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【BL男子の日常】出会った男たちが嘘つきすぎて、洗脳事件とヤクザ抗争に巻き込まれて恋愛どころじゃない件  作者: 須戸コウ
第7章 うごめく闇

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第35話 状況整理


「もう少し正確に言うなら、真世教団の息のかかった暴力団組織である『松川会』の関与が疑われている。」


ジペットの言葉に、部屋の空気がさらに重くなった。


「・・・・・・。」


デジデジも表情を引き締める。


「松川会??」


俺が反射的に聞き返すと、ゼロが落ち着いた声で説明を始めた。


「団員数推定4,800人の大規模な組織だよ。真世教団にとって都合の悪い団体や、真世教団との間にトラブルがあった人たちが被害を受けた過去の暴行事件を調べると、松川会の犯行関与が認められるものが多々あったんだ。」


「そして、『松川会』の現組長、松川剛一郎まつかわこういちろう氏が真世教団の幹部と旧友で、定期的に連絡を取り合っている形跡も見つかった。」


ジペットが続ける。


「だから、俺たち公安はこう睨んでいる。『真世教団が表立ってできない裏処理の部分を松川会が実行している』ってな。」


「なるほど・・・」


ようやく繋がりが見えてきた気がした。


「じゃあ、昨日しゃも。のことを追い回してきたのも松川会の奴らってこと?」


ししゃも。が、不安を押し殺すように問う。


「いや、それがちょっと妙でな。」


ジペットが首をひねる。


「妙?」


デジデジが問い返す。


「うん。さっき話聞いたときに、ししゃも。のことを追いかけてきた男の人たちは黒服を着てたった言ってたでしょう?」


「うん。全員似たようなスーツ着てた。」


ししゃも。が頷く。


「それが、『松川会』の団員の特徴と一致しないんだ。『松川会』の連中は団全体に統一した服装のようなものはなくて、各々自由な服装をしているんだよ。」


ゼロが顎を指で触りながら言う。


「団全体で黒服を来てピシって決めてるところでいうと、『七代目黒崎組』の団員の特徴に一致する。」


「じゃあ、ししゃも。を狙ってきたのはその『七代目黒崎組』ってことか?」


聞きなれない団体名のオンパレードで思考が遠のきながら、状況を整理する。

俺が眉をひそめると、ゼロは少し考え込むような表情をした。


「うーん、その可能性はもちろんあるんだけど・・・」


「なに?その煮え切らない感じ?」


ししゃも。が顔をしかめる。


「『七代目黒崎組』は暴力団なことには間違いないんだが、割と俺たち公安と協力関係にあるんだ。」


ジペットが言った「協力」という言葉に、デジデジが首をかしげる。


「協力?」


「あぁ。暴力団ってのは反社会的集団ではあるが、ある観点でいえば治安維持の役割も果たしていた。新しい反グレ組織の形成抑止や、海外犯罪組織が蔓延るのを防いだりな。」


ジペットが腕を組みながら説明する。


「いわゆる『必要悪』ってやつだね。現代においてはそこまで治安維持に役立っているかって言われたら微妙なラインではあるけど。」


ゼロが補足する。


「まぁ俺たちとしても、新しく発生した実態のわからない犯罪組織を捜査するより、すでに手の内がわかってる暴力団を監視・抑止している方が楽だし、結果として重大な犯罪を防止できると考えてきたんだ。」


ジペットが肩をすくめた。


「だから、刑事の組織犯罪対策課や俺たち公安から暴力団に対してスパイを忍ばせたり、暴力団内に協力者を用意して状況を逐一把握できる情報網を引いてきた。」


ゼロの口調は、さきほどよりも少しだけ硬い。


「とりわけ『七代目黒崎組』とはその協力関係が密でね。反社会的組織全体の情報提供に一役かってもらってたんだよ。」


「そうだ。あいつらと密に関わってきた俺たちからすると、奴らはテロや自己利益のための犯罪をするような組織ではないんだ。」


ジペットがきっぱりと言い切る。


「どちらかと言えば新興犯罪組織の粛清や激化した別暴力団組織の抑圧に動いていることが多いね。」


ゼロも頷いた。


「つまりどういうことだ?」


頭の中を整理しきれず、俺は正直にそう問い返す。


「暴力団の中では温厚な方と言える『七代目黒崎組』が、ただの中坊であるししゃも。を追いかけ回すほどの何か事情があるか。もしくは『七代目黒崎組』の犯行を装った別の暴力団による犯行の可能性があるってわけだ。」


「あぁもう訳わかめ!!!急に宗教とか暴力団とか松坂牛とか色々出てき過ぎて意味わかんなーーーい!!!!」


ししゃも。が頭を抱える。


「とりあえず、ししゃも。を追いかけまわしていた連中が「七代目黒崎組」かどうかから調べよう。」


ゼロが落ち着いた声で結論を出した。


「よっしゃ!じゃあちょっくら俺とゼロで『七代目黒崎組』の事務所に乗り込んでくるぜ!お前ら三人はここでおとなしく待ってろ。」


ジペットが勢いよく立ち上がる。


「乗り込むって!?お前ら二人だけで大丈夫なのかよ!?」


俺は思わず立ち上がりかけた。


「大丈夫だよー。」


ゼロはいつもの調子でひらひらと手を振る。


「さっきも言っただろ?『七代目黒崎組』は割と融通が利く奴らだ。俺たちも多少面識があるしな。」


「そうか・・・。お前らが大丈夫だって言うなら・・・」


それでも不安は残るが、二人の様子を見る限り止めることもできない。


「燈真は優しいな!!!俺はお前のそういうところが好きだぜ。」


ジペットはそう言って、俺の頭をクシャクシャと撫でてきた。


「やっやめりょっ・・・!俺っ、頭撫でられたら気持ちよくなっちまうんだ・・・っ///」


本当はやめてほしくない。


「ははっ!お前は面白いやつだな!!」


ジペットは楽しそうに笑った。


挿絵(By みてみん)

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