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75話 再開

 「ヴァミア生きていてくれたんだなぁ……」


 膝をついてボロボロと涙を流すヴァミアを、そっとミルマは抱きしめた。

 

 「兄さんに……会えた……!」


 長い髪を乱したまま、さらに涙を流して抱き返す。

 だがここは戦場。

 いつまでもそうしていることは出来ない。


 ミルマは手を離してヴァミアを立ち上がらせると、手を顔に当てて戦闘で付いた泥を取った。


 「ヴァミア強くなったんだな」

 「兄さんに教えてもらったから」

 「いや、教えてもらってたの俺だから……」

 

 その反応を見たヴァミアは、戦場では一度も見せなかった暖かい笑顔を浮かべた。


 「やっぱり兄さんは変わってない」

 「そんなの当たり前だろ。どれだけ時が経ったって俺は変わらない。あ、でも少しだけ強くなったけど」

 「私も少しだけ強くなった」

 「ヴァミアは少しどころじゃないだろ……」


 戦場にいるとは思えない会話をしながら、2人は笑顔を向け合う。

 しかし、後方で鳴り響く戦闘音で幸せな時間から戦場に引き戻される。


 「カロス様が押してる! このままいけば――」

 

 連続で行われる攻撃に体勢を崩したグラファを見て声を上げるが、それをヴァミアは希望もろとも切り裂く。

 

 「いや違うよ。あれは遅てるわけじゃない。ただ力を使い過ぎてるだけ。だからもう時期」

 「黒水虎(ブラックタイガー)


 ヴァミアが全て言葉にする前に、黒い水の体を持つ虎が出現してカロスの横腹に牙を突き刺した。

 

 「カロスが負ける」

 「嘘だろ……そんなわけ……」


 “負ける“この言葉にミルマの頭は真っ白になった。


 「だってカロス様は五大魔獣なんだ! だからそう簡単に負けるわけが――」

 「それでも負ける。私と五大魔獣の2体でも歯が立たなかった。あの男が……強すぎる」


 ヴァミアの目線は、カロスからグラファに移る。

 だが、目線の先には既に()()()()()()()


 「いない! 一体どこに――」

 「そんな俺のことを探してくれるなんてぇ、嬉しいな。だから殺してやるよ」


 いつのまに!?


 「水剣」


 手から透明な水が流れ出し、わずか数秒で一本の剣を作り上げていった。


 「死ね」


 咄嗟の出来事で動くことの出来ないミルマに剣が振われる。

 

 せっかくヴァミアに会えたのに……!

 俺はまた力がないせいで何も出来ないのかよ……!

 

 「じゃあな。ヴァミアの兄さん」


 止まることのない美しく、残酷な剣がミルマの頭に振り下ろされて――


 「私の兄さんに手を出すな」


 頭を切断される寸前で、また別の剣がグラファの剣を受け止めた。


 俺は誰かに助けられないと生きていけないのか。

 ヴァミアは今も昔も、俺達を守るために戦っているというのに……!


 「まだ動くか。まぁいい。どうせお前1人じゃ俺に勝てない」

  

 ニヤリと笑う。

 グラファは片手で剣を握っている。 

 それに対してヴァミアは両手で剣を握って攻撃を受け止めている。

 つまりどちらが不利かと問われれば、答えは明確だ。


 「水剣」


 剣を握っていない、()()()()()()から水が流れ出し1本の剣を作り上げる。


 「クッ……!」

 「先にこの男を攻撃しといて良かった。これでお前に隙ができたからなぁ。兄弟の前で死――」

 「ちょっと失礼しますね」


 この場の空気に合わない声が聞こえる。

 その声の発生場所は、グラファの真後ろだ。


 グラファでさえ全く気付かず、驚いて背後を向こうとした時首に大きな衝撃を受けた。

 突然のことに受け身を取れず、地面を小さな石のように転がって行く。


 「誰だ貴様はぁ!!!」


 切った唇から流れる血を拭きながら立ち上がり、突然現れた者に怒号を浴びせた。


 「私ですか? 怒鳴る程教えて欲しいなら仕方がありませんね。私はリウス様に使える、そこら辺の悪魔です」

 

 

 

 


 


 


 


 


 


 


 


 

 




 

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