残響パーツ
夏の夕焼け道に
繋がる瞬間
現実世界と
繋がる瞬間
蝉の声が
夏に聞こえるほど
暑い日
何処かの花火
重低音
道行く人の片手に
団扇とりんご飴
子供と光る剣
蚊取り線香と
線香の煙
重なっていく
かつてのあの人と
蒸し暑い空気に
シンと冷たい空気が
混ざって 混ざって
私に辿り着いた
「おかえりなさい」
思わず出ていた
夜空の星が
今日は透き通る
今は隣に居る気がしたから
エアコンだけが
一番頑張っている
暑い日
仏壇にあげる線香
多い日
宴の後の寂しさより
一息つける嬉しさ
夏の蚊の通り道
音で繋がる右手
布団の上の
山型タオルケット
少しだけお喋りする
あの人と
賑やかだった空間に
シンとした空間が
混ざって 混ざって
私に辿り着いた
「ねぇ、聞いて」
思わず出ていた
夜空の星が
今日は透き通る
今は隣に居る気がしたから
夜空の雲が好きで
月明かり
流れる姿を見ていた
二人で見ていたかった
あの時
泣いた気持ちは
今は遠く薄く
あなたが居ない事に
慣れていく
でもそれは
きっと
あなたのお蔭
お喋りしてた時間に
シンとした時間が
混ざって 混ざって
私に辿り着いた
「いってらっしゃい」
思わず出ていた
夜空の星が
今日は透き通る
一年に一回
あなたから貰える時間を
楽しんでいくよ