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水晶物語  作者: 寿々
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第十九話・見込み

そこまで喋ると、庵は冥堂を睨みつけた。

くすくすと小さな笑い声が冥堂の口から漏れる。

「酷い言い方ですね。僕が悪者みたい」

「嘘ではないだろう」

言葉に怒りが混じっていた。

「元は同類だったのにね」

突然冥堂が発した言葉に、庵は我を忘れて飛び掛りそうになった。

手を前に掲げ、水を発しようとした時。

「庵。止せ」

庵の目の前に湾の腕が現れた。

実態は無いようだが、長い金色の槍が庵を妨げる。

それを手にしているのは、満だった。

傷を負っているくせに、凛も手を伸ばしている。

ただ一人、斬だけが、庵を妨げなかった。

「やりたいやつにはやらせときゃ良いのによぉ」

「斬・・・。黙っとけよ。仲間割れは起こしたくねぇかんな」

湾の張り詰めた言葉に、くくくっと斬は笑った。


「其処までにしたらどうなんだい?」

はっと柊が顔を上げた。

牛車から降りて、冥堂が全身を現した。

黒い羽織で全身が包まれている。

ところどころに裂け目があり、そこから

気味が悪いほど真っ白な手を覗かせている。

「やりたいんなら、僕はいつでも相手するけど?

なんなら今でもいいよ。

全員ぶち殺してあげるから」

くすくすと、笑い声が聞こえた。


「ねぇ、千代。大丈夫・・かな」

下から見上げていた咲が、隣にいた千代の着物の裾を掴んだ。

「五大神じゃから大丈夫だとは思うが・・」

千代が呟いたとたん、麻貴が声を荒げた。

「違うよ!咲ちゃんは、柊くんの事を言ってるんだよ!?」

麻貴の聞いた事の無い大声に

咲も、音魁も、千代も肩をびくりと振るわせた。

「ひ・・・柊は・・・」

柊は・・。


ひゅん、と音がしたかと思うと

柊の喉元には、冥堂の手がかけられていた。

「おもしろいね。君」



「今度あうときは手合わせ願うよ」


そう言うと、牛車に乗り込み、風の如くに消え去った。

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