表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ナデサセテ・コントラクト  作者: なでり
7/34

第七話 のじゃろりなのじゃろり



 のんびりと歩く私とアルフ。

 モンスターの出現数が変わると同時に出てきたので、襲ってくるのは一匹か二匹。夜だと多くなるようだ。

 

 途中私とアルフのレベルも上がった。【契約】スキルもレベルが3になり、新しい効果を得た。名前はEX契約、ユニークモンスターと契約を交わした場合、そのユニーク個体が仲間に入るという物だ。

 もしAIがモンスターにもそれぞれ個別に適応されており個性があるのだとしたら、これは結構重要な事なのかもしれない。


 のんびり歩きながら、休憩も多く取る。MPの節約をするために殆ど剣で戦っているので、アルフにも負担をかけてしまっていると思う。それに休憩毎にモフモフするので私の気力回復にもなる。


 此方はプレイヤーが少ないようで、殆ど会っていない。一回反対側から人が来たけれども、特に挨拶もなくすれ違っただけだ。




 漸く着いた村は、思ったよりも小さい村だった。

 木の家が四つ、その中の一つは他よりも大きなものだったので、村長さんの家なのかもしれない。畑や鶏らしき動物がいたので、基本自足自給なんだと思う。


 私はアルフを帰還させて大きな家の戸を叩いた。


「すいません」

「どちらさんかなぁ?」

「私レオラと申しまして、少々お伺いしたいことがございまして此方に参りました」


 戸が開いて出てきたのは、腰の曲がったおじいさんだった。


「昨日といい今日といいお客さんが多いのぉ、此処は何もない村じゃぞ?」

「宜しければお話を聞かせていただきたいのですが」

「まぁお上がりなさい」

「お邪魔します」


 家の中に入って、お爺さんに進められて椅子に座らせてもらう。お爺さんも対面に座り、お茶を啜っている。


「それでなんだったかの?」

「ゴ部族のゴ・フレドさんについて、お話をお伺いできたらと思いまして」

「ほぉ、フレドか、フレドはワシの遠いご先祖様じゃ」

「……そのフレドさんと魔の神について、宜しければお聞きできませんか?」

「成る程の……。今は忘れられし神を訪ねて此処まで気なすったのか」

「はい」

「どうやら他の者たちとは違いお主には縁がありそうじゃの?」

「他の者達? それに縁ですか?」

「うむ、昨日今日とお主のようにこの村が昔の部族の生き残りとしって話を聞きに来る者や忘れられし神の話をただ聞きに来る中で、お主はしっかりと縁を結んでいるようじゃ」


 ……よく分からないけど、クエストを発生させているかいないかの違いって事かな? 他の人たちは独自に魔の神様の話を聞いて、此処が怪しいと思って来たって所かな。でもクエスト発生させていないからお爺さんの雰囲気からすると門前払い?


「我らの主神である魔神様とフレドは、魔神になる前に交友のあった人物、文献が正しければ同じ師匠の元で学んだ学徒だったらしいのじゃ。そして魔神様が神に成られてからは度々愚痴を言いに来ていたらしい。それも魔王を封印するまでの話じゃがな。じゃが他の皆が魔神様の事を忘れる中、フレドは忘れなかったようじゃ、きっと魔人様との縁が強かったのじゃろう」


 それでゴ・フレドは忘れられないように絵本を描いたって事なのかな。


「ワシがしっかりと魔神様を認識できるのは、フレドの子孫だからじゃろうな。村の者もその存在は忘れておる」

「そうなのですね……」

「良ければ魔人様にお祈りしていくかの?」

「社があるのですか?」

「うむ、此処から更に30分ほどかの、南に行くと小さな祠があるのじゃ」

「分かりました、行ってみます。お話ありがとうございました」

「よいのじゃ、縁を持つ者は歓迎じゃよ」


 お爺さんの家を辞去して更に南へ。南は林になっており、森程深くは無いので木漏れ日が気持ちよかった。アルフもご機嫌な感じで、たまに足に顔を擦りつけてくるので屈んでモフモフしている。


