気まぐれな兵士
「ではお好きな方をお進みください.」
兵士はそう言ったんだ.
ただ,当然僕はたじろいだ.片方はハズレだと思ったからだ.
お嬢の言う通り夢であったとしても,ハズレを選んでも覚めた僕が無事とは分からないだろう?
だからしっかり当てなければってそう思ったね.
「何かヒントは無いのか?」
「ヒントですか?右に行くのが正解ですよ.」
「え・・・.」
言葉を失ったね.まさかこうもあっさりとって思ったよ.でも,
「右に行けばいいのか?」
「左ですよ?」
だってさ.
やっぱりお嬢は最後まで遊ぶのさ.
「どっちなんだよ・・・.」
「さっきは右だったんですけど,今は左の気分ですね.」
とか言っていたんだ.
「ああ,でも私は嘘はつきませんよ.ええ本当に.それこそが私の自慢できる唯一ですから!」
とも言ったんだ.
ならば君も分かっただろう?
彼は気まぐれなのさ.
だから僕は右を選んだ.
「右に行かれるのですね.」
「ああ,こっちのほうが近そうだ.」
「それではまたお会いできるまで!」
彼は元気よく敬礼した.
ただ道を歩いている時,僕はモグラの話を思い出したんだ.
と言っても君にはまだ話していないことだけどね.
「人生の最後,どこかの節目,選ばざるを得ないことは多かった.けど,どれか一つくらいは直感に任せてもいいんじゃないかって思うときがあったんだよな.結局行き着く先が同じなら,考えるもよし考えないもよし.」
その先は忘れちゃったな.
まぁ結局分かれ道は一つにつながっていたんだ.
目が覚めるって言っていたはずなのに,あの時僕は不思議と欠伸をしたんだ.
次回で最後です.
ちょっと息切れしてますね,これ.
まぁ,次回もお願いします.




