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Hidden Talent Online  作者: ナート
8章 クリスマスイベント
132/148

エピローグ

(3/3)

 ザインさん主催の打ち上げ会場はサンタシティの専用スペースを借りて行うそうです。

 場所自体は屋外なので、中央のポータルに生えた巨大なモミの木を眺めることが出来ます。小耳に挟んだ話ですが、あれに飾り付けをするクエストがあったそうです。報酬はクリスマス素材ですが、効率だけを言うならフィールドで狩りをした方がいいらしいので、初心者向けのクエストという位置付けのようです。


「ザインさん、今回はおめでとうございます」

「ありがとう。今までは負けっぱなしだったから、最前線のクランとしての恥ずかしくない結果を出せてよかったよ。それと、強制ではないが、サンタかトナカイ系の恰好をすることになってるんだ」

「わかりました」


 ドレスコードの様なものだと思えばいいだけですし、今から用意しなくてもいいので、それくらいなら応じます。

 実際、ザインさんもサンタの恰好をしていますから。

 装備も変えたので打ち上げを満喫しましょう。ああ、トナカイの恰好をしているモニカをお供にするわけにもいかないので、パーティーから抜けてヤタ達を召喚しましょう。連絡はクランチャットで出来ますから。

 えーと、リコリスは……、ああ、ログアウトしていますね。よい子なので寝ているのでしょう。

 随分前の打ち上げの時は手伝うこともありましたが、今では派閥が大きくなっているそうなので、外部協力者扱いの私達に何かがふられることはありません。

 串焼きを頬張っているとユリアさんを発見しました。ザインさんに挨拶をした時はどこかへ行っていました。ちょうどいいので、挨拶しておきましょう。


「ユ……」


 おっと、誰かと話していますね。邪魔をする気はないので後にしましょう。


「あら、リーゼロッテじゃない。普段と違う格好をしているから、わからなかったわ」


 イメージというのは大事ですからね。私もドレス風のサンタ衣装を着ているユリアさんだと気付いたのは空色の長い髪を見てからですし。


「こんばんは。RWさんも先ほどぶりですね」


 気付かれてしまいました。さて、会話を邪魔する気はないので離れましょうかね。


「さっきぶり。ちょうどよかった。ユリアに紹介してもらおうと思ってたし」


 魔法使い然とした赤いローブの中がサンタ服なのでここでのドレスコードは守っているようです。


「リーゼロッテに興味があったの?」

「一部じゃ、ユリアの秘蔵っ子って言われてるからね」


 ふむふむでは、予定通りにしましょう。まずは、ユリアさんにそっと寄りかかり――。


「おかあ――」


 ひゃ。

 何かとてもまずい物を感じ取りました。ええ、これは言ってはいけないようです。


「ふふ、何かしら?」


 顔が笑っていませんよ。一見すると笑みに見えますが、感情が抜け落ちています。


「イエナンデモアリマセン」


 触らぬ神に祟りなしといいますし、撤退しましょう。


「改めて自己紹介するよ。ロイヤルナイツのRW。魔法部隊の隊長をしている」

「リーゼロッテです」

 名乗られた以上、名乗り返さないわけにはいきませんね。ええ、戦略的撤退に失敗しましたよ。

 ロイヤルナイツといえばあの赤を基調とした鎧のクランですね。魔法使いなので鎧ではありませんが、赤を基調としている点に違いはありません。


「是非とも私とも仲良くして欲しいな。可愛い子は特に」

「そうでふか」


 そういいながら私の頬を突くのは何故でしょう。私はやられるよりもやる方なんですよ。というか、リコリスの頬を突っついているのを見られたんですかね。


「それで、何か私に貸しを作るきはない?」

「RWさん個人にですか? それとも、その魔法部隊隊長さんにですか?」

「私個人だよ。君からすれば魔法部隊隊長に貸しを作ったところでいいことないでしょ」

「ええ、まぁ。とはいえ、貸すための情報がないんですよね」

「そう? ユリアからはよく面白い情報を持ってくるって聞くけど」

「そうなんですか?」

「そうよ。でもその娘、わかりやすい対価を要求しないから、大変よ」


 RWさんにはくすぐられないので、要求する対価は情報くらいですが、無い袖は振れないので、要求も出来ませんね。


「まぁ、何かあったらということで」


 最近はマギストのクエストと錬金術のスキルレベル上げしかしていないので、見付けようがありません。マギストの外にすら出ていないので、あの辺りに何が出るかも知りませんし。

