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【BL男子の日常】出会った男たちが嘘つきすぎて、洗脳事件とヤクザ抗争に巻き込まれて恋愛どころじゃない件  作者: 須戸コウ
第13章 リトライ

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第66話 ししゃも。の嘘

「おい!そろそろシャキッとするんだな!お前には聞きたいことがたくさんあるんだ!」


「ジペット貸して。」


ししゃも。の肩を揺さぶるジペットにゼロが割って入る。

ゼロはソファーの前にしゃがみ込むと、躊躇なく右手を構えた。


パンパンパンっ!!!


ゼロによる往復ビンタ。乾いた音が連続して部屋に響く。

ししゃも。の首が左右に揺れ、目の焦点が戻りかける。


「・・・・はっ!!」


「やっと戻った!?」


パンパンパンパンパンっ!!!


「痛いっ!ししゃも。、なんでずっと殴られ続けてるの!?」


「自分の胸に手を当てて考えてみて。」


「え!?ししゃも。・・・わかんなぁーい!ここはどこ?ししゃも。は誰??」


パンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンっ!!!


「痛い痛い痛いっ!やめて!!!わかったから!!!ししゃも。はししゃも。!!!痛いっ!!!」


乾いた音が何度も続き、ししゃも。の声は次第に情けない悲鳴に変わっていく。


「ねぇ!!どうしたらこれ止まるの!!?ししゃも。の顔、このままだと腫れてア○パンマンみたいになっちゃうぅ!!!!!」


「元からちょっと似てるよ。」


パンパンパンっ!!!


「痛いっ!!!!!!!!死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」


「ねぇ、何か言わなきゃいけないことあるんじゃないの??」


「痛い痛い痛いっ!!わかったっ...!!ごめんっ・・・ごめんなさいっ!!!ししゃも。が悪かったですぅっ・・・っ!!!!!!」


ようやくビンタが止まる。

ししゃも。は息を切らし、涙目でぼうっとゼロを見上げた。


「ホントにわかってるの?」


「うん・・・」


パンッ!!


「もうしない?」


「もうしません。」


パンッ!!


「わかった・・・。じゃあ最後にもう一回みんなにちゃんと謝って。」


「ごめ゛ん゛なざい゛。しし゛ゃも゛。が悪かったです゛ぅっ!!」


パンッパンッ!!!・・・パンッ!!


「ふぅ・・・これくらいにしておくか。」


……やっと終わったのか。


パンっ!!!!


ゼロの手が、もう一度だけ容赦なく振り抜かれた。


締めくくりの音を聞いたあと、俺は腹を括ってししゃも。に問いただす。


「で、なんでししゃも。は銃なんか構えてたんだ!ちゃんと説明してくれ!!!」


「そこの・・・イケてる兄ちゃんが俺のことしゅ・・・しゅきって言うのもだっ!!!」


ふと、視線の先にいる男と目が合った。

黒崎風路......イケてる兄ちゃんだ。


「・・・!///」


風路は恥ずかしそうに視線を逸らした。


「んぐっ・・・!///」


それを見た俺も、恥ずかしさで俯いてしまい、なぜかもじもじしてしまう。


「色恋沙汰の話は後にして、とりあえず今起こったことをありのまま話すぜ!」


ジペットが大げさに咳払いをして、仕切り直す。


「おやっさんや燈真たちとの連絡を絶った後の話だ。――俺たちは風路から衝撃の事実を聞くことになった。」


「衝撃の事実?」


「ぁぁ。」


俺はジペットの真剣な表情に身構えて、背筋を伸ばす。

そしてジペットは、こちらをまっすぐ見て言い放った。


「燈真、お前たちが昨日から探していたししゃも。のペンダントは、ししゃも。のものじゃなかったんだ。」


「え!?」


ししゃも。のものじゃない?

それに、どうして急にペンダントの話になるんだ?そう思ったのもつかの間......


「違う!!あれはししゃも。のものだ!!!!!!」


ししゃも。が焦ったように声を荒らげる。でもその声はやけに力強く、まっすぐな信念のようなものが宿ったようにも感じられる。


「おっと、そうだな。御幣があった。あれはもともとはししゃも。やししゃも。の両親のものかもしれない。でも、ここ最近までそれはししゃも。の手元にはなく、ここ『七代目黒崎組』に保管されていたんだ。」


ジペットはししゃも。の想いを尊重するように言葉を選び直し、続ける。


「それを一昨日の夜、ししゃも。が忍び込んで盗み出した。」


「お前、盗んだのか?」


「人聞きの悪いこと言わないで!!!あれはししゃも。のだって言ってるでしょ!?盗んだのはししゃも。じゃなくてコイツらの方!ししゃも。はただ盗まれたものを取り返しただけ!!」


「・・・・・・」


風路は何も言わず黙り込んでいる。

その沈黙が、やけに重い。


「そうか・・・。変な言い方して悪かったな。ごめんな。」


必死に声を張り上げて主張するししゃも。の姿を見て、ひどく傷つけてしまったように感じて、素直に謝る。


「・・・別に。」


ししゃも。の声のトーンが数段階落ちる。ししゃも。もヒートアップしていたことを反省しているのかもしれない。


「つーかお前、苦労してせっかく取り返したのに無くしちまったのかよ・・・。」


少し気まずくなって、適当な言葉を投げかける。


「・・・・・・。」


でもししゃも。から言葉は返ってこなかった。


「・・・燈真くん。こんなこと言いたくないけど・・・」


ゼロが静かに口を開く。


「え?」


「ししゃも。はたぶん、ペンダントをなくしたりなんかしてない。

たぶん今も持ってるんじゃないかな?

ししゃも。、ちょっと調べさせてもらうよ。」


「・・・」


ししゃも。はなにも言わず、抵抗もせず、ただポケットの中を調べられる。


「・・・やっぱりあった。風路くん、ペンダントはこれであってるよね?」


「あぁ。それで間違いない。」


ししゃも。がついた『嘘』が明るみになっていく。


挿絵(By みてみん)

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