第44話 悩み相談
「あはは! わかった……! わかったから、そこどいて?」
デジデジが少し困ったように俺をいさめようとしてくる。
「本当にわかったんだな?? 俺は男だから……っ、一緒にいたらお前のこと、これからどんどん好きになる可能性があるんだからな……!
お前もちゃんとっ……俺のこと、好きかどうか考えながら俺と一緒にいるんだっ……! わかったな!?」
半分脅しみたいになっちまったけど、それぐらい言わないと、こいつは全然気にしなさそうだ。
「わかったわかった! わかったから……!」
「よし……!」
俺はデジデジの上から退いた。
「はぁ……びっくりした。」
デジデジが大きく息を吐く。その頬は、さっきより少し赤い。
……ちょっとは、効いたと思いたい。
「ところでよぉ、お前なんか悩みとかあんのか?」
ふと思い出して、本題を切り出す。
「え? 急だね??」
「べっ、別に急じゃねぇし! いいだろう!?」
事実、俺はもともとこの話がしたかった。なのにデジデジが「友だちは恋愛対象にならない」とか寂しいこと言いだすからずいぶん遠回りしてしまった。
「悩みかぁ……。特にないかなぁ。」
「え?? ないのか!??」
あっさりすぎる。
「うーん……まぁ人並みに悩んだりすることはあるけど。人に話すようなことでもないしなぁって感じかな?」
「人に話すような内容じゃなくてもいいからよ! なんかあるなら聞かせてくれよ!! な!?」
俺はデジデジのことをもっと知りたい。
「うーん……そうだなぁ……」
「うん!」
「うーん……」
「うんうん!」
しばらく唸ったあと、デジデジはこっちを見て...
「燈真君はなにか悩みとかあるの?」
「俺に振るのかよ!」
思わず即ツッコミが出る。
「いや~すぐにぱって出てくるのないから、燈真くんの話も聞きたいなぁって。もしかしたらそのとっかかりでなにか思いつくかもしれないし。」
「そうか……。俺の悩みかぁ……」
「なにかある?」
言うかどうか迷う。でも、でもデジデジの話も聞けるなら...
「んー。実は俺の友だちが急にいなくなっちまってよ。それでさっきまでずっと不安だったんだけど、色々あって、もう少しで再会できそうな感じがあるから、ちょっと楽になったところだ。」
「それは不安だよね。でも再会できそうならよかったね。」
「おう! ……でもその代わり、別の悩みが出てきちまって……」
「別の悩み?」
「あぁ……。んー……なんていったらいいのか……」
言葉を選んでいるうちに、胸の奥の重さが、はっきり形を持ち始める。
「言える範囲で言ってもらえれば。」
「そうだなぁ……。もしかしたら、母ちゃんと父ちゃん……がさ、いなくなっちまうかもしれなくてよ……。」
「いなくなる?」
「うん……。あんま詳しくは言えねぇんだけど、あと1か月もしない間にお別れしなくちゃいけねぇかもしれなくて。
それで俺、俺がしてやれることはなんでもしてやりたいと思ってるんだけど、どうしたらいいかわからなくてよ……。」
デジデジは、少しだけ真剣な顔になる。
「なるほどなぁ……。」
「なぁ? もしお前だったらなにしてもらったらうれしい?? どうしたらいいと思う??」
助けを求めるみたいに、問いかけた。




