第61話 同盟
「...僕は他人の記憶を読み取ることができるんです。」
「へ?」
突拍子もない話をされて気の抜けた声が出る。
「...信じられないですよね。...じゃあこうしましょう。...今から燈真先輩が最後に一人でしたときのことをお話します。」
「はぁ!?いっいきなりなに言ってるんだっ!?」
「...最後にしたのは、ししゃも。くんが泊まった日ですね。...燈真先輩はお風呂に入っていました。」
「な!?」
「ボディーソープを手のひらにワンプッシュ。...そのときにはもう燈真せんっ」
「わぁああああ!!!それ以上言うな!!」
間違いない!こいつの力は本物だ!!
「...いいんですか?燈真先輩は見られるのが好きなんだと思ってました。」
「面と向かってそんなこと言われるのは恥ずいんだよ!!あっあとっ!べっ...別に見られ好きとかじゃねぇし...//」
「...そうなんですか?...まぁ信じてもらえたならいいです。...話を戻しましょう。」
「...お、おう。」
コイツはほんとに、なにを考えてるかわからない。
「...僕のこの力にはもう一つ使い方があって、他人に記憶を書き込むことができるんです。」
「マジかよ!そんなことまでできるのか!?」
「…はい。燈真先輩があの未来のことを思い出したのも、僕が書き込んだからです。...さっきビデオ通話しましたよね?あのときです。」
そうだ。俺があの未来のことを思い出したのはGと話していたときだ。
思い出してみると、俺の中に記憶が重複している部分がある。
黒崎組事務所に向かう前に、俺の家で作戦会議を始めてから出発するまでの記憶だ。
俺はみんなと変わらない会話を2回繰り返している。
状況に変化があったのは、一人になりたいと言ったししゃも。を呼びに行った後だ。
俺が最初に経験した記憶だと、俺とししゃも。は二人でみんながいる部屋に戻っている。そこで公安の応援が来るのを待っていた。
今回はししゃも。と戻る途中にGからの電話があった。そこから状況が変わってきている。
Gが言っていることとは辻褄があう。
「なるほどな。理解したぞ。」
「...信じてくれるんですか?」
100%全部飲み込めているわけじゃない。
それでもコイツからは俺を騙そうとするような悪意は感じたことがない。
…たまに俺をからかってる気がするけど。
それでも俺は、コイツを信じたい。
「あぁ。信じる。」
心からの言葉だ。
「...ありがとうございます、燈真先輩。...先輩ならそう言ってくれるって信じてました。」
「よっ、よせやい...//」
なんだか照れ臭い。
「...燈真先輩。...ここからは本気の作戦会議です。...一緒に未来を変えましょう。」
俺は緩んだ頬を引き締める。
「おう!!」




