恋愛に興味のある息子に質問されました。「なんで、この人達、裸で寝てるの?」
うちには息子(小学生)がいる。
息子の夢は、園児の時から変わっていない。
それは。
父親になること。
幼稚園の先生に「将来の夢は?」と聞かれて、「お父さんになる」と答えて、先生を困らせた事もある。先生は職業を言って欲しかったらしい。
後日、息子の夢は「警察官」になっていた。
……なぜ?
父親というものに憧れる彼は、あるジャンルに興味があった。
それが。
恋愛。
私が子供の頃は、全然興味なかったのに。
とにかく、彼は恋愛ものが大好きだ。
恋愛ドラマ、恋愛映画、恋愛アニメ。
「いや~ん!」とか「キャー!」とか顔を赤くして見ている。
見過ぎて、とんでもない妄想を語る事がある。
「雨が降っててね。傘を忘れた女の子が下駄箱にいるわけ。僕は持ってきた傘を、女の子に貸すの。それで、僕は雨の降る中、走り出して言うの。「僕の家近いからさ。使っていいよ」 ……本当は遠いのに! こういうの、いいよね~」
見過ぎだよ、本当に。
当時、小学校二年生だよ。
恋愛には、相手が必要なわけで。
彼は小学生になってからは、欠かさずバレンタインに気になる女の子二~三人に手作りチョコをあげている。
もちろん、私の手伝いは必要とするが、だいぶ菓子作りが上手くなってきたと思う。
今年も作ってプレゼントする予定だ。
ちなみに、娘は作らない。
理由。「面倒くさい」。
そして、「好きだな」と思ったら、素直に「好きだよ」と言っていたらしい。
ナニソレ。
本当に私の子か。
その甲斐あってか。
運動会の時、息子のクラスの保護者様から言われた。
「うちの子、あなたの息子さんが好きだって言ったわ。両想いなんですって」
あら。それは嬉しい。
そう。
ここまでなら嬉しかった。
ところが。
それを聞いた別の保護者さまからも言われる。
「あら。うちの子も好きだって言っていたわ。好き合っているって」
「え。うちの子もよ」
「おかしいわ。うちの子もよ」
四、五人くらいの保護者様に囲まれるヤスゾー。
「……」
恥ずかしいー---!!!
これじゃあ、ただのクズ男じゃん。
私はクズ男の母親だよ!
とにかく、笑って誤魔化すしかなかった。
全く要らぬ経験である。
さて、そんな彼がある時、真剣に見ていた映画があった。
映画『花束みたいな恋をした』
当時、彼は小学三年生。
三年生が『花束みたいな恋をした』を観ている姿はシュールだった。
恋愛映画なのでどうしても、ベッドシーンが出てくる。
まあ、『花束みたい……』のベッドシーンは全然激しくないので、安心して見せていたのだが。
彼は観ながら、私に質問をした。
「ねえ、いつも思うんだけど、こういう(男と女が仲良くなる)場面になると、いつも裸で寝るよね? なんで?」
「……」
なんで、と言われても。
私は性的な発言は、人と場所を選べば話してもいいと思っている方だ。
しかし、小学三年生に言う事ではない。
「なんで……かな~?」
誤魔化すヤスゾー。
「きっと貧しいんだね」
「……」
「ママ、よく言うじゃん。若い時はお金がないって。きっと、パジャマも買えないんだよ」
「……」
「僕は自分のパジャマが買えなくても、彼女のパジャマは買ってあげるぞ!」
私は、心の中で大爆笑!!!
もうおかしくておかしくて!
「そ、そうだね……。買ってあげなさい……」
としか言えませんでした。
今は、薄々あれがどういうものなのか気付き始めているようで。
そんな発言はしませんが。
今でも思い出しては、笑ってしまいます。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。