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戦唱魔導録アリアスコード  作者: 音律科学附属高等学校 音装部
第1章 【 愛《カミ》と双星《ツインスター》 】

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第15話 【 アイ愛哀して 】

 詩織が美空と出会った同時刻。


 オルフェウス機関――


 「はぁーあ、賛歌者(ヒュムノス)ちゃんのせいで実験体が減っちゃったじゃないのぉ」


 ネイルをしながら、そう話す男。


 鎮魂者(レクイエム)――それが彼の地位だ。


 役割は、実働部隊の統率とそれを処理することだ。


 「うるさいカマ野郎。だいたいあんたが寄こしてきたあの布切れ、何なのよ」


 「あれかい?あれはぁ、指揮者(コンダクター)ちゃんから渡されたものだから私もよく知らないわよぉ」


 いちいち癪に障る話し方だ。

 イライラする。


 「それよりぃ、見てみてこれ」


 鎮魂者が作り出したキューブ型の投影機。


 そこには、詩織と美空の姿が映っていた。


 「ねぇ、この子使えると思わない?」


 鎮魂者は、詩織を指さしながらそう言った。


 「馬鹿か、あんたは。そいつが件の『聖人殺し』だよ」


 「あらっ!そうなのぉ?かわいい顔して、恐ろしい子ねぇ。じゃあ……」


 そういいながら、美空の方に指を移す。


 「この子はどうかしら」


 「……どうかしらって言われてもねぇ」


 正直、どうでもいい。

 私は、我が主が復活できれば、それでいいのだ。


 「あらあら、このピンク髪の子。いい「愛」をお持ちで」


 「愛?」


 「そう、愛よ愛」


 投影機を覗くと、美空が詩織に「一緒に住まないか」と言い寄っている場面だった。


 「この子、『聖人殺し』ちゃんに「とてつもない愛」を感じるわぁ」


 何言ってるんだこいつ。


 「愛、いいわよねぇ。」


 「愛」


 「愛」

 

 「あい、あい、あいあいあいあいあいあいあい哀哀哀哀哀哀哀哀哀!!」


 「哀ぃぃぃぃぃぃぃ!!」


 鎮魂者が、そう叫びながら勢いよく立ち上がる。


 「……あぁ、この子たちの「愛」を「哀」に変えてあげたい」


 「そしてあわよくばその「哀」でワタシを……ワタシをぉぉぉぉぉぉ!」


 「うるさい!!」


 鎮魂者の頭を叩く。


 本当に腹が立つ。


 何が愛だ。


 お前の愛は愛じゃない。


 お前の愛は、歪んでいる。


 「……あぁ、そうだ。指揮者からの神託(てがみ)よ」


 落ち着きを取り戻した鎮魂者が、静かに言う。


 「神託?」


 「えぇ、「ヨハネよ、先刻の働き見事であった。微量ではあるが、復活に近づいている」ですって」


 「よかったじゃない」


 そうか


 微量……か。


 あれだけやって、微量か。


 いや、邪魔が入ったから微量だったのだ。

 

 そうだ


 邪魔が入らなければ


 あいつが


 『聖人殺し』がいなければ


 いなければ――


 「ねぇ、鎮魂者。その話、乗ったわ」


 「あら、珍しい。熱でもあるの?」


 「違うわ」

 

 私はヨハネ。


 我が主を――神を愛し、愛される者。


 「私の愛を邪魔するものは、全て壊す」


 「それだけよ」

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