 特に目新しい情報もないので二人と別れ、歩き回っていたのですが、美味しい物を満喫したら眠くなったので、ログアウトです。





 25日の放課後、残りのテスト返却と終業式も終わり、伊織と帰路についています。普段なら少し残って話しているのですが、今日の夜のためにやらなければいけないことがあります。葵には早く帰ってくるなと言ってあるので、希望を取りながらも作る物は秘密という体裁は保たれるでしょう。





 クリスマスにおける家族行事も終わり、作ったクッキーを用意し、恒例行事を始めましょう。


「お湯は沸かしといたぞ」


 お茶を雑に淹れるので、お風呂の間にお湯の準備を頼んでおきました。ええ、恒例のパジャマパーティーですよ。まぁ、小学生の頃からの行事なので、こういう順番なんですよ。

 ちなみに、三人でのプレゼント交換も廃止しているので、渡したかったら勝手に渡すことになっています。


「さて、昨日までのイベントお疲れ」

「お疲れ」

「お疲れ様」


 乾杯の音頭は葵の役目です。


「ところで、明日からのキャンペーン、名称だけ公開されたの知って……るわけないか」


 おやおや、イベントの後すぐにキャンペーンですか。


「何やんの?」

「往く年くる年キャンペーンだったよね」

「へー」


 残念ながら名前だけなので、詳細は明日にならないとわかりません。


「二人は初詣どうするんだ」


 初詣ですか。もうそんなことを考える時期なんですねぇ。まぁ、仰々しい格好をする気はありませんし、遠くの込み合う神社に行くつもりもありません。例年通り近くの神社に行って甘酒を飲むくらいでしょう。


