を使ってから斬りかかりに行く。一匹だけだったのでそれで沈んでしまった。契約石はくれなかった、残念。


 その後はウルフではなく蜘蛛と蛇が出てくるようになり、私達は警戒しながら先を進んで行った。


 気を張り詰めていたのでかなり長い時間に感じた。森が少し開けたところに出ると、プレイヤーが何人か固まっている広場だった。そして広場の先に行くパーティーが消えるので、あそこがボスへの入り口なのかもしれない。


 うーん、この戦力で行けるのか分からないけど、取り合えず突っ込も。


 沙織に聞いた話、コントラクターはソロ向けらしい。モンスターにも経験値が入るのでパーティー向けじゃないんだとか。だからパーティーに入れてくれるわけもなく、まして私が話しかけられるわけもなく!

 

 ええい突撃!


 入った瞬間、体が動かなくなる。目の前には緑色の熊ちゃん。しかも大きい。

 熊ちゃんは私達を見ると立ち上がり咆哮、それが合図となり私も動けるようになる。どうやらイベントだったようだ。


 アルフとミュンが駆ける。先ずはミュン、アルフ、私の順番にプロテク。MPは四割くらいある、此処で使いきってしまっても問題ないでしょう。シャドウバインドを使ってみたけれどもかかる気がしないので私も突撃。


 アルフとミュンは相手をかく乱しながら攻撃を与えているようなので、その隙をついて私も斬りかかる。そして離脱。多分攻撃を喰らうと酷いことになるので出来るだけ避ける。


 


 熊ちゃんのHPバーが半分を切った時、動きが更に素早くなって一撃貰ってしまった。それだけでHPが八割減ってしまった、どうやらもうちょっとレベルを上げてくるべきところの様だ。でもなんとなくPS道場をやっていた時と近い感覚になってきた。あのゲームはもちょっと痛みもあったと思うんだけど、こっちはちょっと温いね。


 集中して視界が開ける、アルフがどこにいるのか、ミュンがどう動くのか、プロテクは後どれくらいあるのか。そんな事を認識しながらチャンスを伺う。そして到来!

 熊さんが振り返ったところで構えていた私は少し跳んで熊さんの目に剣を刺す、そのまま熊さんを蹴って離脱。


「ガアアアアアアアアアアアアアアア」


 直ぐに状況判断。熊さんは此方に突撃体制。なんとか横に飛んで回避、そして後ろからアルフたちが追撃。再度チャンスを狙ってもう片方の目を潰す。その後は結構楽だった。

 倒し切る前に【契約】を発動。


<ファスタの森外縁のボス、フォレストベアの討伐に成功しました、おめでとうございます!>

<レオラのレベルが上がりました>

<アルフのレベルが上がりました、進化可能です! コントラクトモンスター一覧から選択してください>

<ミュンのレベルが上がりました>


 なんかいっぱいきた。








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