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【BL男子の日常】出会った男たちが嘘つきすぎて、洗脳事件とヤクザ抗争に巻き込まれて恋愛どころじゃない件  作者: 須戸コウ
第1章 嵐のような出会い

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第7話 お礼、言わないから

挿絵(By みてみん)

「・・・なんで?」


「ん?」


「・・・なんで助けたの?」


「なんでって・・・さすがにあれは酷すぎるだろう! あんなの見たら誰だって助けるだろう普通! なんなんだアイツら? お前またなんかしたのか??」


「またって何!? ししゃも。は何もしてない!!」


「あぁそうか・・・。つーかお前、名前はししゃもでいいのか?」


「・・・うん。『ししゃも。』。最後は『。』が付くのがチャームポイント」


「『ししゃも。』か。いい名前だな」


「そうでしょ? ししゃも。は顔も名前も性格も宇宙一かわいいの♡」


「はぁ? お前別に名前以外はかわいくねぇぞ??」


「はぁ!? 殺すぞガキぃ!!!!!」


「お前、一々リアクションがうるせぇんだよ! さっさとあいつらのこと教えろよ!!」


「はぁもう無理!! ししゃも。が世界一かわいいってことをぽ前が認めるまでししゃも。なんにも話さないから!! だいたい……」



話が進まないので少し時間を飛ばそう。



どうにかこうにか少年をなだめすかした俺は、ようやく事情を聞き出すことに成功した。



「で、あいつらは誰なんだ?」


「ししゃも。もよくわからない。たぶん暴力団的ななにかだとは思う。ししゃも。のペンダントを狙ってるみたい」


「暴力団って・・・。ペンダントはさっきなくしたって言ってたやつか?」


「そう」


「悪ぃけど、俺ほんとにお前のペンダントは持ってないぞ?」


「・・・うん。もうわかってる」


「そうか」


「で、なんであいつらはそのペンダントなんて狙ってんだ?」


「・・・それは言えない」


「・・・そうか」


「・・・でも、普通のペンダントじゃないとだけ言っておく」


「そうなのか・・・。(なんかめちゃくちゃ高いやつとかなのか??)」

俺は少し考え込む。



「・・・お前、これからどうするんだ?」


「ペンダントを探す」


「探すって・・・もしかして今からか!?」


「そう。早く探さないと・・・」


「今からは厳しくねぇか? もうすぐ暗くなるし、そのケガで動き回るのも厳しいだろう!?」


「だから暗くなる前に探したいの! ケガももう痛くないから平気!!」


「痛くないだけでケガは直ってねぇんだよ! 動き回ったら悪化するぞ!!」


「あぁもううるさい!! ぽ前には関係ないでしょ!?」


「まぁ関係はねぇけどよ・・・」


「・・・」



「・・・あのペンダントは、ししゃも。にとっても大切なものなの。だから早く見つけたいの・・・」


「・・・お前」



少年の切実な表情を見て、俺は腹をくくった。



「よしっわかった! 俺も一緒に探してやる!!」


「え!? なんで!?」


「実は俺もよ・・・いま探し物、ていうか人探ししててよ。だから早く見つけたいってお前の気持ちはよくわかるんだ」


「だからさっさと見つけちまおう!!」



俺はバッとベンチから立ち上がると、ししゃも。の前に背を向けてしゃがみ込む。



「なに!?」


「乗れよ。おんぶしてってやる! お前その足で動き回ったらあぶねぇから!」


「いや、いい!」


「遠慮するなよ。俺のこと心配してんのか? だったら大丈夫だ! 俺、力持ちだからな!」


「そういう話じゃない! 恥ずいしぽ前速すぎて怖えぇんだよ!!」


「さっきは急いでたからな。今度はさっきみたいにスピード出せねぇから安心しろ、な!」


「いや恥ずい問題は解決してないんだが!?」


「そんなもんすぐ慣れる! おら乗れ!!」



俺は半ば強引にししゃも。の手を取って自分の首に回させると、腰をもちあげて背負いあげる。



「ちょっとぉおお!!!!」


「耳元でうるせぇんだよ! ほら行くぞ」


「はぁ・・・はっず・・・」


「すぐ慣れる」



先ほど俺が伝えていた通り、俺は走ることなくゆっくりとしたスピードで歩いていく。


挿絵(By みてみん)


「・・・お礼、言わないから」


「そうかよ。別にそれでいいよ。お前にお礼言われたくてやってんじゃねぇからな」


「・・・」


(なんだっけこの感じ・・・)


(あぁ、そうか。昔しゃもパパにこうやっておんぶしてもらってたんだ。)




挿絵(By みてみん)

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