「いつも通り?」

「葵はクラスメイトと約束したの?」

「あー、いや、ならいつも通りだな」


 節目節目の行事を私達と過ごしている葵がボッチではないのかと心配になったので少し話を聞いてみましょう。

 …………………………

 ……………………

 ……………

 …………

 ……

 ずず……、ず、ずずず。


「茜、眠いんならお開きにする?」


 おっと、話を聞いた結果嫉妬されているだけとわかって安心したのか、無意識に空のマグカップをすすっていたようです。


「んー、私は……寝る」


 歯を磨くために部屋を出たわけですが、いつの間にか伊織に支えられています。けれど、何かに押されてまっすぐ立つことが出来ません。


「片づけ、……あんが、とね。……ふあぁ。おやすみ」


 うつらうつらしながらも後片付けをしてくれた葵にお礼を言うと、伊織にベッドへ押し込まれました。





 起きたら伊織用に用意しておいた布団を使った形跡がなく、伊織の胸に顔をうずめられていたのですが、まぁよくあることなので気にしないでおきましょう。

プレイヤー名:リーゼロッテ


基本スキル

【棒LV30MAX】【剣LV30MAX】【武器防御LV24】

【格闘LV30MAX】【銃LV30MAX】

【火魔法LV30MAX】【水魔法LV30MAX】【土魔法LV30MAX】【風魔法LV30MAX】

【光魔法LV30MAX】【闇魔法LV30MAX】

【魔法陣LV30MAX】【魔術書LV30MAX】【詠唱短縮LV30MAX】

【同調魔法LV10】

【錬金LV30MAX】【調合LV30MAX】【料理LV30MAX】

【言語LV30MAX】【鑑定LV30MAX】【採掘LV30MAX】

【気功操作LV20】【魔力操作LV30MAX】【再精LV30MAX】

【発見LV30MAX】【跳躍LV30LVMAX】【罠LV30MAX】

【索敵LV30MAX】【隠蔽LV30MAX】【気配察知LV30MAX】

【毒耐性LV3】【麻痺耐性LV30MAX】【沈黙耐性LV30MAX】

【睡眠耐性LV30MAX】【幻覚耐性LV1】【病耐性LV10】

【知力上昇LV30MAX】【魔法威力上昇LV30MAX】【速度上昇LV30MAX】

【鷹の目LV30MAX】【梟の目LV30MAX】

【調教LV30MAX】


下級スキル

【杖LV50MAX】【体術LV11】【闘技LV11】【魔銃LV13】【片手剣LV1】

【治癒魔法LV50MAX】【付与魔法LV50MAX】

【炎魔法LV50MAX】【氷魔法LV50MAX】【地魔法LV50MAX】

【嵐魔法LV50MAX】【雷魔法LV50MAX】【鉄魔法LV50MAX】

【無魔法LV50MAX】【聖魔法LV50MAX】【冥魔法LV50MAX】【空間魔法LV50MAX】

【魔力陣LV50MAX】【魔法書LV20】【魔力制御LV50MAX】【詠唱省略LV50MAX】

【錬金術LV47】

【調薬LV31】【料理人LV31】【罠看破LV13】

【罠魔法LV1】

【言語学LV41】【識別LV50MAX】【魔力増加LV50MAX】

【看破LV50MAX】【魔力視LV50MAX】【軽業LV50MAX】

【探索LV50MAX】【隠密LV50MAX】【加速LV25】

【閃きLV50MAX】【魔力貯蔵LV50MAX】

【殺気感知LV1】【軌道察知LV25】【天之眼LV41】

【遠望視LV13】【魔眼LV10】【霊視LV1】【憑依眼LV11】

【発掘LV4】

【召喚LV10】


中級スキル

【杖術LV67】

【強化付与LV27】【弱体付与LV17】

【火炎魔法LV20】【炎熱魔法LV2】【暴風魔法LV20】【風圧魔法LV1】

【激流魔法LV20】【水冷魔法LV1】【雷撃魔法LV17】【電流魔法LV1】

【大地魔法LV19】【地脈魔法LV3】【蘇生魔法LV5】【治療魔法LV13】

【結晶魔法LV18】【鍍金魔法LV1】【災禍魔法LV11】【暗黒魔法LV17】

【時空魔法LV6】【神聖魔法LV4】【閃光魔法LV19】【力場魔法LV18】【虚無魔法LV6】

【魔道陣LV67】【魔法操作LV67】【魔力運用LV31】

【無詠唱LV4】【多重詠唱LV7】【魔力消費効率化LV11】

【立体機動LV7】【虚空移動LV7】【魔詠みLV30】

【博識LV29】【熟知LV29】【魔力許容量増加LV30】【魔力消費効率化LV11】

【観察LV13】【直感LV1】【解析LV1】【感知LV1】【生命感知LV8】


称号スキル

【探索魔法】【魔術】【魔法】【筆写】

【残りSP301】





というわけで、8章クリスマスイベントでした。

次はゆく年くる年ですが、大雑把にしか決まっていませんが、年末年始特有のバイトは無しにします。ネタが思い浮かばなかったので。

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[良い点] 百合百合シーン増えて嬉しい [気になる点] サンタ育成は技術テストかなー [一言] オリジナル魔法を使わない魔女は辛い... それでも面白かった。 主人公は色々忘れるのに,作者さんはそれ…
[良い点] 段々と屈強になって行くサンタさんが個性的でとても良かったです。(NPCにしておくのが勿体ないと思うぐらいでした) [気になる点] サンタさんが最後にフェードアウトする形だったので、ブラック…
[一言] クリスマスイベントお疲れ様でした。とても楽しく読ませてもらいました。
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