Chapter1-96
そして、バーレーン砦攻略の日になった。
出立の前に、四人は食事を取っていた。
無論、レオンハルトはドラゴンプリンセスに変身しレーナ姫の姿を取っていた。
「ステーキとサラダ……豪華な食事ね」
「まあ、今日は重要な戦いの日だからね」
エリファーがそういうと、四人はステーキを食べきった。
「ごちそうさまでした」
そして、ファーラがまず初めにこういった。
「転移魔法は中庭で使用するとのことです。準備はできていますか?」
「勿論よ」
レーナ姫は仲間を見渡しながらそういい、中庭へと向かう。
中庭には兵士たちが立っており、まさに臨戦態勢といった趣だった。
「では、行くぞ。今こそバーレーン砦を落とし、我らの手に!」
そういって転送すると、その先は野城であった。
「我はここで諸君らの健闘を祈るしかできない、しかし我らには聖剣を継ぐ姫が居る!」
そんなレクシオン王子に、レーナ姫はこう続ける。
「総員、我に続け!」
そういってレーナ姫が砦へと駆け出していくと、兵士は彼女に続く。
レーナ姫達四人は無双の力を持っているといっても過言ではないが、
攻めに徹することを考えれば兵士の存在が必要不可欠だ。
攻めと守りを両立させ続けるのは歴戦の戦士であろうと力尽きてしまいかねないので、
兵士の存在により守りの心配をせず戦えるのは理想的な状態であった。
といっても彼らを肉壁にするわけではない。
突っ込んでくる雑魚を彼らに任せつつ自分たちは強敵を狩る、というのが今の四人の戦法になるのだ。
「ゴーレムがウロウロ居るわね、流石に重要拠点だけはあるわ」
「なら、私達の出番です」
ファーラがそう合図すると、レーナ姫は炎のブレスを放つ。
ゴーレムはドラゴンの炎のブレスで倒しきれるほどではないが、彼らに大打撃を与えているのは間違いない。
「ゴーレムに精気は無いけど、このくらいなら!」
「リリィのいう通りね。一気に叩くわ」
弱ったゴーレムなどレーナ姫の仲間達にとって敵ではなく、彼女たちは一気にゴーレムを蹴散らしていく。
「ドラゴンクリムゾンが一体……気合いは入っているようだけど」
「エリファーのいう通りですね。周りを心配しなくていいなら、やりようはあります」
ファーラがそういいながら槍を振り回すと、ドラゴンクリムゾンは冷気を吐いてくる。
だがそれをエリファーが剣技で弾き、その隙にリリィが剣を突き立てる。
「貰ったよ!」
「兵士が相手できるくらいにはこいつらを削って、とっとと砦に行くわよ!」
レーナ姫がそういうと、仲間たちは承知したといわんばかりに頷くのだった。




