第9話 ち○ぽち○ぽ言うな!
「お前、首からち○ぽぶら下げてたのか?」
「サイズやいうとるやろがい」
ししゃも。は呆れたように言った。
「それどんくらいだよ!」
「勃○時でだいたい13センチぐらい」
「ふーん・・・そんくらいか・・・」
「燈真きゅんのサイズは?」
「まぁ俺は、16.6センチぐらいかなぁ~?」
俺が何気なく答えると、ししゃも。は露骨に顔をしかめた。
「うっわ・・・自分の方がサイズ勝ってると思ったからすぐ言った! だっさ・・・。『0.6』までサイズ言ってくるあたり若干自慢入ってるぅ~キモーい。しかも自分のち○ぽのサイズわかってるってことは家で定規ち○ぽに押し当てて測ってるんだきっっしょ・・・引くわーーー」
「うるせぇさっさと探せよ!! お前のち○ぽだろうが!!!!!」
「ち○ぽち○ぽ言うな!」
「お前が言い出したんだろが!」
……こいつと話していると本当に疲れる。俺はため息をついた。
「あーもうやっぱりない!! どこにあるのぉもう!!!!!!」
「落ち着けって! んと・・・そうだな。この時まではぜってぇあったって覚えてるのはいつだ??」
「えー?? んーとぉ・・・・」
ししゃも。はしばらく黙り込んで考え出す。
「・・・・あっ!!」
「なんか思い出したか!?」
「ここに来る前、駅前の大通りからちょっと進んだ小道を歩いてたの。そしたらあいつらの乗ってる車がしゃも。のすぐ近くに止まって・・・」
「おう」
「それで、『ヤバいっ早く逃げなきゃ』って思ったんだけど、不安になってちゃんとペンダントがあるかどうか確かめたくてペンダントを握りしめたの。そのときはまだちゃんとあった!」
「おぉ! でかした!!! そしたらここからその場所まで探しながら行ってみようぜ」
「うん!」
俺たちはししゃも。の記憶を頼りに、ペンダントがあったことを確認できた地点まで探しながら戻っていくことにした。
だが、地面に目を凝らしながら歩いても、それらしいものは見当たらない。
「はぁ・・・やっぱないかぁ・・・」
「ねぇな・・・」
「もうだれかに拾われて盗まれちゃったんだよ・・・。もう無理なのかなぁ」
ししゃも。の表情が曇る。さっきまでの憎まれ口が嘘のようにしょげているのを見ると、さすがに可哀想になってくる。
「と、とりあえず、またここからさっきの場所まで行ってみよう! お前、疲れてんなら俺の背中で寝ててもいいからよ!」
「・・・ううん、大丈夫。ししゃも。も探す。ありがとう」
二人は地面をきょろきょろと探しながら、最初にぶつかった場所へ再び戻る。
だが、その場所に戻ってきてもペンダントは見つからなかった。
「はぁ・・・」
「んっと・・・。あっそうだ! ぶつかった後から、なくなったのに気がついたところまではどうだ??」
「それはさっき一人で3往復ぐらいして探したけど見つからなかったの・・・」
「・・・そうか」
「やっぱりもう・・・」
「ちっちょっと待ってくれ! いまなんかないか考えるから・・・」
俺は腕組みをして必死に頭をひねる。
「・・・」
「んーと・・・んーと・・・んーーーーーとぉ・・・・」
「・・・何か思いついた?」
「・・・いや・・・なにも・・・・・・」
いい案が浮かばない。
そうこうしているうちに、空の色が徐々に濃くなってきている。
「・・・・・・もうすぐ暗くなっちゃう」
「そうだな・・・・。で、でもよぉ! この辺一応街灯もあるし、全く見えねくなるわけじゃねぇと思うんだ・・・!」
「・・・・・・うん」
「元気出せよ! ほら、あそこにも街灯あるしよ! ほらここにもあるから心配すんなぁああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
「なに急にデカい声出して!! 鼓膜破れるわ!!」
ししゃも。が耳をふさいで睨んでくるが、俺はそれどころではなかった。指をさして叫ぶ。
「いや! あれ見てくれあれ!!!」
「はぁ? なに??」
「監視カメラだよ! 店の前についてるやつ! ちょうど俺たちがぶつかったあたりが映ってるかもしれねぇぞ!!」
「・・・・!!」
「いや・・・でも普通監視カメラの映像なんて見せてもらえなくない?」
「そんなん聞いてみないとわかんないだろう!? ほら、見た感じこの店個人でやってるところっぽいしよ! セキュリティ観念ボロボロなんじゃねぇか!?」
「そうだね・・・! 見た感じ店もボロボロだし、セキュリティもボロボロそう!!!」
二人の顔がパぁっと明るくなる。
そこは古びたリサイクルショップだった。店の軒先に、埃をかぶった監視カメラが設置されている。
俺たちは顔を見合わせ、勢いよく店に入った。




