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【BL男子の日常】出会った男たちが嘘つきすぎて、洗脳事件とヤクザ抗争に巻き込まれて恋愛どころじゃない件  作者: 須戸コウ
第4章 確かな疑念、芽生えた信頼

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第18話 これからどうしよう?


「あっ、交番あそこだね」


俺たちは交番に入り、警察官に落とし物についての諸々を話した。


手続きを終えてカフェに戻ってきたのは、カフェを出てから大体30分後ぐらいだろう。


「しゃもしゃも。お待たせ」


「待たせたな」


「遅ぇーんだよ!!ししゃも。を一人でどんだけ待たすねん!!!」


店に入るなり、のけぞるほどの罵声を浴びせられる。元気そうで何よりだ。


「これでも真っすぐ行って真っすぐ帰って来たんだぞ!警察にあれこれ聞かれて時間かかったんだ!しょうがねぇだろ!!」


「で?ペンダントはあったの??」


「・・・なかった」


「・・・はぁ。だろうね!もうなんも期待してなかったわ!!!」


ししゃも。はテーブルに突っ伏して不貞腐れた。


「まぁでも、遺失物届は僕の名前で提出してきたから、何かあったら連絡が来ると思うよ」


「どうせ連絡なんてこないよ。現金がたっぷり入った財布ならともかく、見た目おもちゃみたいなペンダントだもん。ししゃも。だったら絶対わざわざ届けない」


「落ち着けよ。世の中の人間が全部お前みたいに擦れてるわけじゃねぇしさ。少しぐらい希望持ったっていいんじゃねぇか?」


「励ますふりしてディスってんじゃねぇよ!!!!!!!!!」


「まぁまぁまぁ」

デジデジが俺たちをなだめるように、両手の平を広げて制す。


「とにかく連絡は待つとして、その間にできることを考えよう」


「そ、そうだな!とりあえず、さっきのリサイクルショップで監視カメラの映像確認してもらおうぜ」


「はぁ・・・。まぁ今できるのはそれくらいしかないもんね・・・。23時かぁ~...遅いなぁ・・・。適当に時間つぶしてるしかないかぁ~・・・」

ししゃも。が気だるげに伸びをする。


だが、その提案にデジデジが待ったをかけた。


「・・・それなんだけど、今日じゃなくて明日の朝の開店前とかにした方がいいんじゃないかな?」


「え?」


「早く見つけたい気持ちもわかるけど、23時は遅すぎかなって。燈真君も家に帰らないといけないんじゃない?」


「・・・・いや・・・えっと・・・まぁ・・・そうだな」

図星を指されて俺は言葉に詰まる。


ししゃも。のことは放っておけないが、今の俺には、家で待ってくれている...かもしれない両親がいるのだ。迷惑はかけられない。



「・・・・・・」



少しの沈黙のあと、ししゃも。が話し出す。


「・・・わかった。じゃあここからはししゃも。ひとりで探す。二人にはこれ以上迷惑かけられないし」


「迷惑とかじゃっ!・・・ねぇって・・・言ってんだろ・・・・」

俺ははっきりとした言葉で否定したかった。でも家に帰らなければならないという迷いから言いよどんでしまった。


「うーん・・・正直、僕としてはしゃもしゃもにも少し休んでもらった方がいいかなって思ってるんだけど・・・」


すかさずデジデジがししゃも。を気遣う言葉をかけた。場の空気が悪くならないように調整してくれているように思う。


「・・・心配してくれるのはありがたいけど、ししゃも。は大丈夫だよ。脚のケガも痛くないし、さっきまで歩くときはずっと燈真きゅんにおんぶしてもらってたからそこまで疲れてもないし」


「身体はそうなのかもしれないけど、今日色々あって精神的には疲れてるんじゃない?」


「別に疲れてない・・・。もしかしてさっきししゃも。があんな話したから気遣ってる?ししゃも。は大丈夫だよ。ありがちょう・・・」


「まぁその気持ちもないって言ったら嘘になるけど・・・」

デジデジはししゃも。の言葉を受け入れつつ、冷静に言葉をつなげて詰めていく。


「というか、しゃもしゃもがひとりのときに、今日追いかけられた人たちにまた追いかけられたらどうするの?あと、警察にもあまり見つかりたくないんだよね?この辺、夜になると警察の巡回が多くなるから、そっちも危ないんじゃない?」


「・・・それは・・・そうだけど・・・。・・・んーなんとかするから!大丈夫だから!二人は帰って!」


少しだけ声のトーンを上げて話すししゃも。は、やせ我慢をしているような、どこか寂しそうにも見える印象を受けた。


「帰ってって・・・。お前夜までここで待つつもりなのか?」


「そうだけどなんか文句あんの!?」

俺は以前聞いた自己紹介を思い出した。


「お前、そういえば家はどの辺なんだ?」


「あなたの近所の中学生、ししゃも。です!」


「はぁ!?」


「家なんてないよ・・・。さっき話したでしょ。親、いないから。今は施設で暮らしてた」


「暮らしてた?」


「3日前に抜け出してきたの。今はネカフェに泊まったりしてる」


さらりと言われた事実に、俺は絶句する。


「なるほど・・・・。警察に見つかりたくない理由はそれか・・・」

デジデジの冷静な状況把握に、ししゃも。がこくりとうなずく。


「・・・・グッ」


俺は拳を固く握りしめた。


(怪我をした中学生を、ネカフェ難民の家出少年を、こんな夜の街に一人放り出していいのか?言い訳ねぇだろう!!)


「・・・??」


「あぁもうじれってぇな!!!ちょっと待ってろ!」


「はぁ!?」


俺は席を立ち、カフェを出ていく。


「なんなの??」

「僕にもわからないな・・・」



挿絵(By みてみん)

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