第41話 お前らなにやってるんだ?
ガチャ。
「悪ぃ……ちょっと話こんじまって遅くなっ……お前ら何やってるんだ?」
思わず部屋の入口で固まる。
デジデジが、ものすごくぎこちないフォームでスクワットしている。腕をぷるぷるさせながら、顔は真っ赤だ。
「いやっ……えっと~……日課の筋トレだよ! 僕、筋トレが趣味なんだよね。」
「へぇ! そうだったのか! 初めて知ったぞ。」
状況への違和感はあった。でもデジデジの大人しそうなイメージとは異なる意外な趣味の話に関心して、疑念は上書きされた。
「で……お前は何やってるんだ?」
視線を横にずらすと、ししゃも。が床でひっくり返っていた。
「はぁ!?……見てわかんないのぉ!?」
仰向けで膝を抱えてケツを突き出している...。これはいわゆる「正常位」ってやつか......?いや、ひっくり返った死にかけのカナブン??
「うん……さっぱりわからねぇ。」
正直に答える。
「これは……えっとぉ~……あっそう! 日課のでんぐり返し! やっぱり一日一回は回らないとねぇ~!!」
「……そうか。」
特に言えることは俺にはない。
「なんか言えよ!!!」
「……何か言って欲しいのか??」
「……やっぱりいい。」
拗ねたように頬をふくらませて、ししゃも。は大の字にごろんと広がった。
そんな空気の中、ジペットがぱんっと手を叩く。
「さてと、俺とゼロはそろそろ『七代目黒崎組』の事務所に行ってくるぜ。」
「そうだね。3人はここで待っててね。」
ゼロも軽い調子で続ける。
「ほんとに二人で大丈夫か?」
つい、口を挟まずにはいられない。
「大丈夫だ! 心配すんな! 大人しく3人でゲームでもして待ってろ。」
ジペットは相変わらずの調子だ。
「ジペット君とゼロ君は『七代目黒崎組』の人と面識があるって言ってたけど、連絡先とかも知ってるの?」
デジデジが、冷静な声で問いかける。
「しってるよー。」
ゼロがひらひらとスマホを振る。
「じゃあ……とりあえず電話すればよくないかな?」
その一言に――
「…………」
ジペットとゼロが、同時に固まった。
「さすがだな、デジデジ! その手があったか!」
胸を張って言うジペットの顔は満面の笑みで、素直にそのアイディアに関心しているように見える。
「なぁ、お前らホントに大丈夫か??」
さすがに俺も少し心配になる。
「だっ大丈夫だよ~っ」
ゼロが乾いた笑いを浮かべる。
「どう見たってポンコツだろ……」
ししゃも。が小声で毒づいた。




