表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
戦唱魔導録アリアスコード  作者: 音律科学附属高等学校 音装部
第1章 【 愛《カミ》と双星《ツインスター》 】

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

24/28

第22話 【 世界を焼き払う終焉の炎《レーヴァテイン》 】

 爆炎が弾けた。


美佑の拳が、一直線にカインの顔面へ叩き込まれる。


衝撃波。


空気そのものが割れた。


カインの身体が後方へ吹き飛ぶ。


壁を三枚突き破り、コンクリートが崩れ落ちた。


「……やっぱ、魔法より殴るほうが楽だな」


美佑が着地する。


焼けた足跡が床に残る。


足元から炎がじわりと広がった。


「どうせ、立てるんだろ?」


低く吐き捨てる。


煙の向こうで、瓦礫が動く。


次の瞬間――


無数の黒い槍が飛び出した。


「遅ぇ」


美佑は杖を振る。

炎の円環が展開される。


黒槍が触れた瞬間、音もなく蒸発した。


爆音。


轟煙。


空中から、カインが姿を現す。


無傷。


だが、笑ってはいなかった。


「……なるほど」


「強いじゃない、あなた」


美佑は答えない。


踏み込む。

次の瞬間、視界から消えた。


拳撃。


カインの腹部に直撃し、身体が折れる。


そのまま持ち上げる。


拳が、真紅に燃え上がる。


「俺の炎は――」


歯を食いしばる。


「こんなもんじゃねぇッ!!」


叩きつける。


床が爆ぜ、ビル全体が揺れた。


「うおらァ!!」


追撃。


炎を纏った打撃が嵐のように降り注ぐ。


「――終焉(ラグナロク)業火(インフェルノ)ッ!!」


黒い粒子が飛び散る。


空間が焼ける。


巨大な“愛の結晶”が脈動を乱す。


詩織の頬を熱風が打った。

それほどの出力だった。


カインの瞳が細くなる。


「……おもしろぃ」


その瞬間。


無数の黒い腕が地面から噴き出した。


美佑の脚を掴む。


「ッ!」


炎が腕を焼く。


だが、離れない。


むしろ炎を呑み込み、さらに増殖する。


「……アタシの愛はねぇ」


カインが微笑む。


「誰にも切り離せないの」


腕が美佑ごと地面へ叩きつけられた。


「がッ……!」


骨が軋む。


肺から空気が吐き出される。


「ごちそうさま♡」


カインが唇に指を当てる。


「あなたの炎、おいしかったわぁ」


「正に“愛”そのもの」


「あなたも、誰かを愛してたのね」


ヒールの音が近づく。


コツ。


コツ。


「でも」


巨大な“愛の結晶”が脈動した。


その鼓動に合わせ、

美佑の装甲に亀裂が走る。


「あなたの愛は、それまで」


「――あの子と同じ」


パキッ。


翼の一部が崩れる。


炎が揺らぐ。


「そういえば」


カインが首を傾げる。


「あなた、あの子に似てるわねぇ」


調律者(チューナー)のところの……」


「ああ、そうそう。レイちゃん」


美佑の瞳が細くなる。


「……おい」


「レイちゃんも可哀そうよねぇ」


「だってあんな姿にされちゃって」


「おいッ!!」


美佑が叫ぶ。


「お前……姉貴のこと、知ってるのか?」


「調律者の居場所、知ってるのか?」


カインがしゃがみ込む。


楽しそうに。


「知ってるもなにも」


「アタシたちの仲間だしぃ」


「レイちゃんをあの姿にする計画、アタシも賛成したんだけど?」


美佑の身体が震える。


「……なぁに?」


「恐怖で震えてるの?」


そのとき。


消えかけていた炎が、


再び灯る。


ゆっくりと。


だが確実に。


「……違ぇよ」


低い声。


「これは恐怖じゃねぇ」


美佑が立ち上がる。


炎が、さっきより深い色に変わる。


赤ではない。


黒に近い紅。


「怒りだ」


拳を握る。


炎が凝縮する。


空間が歪む。


「オメェは」


一歩踏み込む。


「俺を怒らせた」


拳が閃く。


一撃。


カインの腹部が沈む。


二撃。


顔面が歪む。


三撃。


再び腹部へ叩き込む。


衝撃が連鎖する。


その瞬間。


炎が爆発的に膨張した。


美佑の背後に、


巨大な炎の刃の輪郭が現れる。


それはまるで、

神話の剣。


世界を焼き払う終末の炎。


「――レーヴァテイン」


業火(インフェルノ)は、


進化した。


世界を焼き払う炎へと。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