 ゆっくりと歩いてきたので言われた時間以上に掛かってしまったけれども、小さな石造りの祠を見つける事が出来た。

 忘れ去られているだけあって、葉や苔で覆われている部分もあったけれども、ここだけ少し空気が澄んでいるように感じられた。


 この世界の祈りの作法なんて知らないので、知っている方法で手を合わせる。




「誰じゃ」


 声が聞こえて目を開けると、祠の前に黒髪のおかっぱ少女が立っていた。黒い着物に身を包んだ少女は、何処かいたずらが好きそうな雰囲気を持っている。


「えっと、レオラです」

「ほぉ、フレドの縁を辿って来たのじゃな。あ奴の書いた唯一の本に触れたのじゃろう」

「絵本は読ませていただきました。それでえっと貴女は」

「妾こそ魔神ルドナリスじゃ」

「封印されてるはずじゃ?」

「妾と関係の深い場所ではこのように顕現できるのじゃ、特に魔王の封印も解かれたようじゃし。、何処の馬鹿じゃ全く」


 どうやら目の前の少女が魔神様らしい。


「レオラと言ったか? 妾は人と話をするのが久しぶりなのじゃ、ちと茶会に付き合え」


 パチリと指を鳴らして出てきたのは、西洋風の机と椅子そしてティーポットにカップだった。しかしそのポットから出てきたのは緑茶。目の前の純和風の少女と飲み物だけマッチしているというミスマッチな光景に更に拍車がかかっているけど気にしないことにした。


「成る程の、魔王を斃すために異界の者たちに助けを求めたのか」


 一応私が今ここにいる理由を話した。魔王が復活したので、十二神達が私達を此処に呼んだというゲーム内設定だ。


「フレドの絵本を読んだのじゃったな、だいたいはあの通りじゃ。人々の発展の為に創造神は人の中でもそれぞれの分野に特に秀でている者にそれを司らせたのじゃ。しかし妾の師匠であった魔神は奢り堕とされた、次点で優秀であった妾が引き継いだのじゃ」

「本当の話だったのですね」

「うむ。堕とされた師匠は神を憎んだ。そして闘・技・魔それぞれ神に選ばれなかった者たちもまた神を憎んだ。師匠は彼らを彼らは師匠を利用して神に復讐をしようとしたのじゃ。じゃがその中の実験でその者たちの魂が師匠の魂と融合し、人としての思考が薄れ復讐の化け物、魔王になってしまった。そうなってはもう仕方なかったのじゃ。魔を司った妾が本来の魔術を封じ、この世を魔法のみで支配させて漸く封じる事に成功したのじゃ」

「魔術というのは魔法の上位ですか?」

「そうじゃ、特に木・氷・蒼・雷・輝・影・時属性は魔術しか存在しないのじゃ」


 なんか知らない属性がいっぱい出てきたんだけど。たぶんこのゲームにもあった地水火風光闇無のそれぞれ上位って事だよね。


「どうやったら取得できるのですか?」

「それぞれ元の属性を魔術にすることじゃ。魔術にする方法は、各地にある妾と所縁のある場所を巡り、妾の祠に参る事じゃな」

「じゃあ此処も?」

「そうじゃ。本来ならばこの祠は光と闇を両立させるための物、お主にもその祝福を渡す事になる。もうちと妾を楽しませてからじゃがな」


 成る程、これってそういうイベントだったのね。此処で両方取得できるようになって、他の場所で魔術を取得すると上位魔術の取得が可能になるっと。



 それからお話をしながらチャンスを見てルドナを御膝の上にご招待。ルドナも人恋しかったのか抵抗することなく私のお膝の上で大人しくお話ししながらお茶を飲んでいる。たまに頭を撫でると、さらりと綺麗な黒髪が流れた。


