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あなたがそう思うなら!
赤ずきんに見送られ進む廊下は,からくり仕掛けだったんだ.
歩いている時も絶えず壁の歯車は動き続けていて,見えやしない,描かれてもいない遠くで大きな音も聞こえてきていた.本当によくできた夢だ.そうだろう?現実と思う如きものだが,やはり夢なんだろうな.
それは今までが十分に証明しているだろう.
「あなたは,不思議な生き方をしていらっしゃる.」
ジョーカーは言ったんだ.不思議な生き方?最初僕は彼の言っていることが分からなかった.
「あなたはもう一つの水晶体を通して今を見てますね.いえ,何も言わなくて構いませんよ.私にはわかるのです.ええ,とっても.」
これまでにないほどジョーカーは良く笑っていたんだ.
何故かは知らないが,僕はその顔が渦のように回りながら僕の目の前へと迫ってくる,そんな想像をしたんだ.
廊下を進むと開けたところに出たんだ.真ん中が開いていて,ごうと風が吹き,その音が反射していたよ.
そして地下にらせん状に階段が続いていた.
ジョーカーは階段の前で止まって言ったんだ.
「もし,あなたが本当にそう思うのならば,」
ばっと振り返ってジョーカーは僕にこう言った.
「さあ,ここから飛びおりて!」
あまりに勢いのあるその振り返りは,あのコロンの匂いを僕に嗅がせた.
とても吐きそうなそんな気分だったよ.




