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水晶物語  作者: 寿々
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第二十四話・別々

それは地獄というには、あまりにも言葉が足りない。


「此処が煉獄凶?」

柊が、息を呑んだ。

死体が山のように積み重ねられている。

ちょっと、引く。

「やだな・・・怖いよ・・」

さっきとは打って変わって、咲がおびえだす。

風が吹き、かたんと死体が揺れたので、咲は喉の奥からひっと

声にならない声を出し、柊にしがみ付いた。

それに驚いた柊は、咲の手を払った。

が、もう一度咲はしがみ付き、

その様子を千代がニヤニヤ見ている。

「じゃぁ・・・頑張ってねっ!」

水が流れるように凛が手を振る。

その瞬間、みんなが別々に別次元へ飛ばされた。


どすっ!

柊はいきなりの事に驚き、尻餅をついた。

そして、その後すぐに目に入ってきたものを見て、驚愕した。

それは口からだらだらとよだれを垂らした、鬼だった。

しかもただの鬼じゃない。

上半身が三つ有り、下半身が一体になっている。

無駄に大きい。柊たちなんて一発でオダブツになりそうだ。

さて、どう対処しようか?

なんてのん気なことを考えている柊の横を、何かがすり抜けた。

「きぃやああぁぁああああーーーーっ!!!!」

咲の髪の毛だった。

「来ないでぇええええーっ!気持ち悪いぃぃっっ!!!」

ずがずがっ!

次に目を開けたときは、鬼は血まみれで死んでいた。

「ふぅっ!あー怖かったぁっっ!」

・・・あんたが一番怖いと思いますけど・・・?

「咲ちゃんすごいねぇっ!見直しちゃった」

そこは見直すところですか?


同刻。

「此処・・・煉獄凶でもまだマシなところだ・・」

煉獄凶は、百の修行場に分けられている。

数字が大きいものほど、レベルが高い。

ちなみに、此処は煉獄凶第六十五番「血雨チサメ」。

「千代がいない。あの子達について行ったのね

「最高は九十一か。だれだろ・・・?」

「あ・・・ほんとだ。感じる。九十一と八十八」

「なぁ、これってもしかして・・・」

煩が耳に手を当てる。

この戦い方、なってない。

我武者羅に、ただ前にあるものをぶっ潰していく。

「もしかして・・・・


同刻。煉獄凶八十八「死魂シコン

すでに戦いは始まっていた。

「ちっ・・凛のやつ。こんな生ぬるいとこに送りやがって・・」

「そうか?此処で十分っ!」

イライラと舌打ちをする斬を湾がナダめる。

「煩たちは六十五か。凛、手加減したんだな」

満が腕を組んでほっと笑う。

大事な部下だ。何かあったら困る。

「そうか・・・。あのボケ女・・・。

あいつらを殺す気なんだろ」

「あいつらって・・・。まさか」

庵が襲ってきた鬼を水で跳ね返す。

「柊とかいう餓鬼だ」



「うふふふっ。みんな・・・がんばってねぇ〜」

当の本人は、片手に点心甘栗

片手にお茶をもって、完全に楽しんでいた。


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