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水晶物語  作者: 寿々
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第二十一話・咲の決意

「煩!神の端くれってどーゆーこと!?」

少々怒り気味の咲が、壁をけっとばして言う。

その音があまりにも大きかったので、煩は両腕を体の前に持ってきた。

軽い拒絶反応だ。

「まぁまぁ、そう怒っても煩が可愛そうだろ?」

「お前は黙ってろ。クソガキ。それとも今此処から蹴りおとされてーか?」

「いえ・・・モウシワケアリマセン・・・」

一瞬で柊を制した。しかも片言にさせるとは。

その恐ろしさに、みんなの体が凍りつく。

「で!どーゆーことなのよ。煩」

おどおどしながら、煩が一歩前に出た。


この五大神になるには、実力が要るんです。

強さはもちろん、その神々の位にあった知識や能力が

絶対に必要なんです。

僕もつい最近知ったんですが、

満様・湾様・凛様・庵様・斬様は昔からの知り合いだそうで。

そしてその知り合いの中に、冥堂もいたらしいんです。

でも、冥堂は五大神の位に付く事は出来なかった。

何億という挑戦者の中で、運命なのか

この五人は受かっちゃったんです。

で、哀れに思った満様や湾様は

冥堂を配下に入れようとしたんですけど

時すでにおそしってやつです。

冥堂は闇の世界に足を踏み入れちゃったんです。

多分腹癒せってやつだと思うんですけど

冥堂は、この世界を滅ぼそうとしてるんです・・・・



「煩。それホント?」

咲の問いに、煩がこくこくと頷く。

うつむいたまま、咲は顔を上げない。

「咲。気に病むな」

「そうよ。咲。どうしたの?」

千代と蔭が咲の傍による。

柊もちょっと心配になった。

でも、これくらいの事で気に病むか?

ってゆーか、俺らが気に病む所なんてないだろ?

「気に病んでなんかないわ」

そう言うと、がばっと顔を上げた。

「何よその理由ーー!腹癒せですってー!?

ふざけんのも対外にしろよあのクソボケーっ!

大体親の教育がなってないっつーの!あんな奴!

あぁあ!今すぐにでも一発ブチかましてやりたいーっっ!」

お前も親の教育なってないんじゃねーの?by一同

咲は其処まで叫び倒すと、空に向かって

「お前なんか頭に電柱柱落っこちてきて死んでしまえーーーーー!!!」

と、ある意味無理な事を叫んだ。


そんな様子を、中から凛が見ていた。

「にぎやかー。ってゆーか咲面白すぎーっ!

頭に電柱柱?あははははっ!無理無理〜」

お腹を抱えてのたうちまくっている。

「おい。大丈夫か?凛」

「あはははは!無理〜もぉ無理〜。きゃはははははっ!

あははは!わ・・・笑い死にしそ・・あはははっ!ひゃははははっ」

もう一度声をかけようと、湾は手を伸ばしたが

やっぱりその手を引っ込めた。

今声をかけると、なんか怖い事が起こりそうだ。


「よっし!決めた!私絶対あの馬鹿倒す!」

みんなが引き気味の中、咲は大空に拳を掲げて

そう、宣言した。


まだ、前奏曲に突入したばかり・・・・・・・





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