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【BL男子の日常】出会った男たちが嘘つきすぎて、洗脳事件とヤクザ抗争に巻き込まれて恋愛どころじゃない件  作者: 須戸コウ
第7章 うごめく闇

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第30話 事件

挿絵(By みてみん)

「ふぅ・・・。いいお湯だったぜ!!」


タオルを肩にかけたまま部屋に戻ると、布団の上でししゃも。が仰向けに寝ていた。


「おかえー・・・」


半分まぶたが落ちてる。


「お前、もう眠いんだろ?」


「ちょっと・・・」


絶対「ちょっと」じゃない。もう相当眠そうだ。


「もう寝たらどうだ?俺が店からの連絡待ってるからよ。」


「さすがにそれは悪いよ・・・」


そう言いながらも、声にあんまり力がない。


「でも、明日朝早くから探したいんだろ?だったら早めに寝た方がいいんじゃねぇか?」


「・・・・・・」


返事が途切れたので覗き込む。


「ししゃも。?」


「・・・ぐがぁああああ!!!」


「寝たのかよ!・・・つーかいびきうるせ!!」


あっという間に爆睡。


(・・・でもよかった。コウの手がかりが見つかって。もしかしたらししゃも。たちと出会ったのも何かの運命だったのかもな。)


さっきまでの高揚感が少し落ち着いたら、一気に瞼が重くなる。


「やべぇ・・・俺も眠くなってきた・・・。」


布団に身体を沈め、スマホだけ枕元に置いた。


・・・・・・


(・・・あ、23時過ぎてる。一回店に電話してみっか・・・)


時計を確認してから、ベッドの上で半身を起こし、店の電話番号にかける。しばらくコール音が鳴ったあと、無機質な自動音声が流れた。


「『お電話ありがとうございます。本日の営業は終了致しました。恐れ入りますが、おかけ直し下さいますようお願い申し上げます。』」


「・・・こっちから電話できねぇじゃねぇかよ!!」


やり場のない苛立ちをスマホにぶつけてため息を吐く。


「・・・ダメだ。眠ぃ・・・。電話来たら起きられるかな・・・」


スマホを握ったまま、ぼんやり天井を見つめ――


「・・・ぐがぁあああああ!!!!」


そのまま意識が落ちた。



・・・・・



翌朝。

窓のカーテンの隙間から、ちょっとだけ強めの朝日が差し込んでくる。


「ん~・・・・ん?」


寝返りを打ったところで、ぼそっとした声が聞こえた。


「やっと起きた。」


布団の横で体育座りしていたししゃも。が、じとっとした目で俺を見ている。


「やべぇ俺、寝ちまってたのか・・・。電話は!?・・・・なんだ来てねぇじゃねぇかよ。」


慌ててスマホを確認するが、不在着信の通知は一件もない。


「あのハゲ電話するっつったのにしてこなかったの!?」


「んあぁ。そうみたいだ・・・。電話来てねぇし、昨日の夜電話してもつながらねぇし・・・。」


「最低!口コミに星1レビューしてやる!!」


「・・・ほどほどにな。」


冗談とも本気ともつかない声で文句を言うししゃも。を横目に、俺は大きく伸びをする。


「・・・飯食ったら店行ってみるか。」


「うん。」


そうして俺たちはリビングに向かい、家族と一緒に朝ご飯をかき込んだあと、監視カメラが設置してあるリサイクルショップへ向かった。




・・・・・




店が見える角まで来たところで、違和感に気づく。


「ん?なんか店の前に人だかりできてね?開店前から並んでんのか?ここそんな人気店だったのか??」


「あのクソぼろで!?」


ボロいとか言うな、と思いつつも、確かに昨日の印象からすると行列ができるタイプの店じゃない。


二人で顔を見合わせ、そのまま足を速めて近づいていく。


「なんだ??」


目の前に広がっていたのは、開店待ちとは明らかに違う光景だった。

店の前には無秩序に人がごった返し、野次馬のざわめきが空気をざらつかせる。少し離れた場所にはパトカーや救急車が停まり、警察官や救急隊が慌ただしく動いていた。


「二人とも!」


人混みの向こうから、聞き覚えのある声が飛んできた。

群衆の隙間から、デジデジが手を振りながら駆け寄ってくる。


「デジざえもん!これ、何がどうなってんの??」


「えっと・・・」


デジデジは一度周囲を気にするように見回し、少し声を落として続けた。


「えっと・・・確かな情報かどうかはわからないんだけど、店の中で店主さんが血まみれで倒れてたらしい。」


「え!?」


胸の奥がきゅっと縮む。


「で、さっき警察の人と従業員の方が話してるのを聞いたんだけど、たぶんもうお亡くなりになってて・・・。殺された可能性が高いみたい。」


「嘘でしょ!?」


ししゃも。の顔から、さっと血の気が引いていく。



挿絵(By みてみん)

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