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夢の中で  作者: オリンポス
序章
1/16

プロローグ

主人公がただ喋りたいことを喋る物語です...

 さて,これから話すのは長い長い夢のお話だ.と言っても現実になぞらえれば当然,夜を一つ明かしたほどにすぎないわけだが,僕はそこで長い時間を過ごしたのだ.


 夢に入る前の話をまずしなければならない.時に人はどうして自分が生きているのか考え,不意にひどく俯瞰的な視点を物理的に見ているように錯覚する.


君らにはないだろうか,突然の眩暈の後,足元が軽くなり思考が急に悟りへとひた走るようなことが.


いや,ないならそれで別にかまわない.

それならそれで,僕が僕としてある唯一の物を僕が持っているということだ.

とにかく,大した頻度では無いにしろ僕は「それ」に襲われる.

それはほんの一瞬であるのだが,急に現れた「それ」はとても不安で悲しくなるのだ.


その日も「それ」に襲われたのだが,特になんもない1日ではあった.

テレビのニュースはいつも通り,いや特別であるべきだが,誰かが亡くなったり,誰かが逮捕されたりというニュースが流れていた.晴れマークがずっとテレビの左上にあったことも覚えている.

なにひとつとして変哲もない一日は睡眠で終わるのだが,実はこういう日こそ良い眠りができるのだと僕は思っている.事実,この次の日はとても良い目覚めだった.これは夢の後で話すとしようか.


そろそろ夢の話に入ろう.前に話した通り,僕はなんもない一日の最後に寝たのだ.

眠りに入れば,僕ら人間の物差しで測ることになるが,意識はなくなる.

ちなみに僕はその寸前の感覚が何とも言えずに好きだ.

目を瞑っているから方向感覚が消えうせて,ふわふわする感覚.

単位格子の角からそれぞれの相互作用をずらして周期的に受けている感覚と言えばわかるだろうか.


分からなくてももちろん構わない.

それを持っていることは僕にとっての至上な嬉しさに他ならなくなるからだ.


さて,少し話がずれた.僕の悪い癖だ.

話を戻すと,急に意識がはっきりしたんだ.しかも,なぜか立っている感覚がある.

何か怖い夢を見て起きてしまったなんてことじゃあない.そもそも僕はそんなに子供じゃない.

だが,明らかにいつもと違うその時は,その状況がとても怖かった.

だから僕はゆっくりと目を開いたのだ.

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