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へなちょこESP倶楽部シリーズ

私は何者なの?~へなちょこESP倶楽部シリーズ~

作者: 鳥越 暁

へなちょこESP倶楽部の星野ひかる。

彼女の過去を少しだけ覗いてみました。

 私は星野ひかる。年は10歳。小学校5年生。牡羊座のB型。

 家族はおばあちゃんとお母さん、そしてピコという愛猫なの。


 お父さんはね。私が小さい時に死んじゃったんだって。お父さんの事は良く覚えてないの。


 最近、私は普通の人じゃないんじゃないかって思うの。

 学校や街を歩いている人を見るとね、オレンジ色の光を出している人や、黒い霧のようなものに包まれている人が見えるの。目が悪いのかなって思ってお母さんと眼医者さんに行ったけれど、視力はいいし、何も問題はないってお医者さんは言ったわ。


 人が変な風に見えるって言っても、お母さんは気のせいって言うの。

 この間、おばあちゃんに言ったら、お母さんと違って

 「そうかい。見えるのかい。したら明るい色をした人はいい人じゃろう。暗い色をした人は悪い人じゃね。ひかるはどこもおかしくはないよ。ただし、この話は他の人にしちゃダメだよ。ばあちゃんはひかるの味方だよ。」

って話を聞いてくれたの。


 おばあちゃんは、おととい死んじゃった。私は悲しくて悲しくて、いっぱい泣いたわ。いっぱい泣いてから、おばあちゃんが一度連れて行ってくれたお店を探してるんだ。


 「確かこの辺だと思うんだけどなあ。」

 って呟いて歩いていると、目の前に暖かい光に包まれたオジサンが立っていた。

 不思議にびっくりしなかったわ。


 「やあ、いらっしゃい。」

 オジサンは私の手を引くとお店に連れて来てくれた。

 【あげは】  ああ、このお店。私がおばあちゃんときたお店だわ。


 オジサンは私に紅茶を出してくれた。

 「これはね。ニルギリって紅茶だよ。ひかるちゃんには、まだちょっと苦いかな?

  苦かったらこのミルクを入れな。」

 私は飲んでみた。

 「美味しい! ミルクはいらないわ。」

 「ふふふ、やっぱり輝さんのお孫さんだね。」

 「覚えてるの? 私の事。一回だけここに来たの。」

 「ああ、覚えているさ。今日、ここに来ることも分かっていたよ。」


 本当かしら? だってお母さんにも言っていないのよ、ここに来るってことは。

 私はちょっと疑ってオジサンを見たわ。

 オジサンはただ微笑んでいたの。ああ、このオジサンは嘘は言ってないわ。



 それから私はお母さんに内緒で良く【あげは】に来るようになったの。

 オジサンは色々な事を教えてくれる。

 その一つが心のスイッチ。私は心のスイッチの点け方や消し方が分からないんだってオジサンは教えてくれた。そのスイッチをきちんと電気みたいに点けたり消したりできるようになりなさいって。


 私は良く分からなかったけど、オジサンの言うように心を落ち着かせて、ニルギリを飲んで、自分の中に、小さな自分が入って行くように考えたわ。

 するとね。分かったの、スイッチが! 電気みたいにパチッとはいかないけどね。


 目を開けると、オジサンの周りの光はなかったわ。光が見えなくなったのは嬉しいけど、ちょっとさみしい気もしたわ、なぜだかわからないけど。

そして、もう一度、私の心に入ってみる。この辺だわ。この辺を触ると。

 もう一度、目を開けて見た。見える。オジサンの暖かい光が。



 オジサンが笑っていた。

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