「お主、何時まで妾を撫でるのじゃ?」

「だって可愛いんだもの! 私の世界にはのじゃロリなんて実在しないし、いいじゃないですか減るもんでもなし」

「まぁいいがの、おぬしのペットが妾を恨めしそうに見てくるのじゃ」


 おぉアルフごめんね。


「おいで」


 アルフは椅子に前足をついてルドナの膝に頭をのせた。

 ルドナはそれに驚いていたけれども、ゆっくりとアルフを撫で始めた。私も首元をモフモフしながらルドナをなでる。


 あぁ~しあわせぇ。




 気が付いたら日が傾いて来ていた。


「ほれ、そろそろお主はお主の役割に戻るのじゃ」

「もうちょっと」

「だ~め~じゃ~。妾とてもう時間が無いのじゃ、さっさと受け取るものを受け取って行くのじゃ」

「顕現できる時間って決まってるの?」

「うむ、一日数時間じゃな。また妾に会いたくば他の祠を探すのじゃ。そして全ての魔術が戻った時、妾は復活できるのじゃ。勿論この世の封印は守ったままじゃがな」

「じゃあ頑張らないと!」


 そのころには私の家も建ててルドナをご招待するのもいいなぁ。ルドナに動物パジャマ着せたい、絶対似合う! はっ、そうだスクショ取らなきゃ。連写よ連写!


 ルドナは一つため息をついてからまたパチリと指を鳴らした。すると椅子と机が消える。私はそのまま尻餅をついてしまった。

 でも目の前には淡く光るルドナ、それに見惚れて自分の格好なんてどうでもよかった。スクショ連発。


「縁を辿り妾の元に来た異界人よ、この時は楽しかったのじゃ。少し多めに加護をやるのでまた話し相手になるのが良いぞ。ではまた待っておる、さらばじゃ」


 ルドナを包む光が一層強くなり、一瞬目を瞑ったすきにルドナはいなくなっていた。


<おめでとうございます! 『消えた神を探して』をクリアしました! 報酬として光魔法を取得しました! また初クリア報酬としてSPを1点プレゼントいたします>

<称号[魔神ルドナリスの加護]を取得しました>

<称号[魔神のお茶飲み友達]を取得しました。それにより【闇魔法】は【闇魔術】に変化致しました>

<クエスト『消えた神を探して』がクリアされましたので、クエスト『魔神の復活』を開始いたします>

≪ファスタの森外縁のボスが『サーナ』にソロ討伐されました≫


 おぉなんか一気に来た。 

 上から見て行こう。クリア報酬は取得できなかったもう一つの属性の取得、SPがいらないのは嬉しい。

 次の加護は、魔法や魔術技能の成長が少し早くなるというお助け称号だった、これも結構嬉しい。折角だから他にもいっぱい属性取っちゃおうかな、これがあれば育つのも早いのかな? でも魔法・魔術技能成長促進小らしいからそこまでじゃないのか?

 次のお茶のみ友達は、ルドナに出会える確率が上がって、ルドナと会った時にルドナを満足させると取得している魔法の中から場所に応じて、またはランダムで魔術に変化する能力らしい。これは凄い嬉しい。今取得可能スキルを見たら【影魔術】があったので、SPが溜まり次第取得する。因みにSPは5必要だった、結構重い。

 

 【闇魔術】は、覚えている闇魔法の効果が良くなっていた。威力増大とクールタイムの減少だ。

 『魔神の復活』に関しては、ルドナも言っていた通り全ての魔術を集める事となっていた。でも攻略組の人達はスキルをきっちりつけてるだろうから難しいかも。まぁ私はやるけどね、なにせ可愛いルドナのお願いだし。これからは【契約】系のスキル以外は魔法を取得していこうと思ってる。


 最後のはワールドアナウンスだったみたい、もう最初のボスをソロとか凄い人もいるよね。






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[気になる点] 「良ければ魔人様にお祈りしていくかの?」 魔神様 では? しかし妾の師匠であった魔神は奢り堕とされた 驕り堕とされた では? [一言] お疲れ様です これからも頑張ってください
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