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47話 時操の金鳥

 ベルゼルフは、自分の首に向かって振られる剣を、避けようとすることなどせず、ただ静かに声を発するだけだった。

 

 「止まれ」


 ヴァミアは、誰も目で捉えることの出来ない程の速度で剣を振った。

 だが、今は誰でも見ることの出来る状態になっていた。  

 

 剣は、ベルゼルフの喉に触れるか触れないかのギリギリの場所で止まり、黒炎も動くことなく停止していた。


 「この炎熱すぎるぞ。もう少しで、この私が火傷してしまうところだった」


 ベルゼルフは、目の前に立つ仮面をつける人物を数秒だけ観察すると、手から空へ伸びる金の液体を気にしながら、腹に蹴りを入れた。


 だが、嗚咽や悲鳴を上げることなく後方に吹き飛ばされていく。


 「これでやっと作業に集中できるな」


 ヴァミアが停止している間にも、空に金の液体が伸びていき、巨大な球体が出来上がっていた。


 「そろそろだな。時変の幕」


 すると、ベルゼルフの頭上に浮いていた球体が、一瞬波打つと、薄い膜が出来上がり隙間を作ることなく、辺り一面に広がっていった。


 「この幕が広がると、周囲の時間が早くなるのだな?」

 「ちょっと気になっていたのだが、カロスの指す周囲ってどこを言っているんだ?この幕は、幕内の時間が早くなるという効果を持っているのだがな」

 「すまない、我が悪かった。周囲っていうのは幕外のことだ」

 「残念ながら、私は幕外での大規模な時間操作は自由にすることができない。だが、代わりに幕内の時間を遅くするということは出来るが、それでもいいか?」

 「それで頼む」

 「なら変更するか」

 

 直接幕に変化が起きるわけではないが、どうやら効果は変わったようだ。


 「あとは幕が降りるのを――」

 「氷の盾」


 ヴァミアは、突如目の前に出現した分厚い氷に目を向けると、黒い炎に包まれて溶け始めていた。


 「まさかそうくるとはな……、カロスと張り合っていた時点で、もしかしたらと思っていたがな」


 カロスの氷の盾を包む炎は、少し離れた場所で剣を構え、()()()()()()()()()()()の人物から攻撃だった。


 「なぜ奴は動けるのだ」

 「さあな。でも一つ言えるのは、私の力はこの世界に存在する、全てのものの”時“を操ることができる。だが、私と同等の力、もしくはそれ以上の力を持つものは、自力で解除してしまうことがある」

 「そうか。つまりヴァミアは我ら五大魔獣か、あるいはさらに上の存在、魔王と同等の力を持っているということか」


 カロスは納得した、という表情を見せると共に、険しい表情を浮かべた。


 ベルゼルフは、我とヤツが張り合っていると言っていたが、どちらかと言えば押されている方なのだ。

 ベルゼルフは、我よりも上の力を持つ存在。

 もしかしたら、五大魔獣以上の力、魔王級の力を持っているかもしれない。


 「どうする?こんなこと言ったら怒るかもしれないが、カロスだけだと負けるかもしれないぞ?」

 「安心しろ。我も同じことを考えていた。だが、そうならないように、ベルゼルフを呼んだのだぞ」

 「まさか時変の幕だけが仕事というわけではないようだな。なら仕方がない!手伝ってやろう!」


 あと少しで時変の幕が完成し、そして幕内の時間の流れが遅くなる。

 そうベルゼルフは考え、兵士達自身も考えていた。

 

 だが、地面まで役二メートルという時に、兵士たちのいる方面の幕が一気に吹き飛ばされた。

 吹き飛ばされた幕は、細かな金の雨となって地面に降り注いだ。


 

 

 


 

 


 

 


 


 


 


 


 

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