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【BL男子の日常】出会った男たちが嘘つきすぎて、洗脳事件とヤクザ抗争に巻き込まれて恋愛どころじゃない件  作者: 須戸コウ
第2章 捜索

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第12話 ししゃも。インタビュータイム

俺たちは近くのカフェに移動し、注文を済ませると席に着いた。

まさか今日二回目のカフェに来ることになるとは。


「・・・で、・・・何から話せばいいんだ?」


「まずは自己紹介からかな?」


「そ、そうだな! 俺は五十嵐燈真! 好きな食べ物はシュークリームだ!!」


「誰もぽ前の好きな食いもんなんて聞いてねぇんだよ!!」


「はぁ!? うるせぇな! お前もさっさとあいさつしろよ!」



ししゃも。は咳払いを一つすると、やけに流ちょうに話し出した。


「あーマイクテストマイクテスト。本日は晴天なり~皆様聞こえておりますでしょうか? スイス~イ! あなたの近所の中学生、ししゃも。です!」


「お前急にどうしたんだ!?」


「え!? わからない。口が勝手に・・・」


俺たちが困惑していると、向かいに座っていた青年がいきなり元気な声で...


「は~い、ということで、皆さんきまよりー! みんなの心に笑顔のデジタル電波、デジデジでございまぁーーすぅーーー!」


「お前もなのか!?」


「なんか口が勝手に・・・」


「なんか怖ぇからさっさと話し進めようぜ!」


「そうしよっか」



気を取り直して、俺たちは今日のいきさつを一通り青年に話した。


「かくかくしかじか・・・」


「うまうまシマウマってことか・・・」



青年――デジデジと名乗った彼は、真剣な顔で頷いた。



「うーん、正直気になることはいっぱいあるけど・・・。その暴力団みたいな人たちはなんなのか? とか、どうしてししゃも。のペンダントを狙ってるのか? とか・・・」


「・・・・・・」


「まぁでも、遺失物届はいま聞いた話で書けそうだから、このあと交番に行ってみるよ」


「・・・うん。ありがちょ・・・」


「悪ぃなデジデジ。巻き込んじまって・・・」


「ううん。僕にも一部責任があるからね」


「・・・・・・」



ししゃも。が珍しく神妙な顔をしている。



「ん? どうしたししゃも。??」


「・・・燈真きゅん、デジざえもん。・・・聞いて欲しい話があるの」


「デジざえもん!?」

俺は予想していなかった単語の登場に、思わずそのまま復唱した。


「あんまり呼ばれたことないけど、ユニークで面白いかもしれないね! 僕は全然OKだよ。じゃあ僕もしゃもしゃもって呼んじゃおうかな??」


「人が真剣な話しようとしてるときに話の腰折るんじゃねぇよ!!!!!」


「「・・・・・・(お前が急にデジざえもんとか言い出したからだろう)」」


俺とデジデジの心が一つになった瞬間だった。



「なんか言えよ!!!!!」


「お前が話の腰折るなっつったから静かに聞いてたんだろうが!!」


「あぁ~もうやめた! 話すの辞めた!! 人が真剣に話そうとしてるのに二人とも全然話聞く態度じゃry」


――カット。



「事情があって全部は話せないんだけど・・・話せる範囲のことだけは話しておこうと思って」


「急にどうしたんだ?」


「・・・二人に迷惑かけてるし、何も話さないまま手伝ってもらうのも不誠実かなって思って・・・」


「しゃもしゃも・・・」


「言いたくねぇことは無理しなくていいからな」


「うん、ありがちょ。でも大丈夫。ししゃも。が話したいって思ったから話すの」


「そうか、わかった」


「・・・・・・」



ししゃも。は一呼吸置くと、重い口を開いて話し始めた。



「あのペンダントは・・・ししゃも。のママとパパの形見なの」


「形見ってことは・・・」


「・・・うん。今から大体10年ぐらいm」


「大変お待たせいたしました! 当店限定季節のフルーツ盛りだくさんヨーロピアン風スペシャルプリンパフェでございます!」


店員がうやうやしく巨大なパフェを運んできた。



「はい!!!」

俺は元気に手をあげる。



「ごゆっくりどうぞ~」


「うわぁ! すげぇうまそう!!!!!!!!」


「話の腰を・・・・・・・・・折るなぁ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」



挿絵(By みてみん)

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