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【BL男子の日常】出会った男たちが嘘つきすぎて、洗脳事件とヤクザ抗争に巻き込まれて恋愛どころじゃない件  作者: 須戸コウ
第16章 推理と調査

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第83話 確執

しばらくして、リビングが賑やかになった。

ジペットやゼロ、デジデジ、それから俺の家族がぞろぞろと帰ってくる。


それぞれの調査結果を報告し合いたいところだが、まずは夕飯だ。


母ちゃんの号令で、全員がテーブルにつく。


「今日はなんだかおかずがいっぱいね! 豪華じゃなぁ~い」


「うほぉ……! 旨そうだ。母ちゃん、おかわり!」


「お父さん、食べる前におかわりしないの」


「早く食べようよ! 俺お腹ペコペコ!」


弟の颯真ふうまが騒ぐ。母ちゃんが時計を見る。


「ちょっと待って。一真ももうすぐ来るから……。あっ、来たわ」


リビングの扉が開いて、五十嵐一真いがらしかずま――兄貴が入ってくる。


「うほ……。なんかまた人が増え……」


「一真兄ちゃん遅いよ! こちらジペットさんとゼロさんだって!」


颯真が元気に紹介した瞬間。


ジペットが、でかい声で言った。


「おぉ!一真だな!こいつは問題発言が多いから気を付けないといけないんだ!」


「……お前はどっちだ!?」

挿絵(By みてみん)

兄貴の視線が、ゼロを捉えた途端に鋭くなる。

眉間に深い皺が寄って、ずかずかと詰め寄った。


「兄貴……?」


俺が声をかけても、兄貴はゼロから目を逸らさない。


ゼロは静かに息を吐いて、ほんの少しだけ寂しそうに笑った。


「そっか……まだ仲直りできてないんだね」


「答えろ!!」


兄貴の喉が震える。

でも次の瞬間、兄貴の顔から怒りが抜けた。


「……まぁ……アイツが……そんなふざけた格好……するわけないか……」


落胆したように呟いて、兄貴は席につく。


「ちょっ、一真兄ちゃん!! 急になんなのその態度!? ゼロさんに謝ってよ!」


颯真が食ってかかる。


「ゼロ??」


「そうだよ! 須戸ゼロさん! なんで急にそんな冷たい態度取るの??」


ゼロは首を振った。


「颯真くん、僕は大丈夫だよ。ありがとう」


「でも……! 一真兄ちゃん!!」


父ちゃんがテーブルを軽く叩いた。


「おい一真。颯真の言う通りだぞ! ちゃんと謝れ! それができないならお前は飯食うな!!」


母ちゃんも続く。


「そうよ一真。事情があるのかもしれないけど、こんなところでそんな態度取るもんじゃないわ。あなたならわかるでしょ?」


その空気を、ゼロがやわらかく割った。


「みんな、大丈夫だよ。せっかくのご飯が冷めちゃう。早く食べよう?」


兄貴が、少しだけ目を伏せて――短く言った。


「……悪かった」


その一言に、ゼロの目が見開かれる。


「……!! うん! 早く食べよう!」


母ちゃんがため息をついて、手を合わせた。


「まったく。たまに子供みたいにぶっきら棒になるんだから。誰に似たのかしら??」


そして母ちゃんはゼロへ頭を下げる。


「ごめんなさいね、ゼロさん。さぁ食べましょう。いただきます!」


「いただきます!」


全員の声が重なる。


「旨いんだな! 燈真は天才だ!!」


ジペットが最初に叫んだ。


「今日はししゃも。も一緒に作ったんだ」


俺が言うと、颯真が目を輝かせる。


「そうなの!? ししゃも。、料理できるんだな!」


ししゃも。が胸を張った。


「ししゃも。、才色兼備だから料理もできちゃうの!」


母ちゃんが嬉しそうに笑う。


「あらぁ~デジデジくんと一緒に、うちの子になってほしいわ。これでうちは大家族ね!」


「もうママさんったらぁ~☆」


ししゃも。がノリよく返しながら、俺はデジデジにだけ小声で聞いた。


「……デジデジ、味大丈夫そうか?」


「え?」


一瞬だけ固まって、次の瞬間にいつもの笑顔を作る。


「……あっ、大丈夫! すごくおいしいよ!」


その言葉に、少しだけ安心する。


「……そうか。ならよかった!」


でも、どこか浮かない顔をしているデジデジへの心配を、完全に消すことはできなかった。




挿絵(By みてみん)

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